2018/08/31

青森市の都市公園で見かけたツリガネニンジンの花

【ツリガネニンジンの花。】


 高齢(11歳)になった愛犬は、だんだん散歩の距離が縮まってきた。
だが、ときたま軽快な足取りで遠出をするときもある。
まだ若かったころの散歩を、思い出してでもいるように歩き出すのだ。

今朝も、そんな散歩になった。
肩を交互に振って、早足で歩く。
お尻もフリフリ。
松原公園まで一気に来て、公園の中をのんびり歩き回る。
ひょろながい青草をムシャムシャ食べる。

おかげで懐かしい花に出会えた。
この公園でツリガネニンジンを見るのは初めて。
道路際に一株、花を咲かせている。
ツリガネニンジンの花は、一昨年のお盆に津軽半島の平滝沼公園で見て以来である。

そういえば、平滝沼公園でもポツンと一株だけで立っていた。
独りでいるのが好きなのだね。


【花を拡大。】


株は独りでも、花は賑やかである。
細い茎に、ぶら下がるように次々と淡紫色の花を咲かせている。
下を向いた釣鐘形の花が、特徴的である。

上の写真のように、花冠が先端部で広がっている。
反り返った花びらの裂片がなんともチャーミング。

花柱(めしべ)が花冠から飛び出して、花柱の先端(柱頭)も反り返っている。

ツリガネニンジンに似た花にソバナがある。
淡紫色の釣鐘形の花であるが、ツリガネニンジンのように花柱が飛び出ていないのが見分けるポイント。

花の形も、ソバナはどちらかと言うと円錐形で、ツリガネニンジンのような「胴太感」は無い。
それにソバナの花は、ツリガネニンジンのように輪生しない。


【真上から見たところ。花も葉も、もちろん蕾も輪生している。】


花は下向きに咲くが、ツリガネニンジンの蕾は、下の写真のように上向きである。
空に向かって蕾が育ち、花は地に向かって開く。
元気な子どもが、慎ましい麗人に成長するようなイメージである。

ツリガネニンジンの根は、朝鮮人参の根のように太いと言われているが、独りポツンと立っている花を引っこ抜いて、その根を調べるわけにはいかない。
また、茎を切ると、白い乳液状の汁が出るらしいが、これも独りポツンと立っているが故に、茎を折るわけにはいかない。

このままそっと見守って楽しむべき花なのである。


【これから花開く蕾たち。】


下の写真は、ツリガネニンジンの葉。
根本に近い葉は、広くてオオバコの葉のようである。
根生葉は円心形で、花が咲く頃には枯れてしまうという。
葉は、茎の上になるほど細くなっている。
葉は3枚の輪生。
葉の縁に鋸歯あり。


【ツリガネニンジンの葉。】


それにしても、都市公園の草むらにツリガネニンジンとは。
どこか場違いな印象は否めない。

津軽半島の平滝沼公園みたいな所でないと、風景との一体感がありませんね。
ツリガネニンジンには、津軽半島の野が似合う。


【ツリガネニンジンの立ち姿。ゆるいSの字。】

2018/08/30

「きのこ屋」さんは健在だった

あいかわらず体調がわるそうで「健在」とは言い難いかもしれないが、お元気そうで何より。

「きのこ屋」というホームページを、私が知ったのは14~5年前だったか。
キノコの写真がきれいだったのと、サイトオーナーのブログの文章が面白かったので、ちょくちょくサイトを訪れていた。
そのころのブログ名は、たしか「クサビラ日記」とかだったと記憶している。
「クサビラ」とは、キノコや食用になる草類の古称であるとか。

当時私は、もうタイトルは忘れてしまったが、「山歩き」のブログを書いていた。
「きのこ屋」のサイトの背景色が濃いグリーンでオシャレだったので、私はまねて、自分のブログの背景色をグリーンにし、山の写真を載せ、白く抜いた文字で記事を書いていた。
バックが濃いグリーンだと、私の下手な写真がよく映えた。

一度「きのこ屋」のブログのコメント欄に投稿したことがあった。
文章が面白いのと写真がイイのと、私がブログの背景色をまねていることなんかを、私のブログのアドレスを添えて書いたのだった。

すると、「きのこ屋」さんが私のブログを見てくれたらしく、「夕暮れの自転車の写真がイイ雰囲気が出ている」とかなんとか、律儀にもレスを返して下さった。

当時私は、AppleがiCloudで提供していた無料サーバーを利用していたのだが、しばらくしてAppleがその無料サービスを止めたので、それに伴い私もブログを止めてしまった。
なので、当時の私のブログはもう存在しない。

その後私は、コメント欄には投稿しなかったが、「きのこ屋」さんのブログを度々拝読して楽しんでいた。
ところで「きのこ屋」さんは、本名と顔写真を公開しているが、あえて「きのこ屋」さんと呼ばせていただこう。

当時の「きのこ屋」さんのブログのプロフィールを読むと、若い頃は雑誌記者だかフリーライターだかをしていたと記されてあった。
その後北関東の一都市にある自宅で食堂を経営しながら、キノコの写真を撮ることを趣味に暮らしているということだった。
読書好きで、本をたくさん読んでいる風でもあった。

私は現在のBloggerブログをはじめたとき、「LINK」のページに「きのこ屋」サイトのブログ「微々たる日々の記」を載せ、「文章が面白い」と紹介文を書いた。
実際、「きのこ屋」さんの記事は、その時々の感情を露出させたセンスのイイ語り口が面白かったのである。

ところが、3~4年前だったか久しぶりに「きのこ屋」さんのブログをブックマークから開こうとしたら、「404エラー」が出て「リクエストされたページは存在しません。」ときたもんだ。
当然私のブログの「LIN K」ページの「微々たる日々の記」もリンク切れ。

サーバーを替えて、ブログのURLが変わったのかなと思い、「微々たる日々の記」や「きのこ屋」で検索してみたが、ヒットしない。
しばらく訪れないあいだに、ホームページもブログも消えてしまっていた。

私が最後に読んだあたりは、体の不調の記事がちらほらあったので、ひょっとしたら亡くなったのかなと不遜にも思ったりした。
それでも気になっていたので、関東近辺の「きのこサイト」のリンクなんかをちょくちょく調べたりしたが、「微々たる日々の記」や「きのこ屋」にはたどりつけなかった。

それが今日、急に思い出して、なんとなく「微々たる日々」で検索したら、なんとサイトはご健在じゃありませんか。
ブログタイトルは「微々たる日々の記Ⅱ」となっていた。
おそらく、サーバーを引っ越す際に「シーズンⅡ」の新アドレスの告知を行っていたのだろうが、ちょうどその時期に私のアクセスが遠のいていたということなのだろう。

「きのこ屋」さんはたぶん、Googleの「Search Console」などを利用して「SEO」をやるタイプではなさそうなので、検索エンジンのインデックスから外れていたと思われる。
そのせいで、長い間「行方不明状態」だったのでは、と私は勝手に推測している。

それとも例によって過激な下ネタ記事を書いて、検索エンジンから嫌われ、遠い世界へ飛ばされていたのか。
まあ、後者のほうがあたっているような気もするが。

今日、ブログと再会したときは、似たようなタイトルも世の中にはあるからと、これが本当にあの「きのこ屋」さんの「微々たる日々の記」かなとちょっと疑問が湧いた。
プロフィールのページへ進んだら、少し老けた「きのこ屋」さんの横顔があった。
ピンポーンだった。
そこでこの記事冒頭の「お元気そうで何より」となるのである。

職業は、派遣社員で看護助手とあった。
年齢は、1952年生まれだから、私よりひとつ下。
悩みは、「カネがないこと」。
それは私も同様、カネのない悩みは尽きない。

もう食堂はやめて、勤めに出ているようだ。
ざっと記事を読むと、去年の暮れまでは清掃会社の派遣社員だったらしい。
「某文化センター」で清掃業務をしていたのだが、「きのこ屋」さんは要領が悪くて仕事が遅い。
老齢になってからの慣れない現場仕事にだいぶとまどっていた様子である。
「K」という正社員のオバサンに目をつけられて、イチャモン攻撃がしょっちゅうだったので辟易していたことなどが書かれている。
現在は清掃会社を辞めて、看護助手の仕事につき、担当の病院でベッドメイキングなどを行っているという。

「きのこ屋」さんのブログには、登場人物の姿が生き生きと描かれていて、面白い。
去年まで勤めていた清掃会社の「K」というオバサンなどは、その振る舞いが目に浮かぶようである。
清掃会社での「きのこ屋」さんの上司である「カチョー」とか、親切な同僚の「S」さんとか、微妙な存在感が伝わってくる。

ブログの副題は、「たまに更新する普通の日記」となっている。
こういう日記風ブログもいいもんだと思わせるブログである。
これからまた、ちょくちょく読みに訪れようと思う。

2018/08/28

チャンスをください

小さな女の子が、道路の向こうで叫んでいる。
「ギミーチャーン!」
何度も、何度も。
その声が、トラックの轟音に吹き飛ばされる。

私はウトウト、夢のなかでその声を聞いている。
「『ギミーチャーン!』って、『Give me chance!』ってこと?」
英語を習いたての教室の夢。

「Please give me this paper.」
「プリイズギブミゼスペイパア。」
女教師は、歯並びがきれいだった。
まるで歌っているように口を開く。

「『paper』のところに替わりの単語を入れて例文を作ってみなさい。はい、ここの列。」

「Please give me this pencil.」
「Please give me this knife.」
「Please give me this note.」

机の上の、文房具の単語が続いて、私の番がきた。
「・・・・・・・・・・・・・」
私の答えは、見つからない。

「Please give me this ・・・」
女教師の白い歯が促す。

ついに、私は。
「Please give me this keshigomu.」
教室の中は、笑いの渦。

その渦の真ん中に、私と女教師が立っている。
「I think it is too bad that you missed your chance.」
女教師が、早口でつぶやいた。

私には、わからない。
私の耳に最後の「チャーン」だけが響いた。

その「チャーン」が、夢の世界から公園の角へ。
「キミーチャーン!」
「マイチャーン!」

下校途中の女の子が、道路を挟んでお互いの名を呼び合っている。
何度も、何度も、名前を呼び合いながら遠ざかる。

幼い日に誰もがやったこと。
老人はまた、ウトウト昼寝の世界へ引き込まれ。

「Give me chance!」と聞こえ。
「My chance!」と聞こえ。

ああ、そうか。
子どもは、その名前にチャンスが付いてるってことか。
それは、子どもはだれもが「チャーン」を持っているってことさ。
などと、夢うつつ。

老人になってから、わかること。
老人でもわかること。

だから、私にもチャンスをください。
何度も、何度も。

2018/08/15

津軽半島旧稲垣村の「化粧地蔵」

【地蔵堂。】


お盆の墓参りに出かけた墓地で、何気なく地蔵堂を覗いたら、新しい地蔵像が安置されていた。
新しい地蔵像が安置されるということは、最近この地域で幼い命や未婚の若者にご不幸があったか。
あるいは、縁のある地蔵様が古くなったので、新たに建立したのか。


【今風のお地蔵様。】


「化粧」で甦るお地蔵様

上の写真のように、新しい地蔵像の材質は、現代の墓石材である花崗岩(御影石)だった。
古い像は、砂岩や凝灰岩を彫ったものと思われ、素朴さが漂っている。
なかにはセメントを練って作ったコンクリート製のような像もある。
縁者の手製なのか。

それに比べて花崗岩製の地蔵像は、滑らかで端正な表情をしている。
おそらく、レーザーとかで機械彫り。
手彫りの素朴な相貌は、見られない。

つがる市稲垣地区のお地蔵様は「化粧地蔵」と呼ばれるものがほとんど。
今は、昔ほど「化粧」が施されていないようである。
「化粧」は薄くなったが、カラフルな衣類は昔と変わらない。

着物の生地に可愛い模様が多いのは、主に幼い子どもの供養であるからなのだろう。
亡くなった子どもが身につけていた衣類の生地を用いて、地蔵様用に仕立てたものもあるのかもしれない。

古くなって石が風化したお地蔵様が、「化粧」で甦る。
衣類を着せることによって、往時の姿を取り戻す。

地蔵像を「化粧」することは、「再生」への悲痛な願いのように思える。


【奥の方に古い地蔵像。】


旧稲垣村の「化粧地蔵」の思い出

私は小学生の頃、一度だけ化粧地蔵のメイクを行ったことがある。
夏休みに、私が住んでいた集落の子供会行事に参加したのだった。
確か、盆前の行事だったと記憶している。

旧稲垣村の各集落には、お地蔵様を祀った小祠や地蔵堂が点在していた。
私の集落では、三十体ぐらいの地蔵像が安置された小さな地蔵堂があって、地蔵堂の前は小さな広場になっていた。

集落の子ども会が、お地蔵様の「化粧」を行った

まず、上級生の指導のもと、子ども会のメンバーで集落を回り、地蔵様への現金の寄進を募った。
集落の各家から頂いたお金を持って村の雑貨店へ行き、「化粧(色塗り)」の材料を購入。

残念ながらこのあたりから、もう記憶があいまいになる。
「化粧」の材料は、学校の教材である水彩絵の具だったような気もするが・・・
稲垣村で「餅色」と呼んで、「干し餅」の着色に使っていた「食用色素」だったような記憶もある。

私の頭では、後者の記憶の方が勝っているのだが・・・・
それから、チョークを使ったような記憶もうっすらとある。
なんとも頼りない次第で・・・・

材料を買って余ったお金で、お菓子やジュースをたくさん買った。
これは、しっかりと覚えている。

「化粧地蔵」が仕上がるまで

お地蔵様の「化粧」の手順は、記憶があいまいな部分も多いが、以下のようであった。
参加人員は10人ぐらいで、作業は日中に行った。
  1. まず、お地蔵様に手を合わせる。
  2. 古くなった衣類を脱がす。
  3. 地蔵堂近辺の農業用水路から汲んだ水でお地蔵様を洗う。
  4. 下塗りにお地蔵様の像全体を白チョークで塗りつぶし、布切れや指でこすって表面を平滑にする。
  5. 「餅色(食用色素)」を水で溶いて、筆で彩色。
  6. 目や鼻を黒色で、口を赤色で描く。
  7. 頭髪も描いたような・・・・
  8. 衣類もカラフルに描いた。
  9. 上級生の采配で、夕暮れまでに一通り描き終えるように作業を進めた。
  10. 「化粧」できれいになったお地蔵様の前に、買ってきたお菓子やジュースをお供えして手を合わせた。
  11. 作業終了の後は焚き火をして、古くなったお地蔵様の着物を燃やした。
  12. 焚き火を囲んで、お菓子を食べながら子ども達で団らん。
  13. 上級生の掛け声で、解散。めいめい帰宅。
(4)と(5)と(7)については、記憶が定かでない。
確かこうであったような気がするという程度のもの。

「化粧」の描き方は、上級生の指導があったようだが、めいめい自由に腕をふるった。
各メンバーのセンスが問われた楽しい「仕事」だった。

お地蔵様の新しい着物は、後で親族や縁者の方が着せたようである。
縁者のいないお地蔵様は、私達が描いた衣服を身にまとって、奥の方に控えたのだった。

今にして思えばお地蔵様の色塗りは、幼くして亡くなった子ども達と生きている子どもたちの歓談だったような気がする。
集落の大人たちは、亡くなった子ども達と私達を遊ばせることによってその霊を供養しようとしたのかもしれない。

そう考えると、津軽地方の地蔵信仰とは「再生」を願う「思慕」の祈りのように思えてくる。
なお(11)の焚き火は、「お焚き上げ供養」を意味していたと思われる。
(12)の、お地蔵様の前でそろってお菓子を食べたのは「同食信仰」だったのだろう。

【※同食信仰とは、お供えしている物を仏様と分かち合う習慣のこと。同じものを食べると心が通じ合うという考え方。


【丸彫り型の地蔵像が多いが、後背が付いている舟形地蔵像もちらほら見える。】


津軽地方で親しまれ愛されていたお地蔵様

インドに起源をもち、中国を経て日本に渡来したという地蔵信仰の詳細について、私はほとんど知らない。
おそらく、地蔵像を建立した村の人々も、地蔵菩薩についての仏典などを読んで知識を得、お地蔵様を崇めている人は少ないのではあるまいか。

津軽地方では、理屈を抜きにしてお地蔵様は他の菩薩様よりも親しまれ愛されていたように思える。
民間における篤い信仰の対象として、お地蔵様が建立されたと私は感じている。

旧稲垣村の「化粧地蔵」は、専門の僧職や地域のお寺が指導するわけではない。
集落の子ども会の上級生や子ども会を見守る大人、集落の「地蔵講」の年配の女性たちが、その風習を拠り所として、子ども達を指導していたように記憶している。

「化粧地蔵」は死者の「再生」を願う「思慕」の表れ

津軽地方の地蔵信仰は、既成の寺院宗教の及ばぬ世界だったのではあるまいか。
私が住んでいた集落の「化粧地蔵」は「再生」と「思慕」を念頭においた地蔵信仰であったと確信している。

夭折した子どもや未婚の若い男女の霊魂にお祈りし、若くして亡くなった良人に祈りを捧げる。
その祈りは、「再生」への願いだったのではあるまいか。

「イタコの口寄せ」の「再生劇」

旧稲垣村から、そう遠く離れていない五所川原市金木町川倉に「川倉賽の河原地蔵尊」がある。
その例大祭には「イタコの口寄せ」が行われている。
「思慕」の念が募るあまりに「イタコの口寄せ」を依頼する親族や縁者は、亡くなった者が甦る「再生劇」を間近に体験するのである。

津軽半島の地蔵信仰は、既成の宗教観とは異なり、もっと身近で分かりやすい死生観を拠り所にしていたのだと思う。
「川倉賽の河原地蔵尊」には立派な本堂があり、管理しているのは金木町にある既成の寺院であるが、「川倉賽の河原地蔵尊」を支えているのは土着の信仰心ではないだろうか。

津軽地方の土着の死生観が「化粧地蔵」を育んでいた

日本の地蔵信仰は、京都がルーツだとされている。
京都周辺の若狭湾に面した地域、京都府宮津市などには「化粧地蔵」が多く安置されているという。

そういう京都の文化が、「北前船」を介して津軽地方に広まったとされている。
だが、津軽の地蔵信仰は京都の信仰形態をそのまま踏襲したものではないであろう。

津軽の地蔵信仰は、京都地方から伝わった信仰に土着の死生観が「習合」したものではないかと私は推測している。
津軽地方土着の死生観が「口寄せ」をする巫女である「イタコ」を登場させ、死者の「再生劇」を演じさせている

その死生観は、「化粧地蔵」にも通じて、「再生」を祈る行為として地蔵像を「化粧」し衣類を着せる風習を育てたのではないだろうか。

この私の感想は、地蔵信仰についてのフィールドワークから得たものでは無い。
津軽地方独特の習俗のなかで少年時代を過ごした私の直感である。

もうひとつ、私の直感で言えば、化粧地蔵の前垂れの十字模様は津軽地方にいたという隠れキリシタンの名残ではなくて、この世とあの世の交差点である「賽の河原」を暗示しているのではないだろうか。
旧稲垣村に、「化粧地蔵」の数ほどキリスト教信者がいたとは聞いたことがない。
地蔵菩薩がいらっしゃるという「賽の河原」を十字で表せば、お地蔵様の前垂れとして説得力があるのではないだろうか。

旧稲垣村教育委員会の労作

なお、旧稲垣村教育委員会が「稲垣村民俗信仰調査報告書」という資料を1995年に発行している。
この調査資料は、かなりの労作であると聞いたことがある。
この資料には旧稲垣村の「化粧地蔵」についての仔細が明記されているとのこと。

それによると、津軽地方でもっとも「化粧地蔵」が多いのは旧稲垣村であるという。
それだけ旧稲垣村では幼児の死亡率が高かったのだろう。
もう六十七歳になろうとしている私には、はるか昔の出来事。

それにしても、旧稲垣村教育委員会が稲垣村の民俗信仰について、緻密なフィールドワークを行っていたとは驚きだ。
機会があったらぜひ読みたい資料である。


【十字模様の前掛けにはどんな意味が?今は衣類だけ新調されて、化粧は施されていない。】


【堤防の脇の大きめな地蔵像(左端)。僧の像(左)と、仏法や仏教徒の守護神像(右)。】

2018/08/13

カラフルな「イチキュッパ」のプライスカードをCorelDRAWで描いた

【1,980円(イチキュッパ)のプライスカード。】

1,980円。
おなじみの「イチキュッパ」。

値段が「イチキュッパ」だと、消費者は「お得」な印象を抱く。
2,000円の方がキリがいいのだが、キリのいい数字よりも端数のついたものの方が説得力があるようだ。

キリがいい値段なんて、どこかおかしい。
眉唾だ。
ピッタリの数字になるはずがない。

真面目に値段をつけるのが面倒くさいので、端数を端折ってキリのいい数字にしてるんじゃないか?
ドンブリ勘定だ。
端数にこだわる値段の方が、売る側の誠意が感じられる。
などなど。

このような訳で、「イチキュッパ」が愛されているのだが、「1,980円」は「1,980円」で定番になり過ぎて、今やキリのいい数字になりつつある。
そうではあるが、素朴感あふれる端数に対する好感度は、まだまだ高い。

2,980円が「ニーキュッパ」。
3,980円が「サンキュッパ」。
4,980円が「ヨンキュッパ」。

売る側の「キュッパ」攻勢に、消費者の購買意欲は高まっていく。
「キュッパ」は、財布が開く鳴き声なのである。

買物がショッピングになり、ショッピングがレジャーになったのはいつ頃からだろうか。
物を買うことが、気分転換を促し気持ちを刷新する。
その日の暮らしを前向きで過ごすことができる。

スポーツで気分転換を図るには、体力や技能が必要である。
だが、ショッピングなら、それなりのお金があれば誰でもができる。

最近よく聞く「モノ消費からコト消費へ」は、ショッピングがレジャーになりだした頃、すでに始まっていたのだと思う。

物を買って気分転換していた消費者が、「気分転換という事」を買うようになった。

「節約は美徳で、浪費は罪悪」という感覚は今も変わらない。
しかしその「節約感」が、窮乏に耐える「節約感」から窮乏を退けて豊かさを求める節約感に変わってきた。

そのあたりから、ショッピングがレジャーとしての要素を大きくしてきたのではあるまいか。
価格に「イチキュッパ」が目立ち始めた頃は、きっと値札にもこのレジャー感が投影され始めた頃に違いない。

だがプライスカードは、機械的な数字の羅列。
せいぜい、ポップ書体の使用で雰囲気をやわらげる程度である。

では、CorelDRAWで作った上の画像。
こんなカラフルなプライスカードはどうだろうか。
デザインの良し悪しは別にして、こういう遊び心のあるプライスカードがあってもいいのではないだろうか。

買物の現場を賑やかに。
POP広告から取り残された後進地的存在であるプライスカードに、「気分刷新」の光を。

CorelDRAWは、そんな光を描き出すのにピッタリのグラフィックソフト。
消費者の目をひく描画機能は充実している。
その使い方は、いたって直感的。

ところで「イチキュッパ」の発想。
銭勘定に細かいとされる日本人の発想かと思ったら、さにあらず。
古くから北米に伝わるマーケティング手法であるとか。
「価格戦略」の中の「心理学的価格決定」が、日本の「イチキュッパ」の元祖であるらしい。

「イチキュッパ」にそんな「心理学」的な来歴があったなんて・・・・
なんとなく分かる気もするなあ。


■興味をお持ちの方は下記リンク先へどうぞ

2018/08/11

いろいろな値引シールのデザインの方法

【25%OFF】


CorelDRAWの機能を使って、いろいろな値引シールを描いてみた。
前回の値引シールの制作方法をマスターしていれば、ここにあるシールは簡単に描くことができる。

単純な形のくり返しは、楽しい雰囲気を漂わせる。
こんな値引シールがあったら楽しいだろうなあと思いながら描いたので、楽しいものができたと思う。

制作者が楽しい仕事をしたのなら、ショッピングの現場もきっと楽しいものになる。
それが、POPデザインの役割。

CorelDRAWは、楽しめるソフトである。
しかしそれは、グラフィックソフトの王者である「Adobe Illustrator」の存在があればこそ。

「Illustrator」の影で、シャープに輝いているのがCorelDRAWなのである。

長年慣れ親しんだ「Illustrator」とは違う感触。
ちょっと驚いてしまうような手応え。
CorelDRAWの持っているスピード感や手仕事感。

操作していながら、ついつい「Illustrator」と比較してしまう。
それもまた新鮮な楽しさにつながるのだと思う。
なんと言っても、CorelDRAWは直感的で分かりやすい。

ただ、乱暴に扱えば、フリーズする。
たとえば、様々な機能に用意されている「数値入力ボックス」の「黒三角アップダウンボタン」を連続して忙しくクリックすると、固まって消える。
オサラバでござんす。

こまめに保存しないと、苦労が水の泡となる。
その点「自動バックアップ」は頼りになるが、ちょっと邪魔っぽいので私はOFFにしてある。
なので、楽しさに夢中になって「保存:Ctrl+S」を怠ると、固まって消える。

それはそうと、いろいろな値引シールのデザインを7点、ここに展示。
制作の方法は、これらの画像が語ってくれる。

CorelDRAW2018の新機能である「ブロックシャドウ」はふんだんに使ってある。
便利なツールである「等高線」もね。
文字の縁取りは、全て「等高線」機能で行っている。

それから、ここにある「値引シール」でお気に入りのものがあれば、ご自由に使ってくだされ。

これらは、ダウンロードフリー素材。
ダウンロードは、コピペしてね。

ただし、JPG画像の背景を透明にしていないので、使い方によっては若干の加工が必要かも。


【半額】


【60%OFF】


【SALE 40%OFF】


【SALE 10%OFF】



【5割引 Half price】


【Open Campaign Sale 20%OFF】



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2018/08/09

CorelDRAWでギザギザのある値引きシールを描く方法

【値引きシール】


訴求力のあるプライスカードは、CorelDRAWの初歩を知っていれば、すぐに実作できる。
簡単に作れて、しかも需要が多いのがプライスカードの類。

ギザギザのある値引きシールは、特に視認性が高い。
この記事は、そんな値引きシールの、描き方の一例である。


【「歪曲ツール」の「スタンプ」プリセット。】


「楕円形ツール」で正円を描き、適当な色で塗りつぶす。
ここでは、「輪郭」を「なし」にし、円を「M:100」で塗りつぶした。
次に、ツールボックスの「歪曲」をクリックし、上図のようにプロパティバーの「プリセット」で「スタンプ」をクリック。


【プロパティバーで「歪曲」の数値を入力。】


プロパティバーの「ジッパーの振幅」数値入力ボックスを「50」に。
「ジッパーの密度」を「10」に指定。
これで、ギザギザ円の形が出来上がる。


【グラデーション塗りつぶし。】


ギザギザ円の中心合わせで正円を描き、「グラデーション塗りつぶし」を実行。
グラデーションは「CMYK:0」から「M:100」へ。
グラデーションの種類は「楕円形グラデーション塗りつぶし」。

グラデーションのサムネイルのハイライト部分をマウスポインタでクリックして左上角にドラッグすると上図のような仕上がりになる。

次に、正円の輪郭の幅を広げる(ここでは5ミリに指定)。
正円を選択状態のまま、メニューバーの「オブジェクト」>「輪郭をオブジェクトに変換」をクリック。
こうして出来上がった5ミリ幅のリングに「グラデーション塗りつぶし」をかける。

「楕円形グラデーション塗りつぶし」を指定し、「CMYK:0」から「K:50」へグラデーション。
グラデーションのサムネイルのハイライト部分をマウスポインタでクリックして左上角にドラッグ。
グラデーションの「変形」入力ボックスに縦横200%と指定。

値引きシールにリングを付けたことで、雰囲気がより立体っぽくなった。

【「ベベル」効果。】


立体っぽくなるということは、視認性が高まるということ。
目立つとか、存在が強調されるとかいうことになる。

そのためAdobeのIllustratorをはじめとして、様々なグラフィックソフトには、ドロップシャドウとか3D効果とか、いろんな立体的な表現を実行するための機能が備わっている。

それは、CornellDRAWでも同様。
ここでは、ギザギザ円に「ベベル」をかけてみる。
「ベベル」とは、斜面とか斜角の意で、角を傾斜面にすること。

面取りに近い効果が得られる。
この効果によって、さらに立体感が増す。

メニューバーの「効果」>「ベベル」をクリックすると、ドッキングウィンドウに「ベベル」の設定画面が表示される。
「スタイル」を「ソフトエッジ」に指定し、距離を「3ミリ」に。
「影の色」と「ライトのカラー」を上図のように指定。
「強度」、「方向」、「高度」もそれぞれ指定。


【アートテキストの分割。】


立体的に仕上がったシール下地の上に文字を乗せる。
フォントは「Impact」を選んだ。
この書体は、プライスシールのインパクトを際立たせてくれる。

テキストを打ち込んだら、「オブジェクト」>「アートテキストの分割」をクリック。
これで、個々の文字の大きさやバランスを調整できるようになる。


【塗りつぶし。】


個々の文字の大きさを上図のようにし、バランスをとる。
文字の「輪郭」を「なし」にし、文字を「C:100」で塗りつぶす。

文字全体を選択して「グループ化」しておく。


【プロパティバーで「等高線」の数値を入力。】


文字を選択状態のまま、ツールボックスの「等高線ツール」をクリックする。
するとプロパティバーが「等高線」のコマンド設定に切り替わる。

「外側の等高線」アイコンをクリックし、「ステップ数」を「1」と指定。
「等高線オフセット」を「3ミリ」に指定。
これで文字の白縁取りが完成。
「30%OFF」の青い文字が、くっきりと見えるようになった。


【等高線グループの分割。】


さらに文字を際立たせるために、この白縁取りに「ブロック影」をかける。
「ブロック影」をかけるために、「メニューバー」>「オブジェクト」>「等高線グループの分割」をクリックする。


【プロパティバーで「ブロック影」の数値を入力。】


次に文字の白縁だけを選択して「ツールボックス」>「ブロック影」をクリック。
するとプロパティバーに「ブロック影」の設定が表示される。
「奥行」を「5ミリ」に、「方向」を「-45」。
「ブロック影カラー」を「K:100」、「ブロック影の拡大」を「1.5ミリ」に指定。

これで下図のようなギザギザのある値引きシールの出来上がり。
「30%OFF」という文字に力がみなぎっている。

力強い表現が説得力となって、買い物客の購買意欲に働きかけるはず。
なので、訴求力のある値引きシールは、需要が多い。


【値引きシール完成。】


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2018/08/04

CorelDRAW2018で「扇子」のイラストを描く方法

【扇子のイラスト。】


CorelDRAW2018で、扇子(せんす)のイラストを描いてみた。
この記事には、お粗末ながらイラストの描き方を記してある。

私家版「扇子の描き方チュートリアル」のようなもの。
何分私家版故、至らない点はご容赦を。

たとえば。
ここに書いた私の手順よりも、もっと効率の良い描き方があるかもしれない。
もっと的確なツールの使い方が、あるかもしれない。

そういうCorelDRAWの方法の、私なりの試行錯誤の記事ということでご理解を。


ガイドのレイヤを使う

【オブジェクトマネージャー。】


上図のように、「ドッキングウィンドウ」の「オブジェクトマネージャー」を開く。
「ガイドレイヤ」をクリックして選択状態にする。


扇子のイラストを描くためのガイドを作る

【ガイドを作る。】


扇子を描くためのガイドを作る。
このガイドで扇面(せんめん)と仲骨の位置が分かり、扇面の山と谷の位置が分かる。

上図のように、「ツールボックス」の「楕円形ツール」で正円の二重丸を描いて、扇面のエリアを決める。

「Ctrl」キーを押しながら「楕円形ツール」をドラッグさせると正円になる。
「Ctrl」+「Shift」キーを押しながら「楕円形ツール」をドラッグさせると、マウスポインタを置いた場所が正円の中心になる。

次に「2ポイント線ツール」で、二重丸の直径よりも少し長い垂直線を一本描く。

二重丸と垂直線を、「選択ツール」で選択して、キーボードの「P」キーを押す。
すると選択されているオブジェクトが、描画ページの中心に配置される。

「P」キーのこの機能(中心配置)が有効なのは、テキストが英文表記の場合のみなのでご注意を。

垂直線だけを選択して、「ドッキングウィンドウ」の「変形」>「回転」で垂直線をコピー回転させる。
回転の角度は3.75度、コピー数は47、その他は上図右側通りの設定で、「適用」ボタンをクリック。

この放射線状の直線が、扇面の山と谷のガイドである。
ガイドが完成したら、すべてのスナップ機能が有効であるか確認しておく。


扇面を構成する部品を作ってガイドに合わせる

【扇面の部品を作る。】


「オブジェクトマネージャー」で「ガイドレイヤ」をロックして、「レイヤ1」を選択状態にする。
「ツールボックス」の「ペンツール」で、上図のようにガイドにスナップさせながら扇面の部品を作る。

次は「ドッキングウィンドウ」>「オブジェクトのプロパティ」>「塗りつぶし」。
扇面の部品を選択して、山を境目に谷に向かって折り込まれている扇面の片方を影の色(濃いグレー)で塗りつぶす。

もう片方を、薄いグレーで塗りつぶす。

オブジェクトの「輪郭」は「なし」に。
このふたつのオブジェクトを選択して、「Ctri」+「G]キーを押してグループ化する。


扇面の部品をコピー回転する

【コピー回転。】


扇面の部品を「変形」>「回転」で回転させる。
回転の角度は、先ほどのガイド直線の2倍の7.5度。

コピー数は、20。
設定を確認して、「適用」ボタンをクリックする。


扇面の部品をガイドにあわせて各定位置にスナップさせる

【扇面部品を定位置にスナップ。】


回転した部品を、上図のようにガイドにスナップさせながら扇面を組み立てていく。
「ノード」にスナップさせると、作業が正確にできる。


【扇面の配置完了。】


地道な作業をくり返すと、上図のように扇面の外観が仕上がる。


仲骨の部品を作る

【仲骨の部品を作る。】


「ツールボックス」の「長方形ツール」で、仲骨の部品になる長方形を作る。

長方形の幅は、扇面の下の弧の、谷から山へかけての幅よりもちょっと少なめが良いと思うが、そこは描く方々のお好みで。


【部品を回転。】


長方形の右上の「ノード」を、扇面の右端から2番めの山のガイド線に、上図のようにスナップさせる。

オブジェクトを「選択ツール」でダブルクリックすると、オブジェクトが回転仕様になる。

このとき長方形の中心に回転軸が表示されるが、この回転軸を「選択ツール」で長方形の右上の「ノード」(ガイド線と交差)までドラッグする。


【ガイドに合わせる。】


長方形の右下の「ノード」を「選択ツール」でドラッグしながら、上図のように仲骨のガイド線エッジ(右から2番めの山)にスナップさせる。


【角を丸くする。】


長方形を選択状態のまま「プロパティバー」の「丸型の角」アイコンをクリック。
「鍵」アイコンが閉じていることを確認する。

そして、上図のように長方形の角が丸くなるまで、数値入力ボックスの上向き三角矢印をクリックし続ける。


【着色。】


仲骨の部品を選択状態のまま「ドッキングウィンドウ」>「オブジェクトのプロパティ」で「輪郭」の幅を0.1ミリに、「輪郭の色を」を白にする。

「塗りつぶし」でオブジェクト本体の色を、上図のように指定する。

オブジェクトを選択状態のまま、「メニューバー」>「オブジェクト」>「曲線に変換」をクリック。
これで、仲骨の部品の「ノード」をドラッグできるようになる。


一本の仲骨が完成

【一本の仲骨。】


部品の右端の「ノード」全部を「ツールボックス」の「整形ツール」で囲い込み選択する。

選択した「ノード」を「整形ツール」で上図のように右斜め上にドラッグする。
ドラッグは、ガイドに合わせて正確に行なう。

これで、仲骨の大きさと配置が完成である。


仲骨をコピー回転させる

【仲骨をコピー回転。】


仲骨を選択状態のまま「変形」>「回転」で、角度を7.5度、コピー数を20にしてコピー回転させる。

上図は、仲骨がコピー回転したもの。
元の仲骨一本を足して、仲骨の数は21本になっている。


仲骨を定位置に配置するためのガイド円

【表示をワイヤーフレームに。】


これらの仲骨を、扇面の山に合わせて配置しなければならない。

仲骨の尻をきれいに揃えなければ整った扇子のイラストにならないので、仲骨の頭を揃える正円のガイドを上図のように「ガイドレイヤ」に作る。

「メニューバー」>「表示」>「ワイヤーフレーム」に描画ページの表示を切り替えると位置関係が分かりやすい。


仲骨を配置する

【仲骨を定位置に配置。】

仲骨を「選択ツール」でドラッグしながら定位置に配置していく。
ガイドにスナップさせながら根気よく行なう。


仲骨の重なりのミス

【仲骨の上下の重なりが逆。】


上図のように仲骨の配置がきれいに出来たが、重なりが逆になってしまった。
左側の仲骨が、重なりの最も下でなければならない。

元の仲骨を左端にセットして、そこから右側にコピー回転させれば良かったのだ。
と嘆いても、もう遅い。

イラストを描く作業にはミスがつきもの。
そのミスを、効率よく修正すれば良い。


重なりの修正作業

【重なりの上下を修正中。】


重なりの上下関係を修正するためには、「メニューバー」>「オブジェクト」>「重ね順」>「レイヤーの最背面へ」というコマンドを使う。

このコマンドには「Shift」+「PageDown」というショートカットキーが用意されている。

まず左端の仲骨を「選択ツール」で選択し、「Shift」+「PageDown」キーを押す。
次に「Shift」キーを押したまま、右隣の仲骨を選択し、「Shift」+「PageDown」キーを押す。

この作業のくり返しである。

「Shift」キーを押したまま作業を続けることによって、複数の仲骨を選択状態のまま順序正しく最背面へ送ることができる。


扇骨を完成

【右端に親骨を置く。】

扇子の左右の端の仲骨は、親骨と呼ばれている。
現状右端の仲骨を一本コピー回転して、右の親骨にする。

右の親骨は扇面の右端からはみ出た形で付いている。
これで扇骨関係は完成である。

ここまで描いたら、「ガイドレイヤ」の「目アイコン」をクリックして、ガイドを隠す。


扇子に日の丸を描く

【扇面に日の丸。】


扇面に日の丸を描く。
「楕円形ツール」で適度な大きさの正円を描く。

正円を「オブジェクトのプロパティ」>「塗りつぶし」で赤色に塗りつぶす。

次に「変形」>「配置」で日の丸の真上に日の丸をひとつコピーする。
コピーした日の丸の赤色に黒を少々混ぜて影赤にする。

この影赤が、扇面の濃いグレーの部分に対応する。


日の丸に影を付ける

【日の丸にも陰影。】


「ツールボックス」の「ペンツール」で扇面の明るい部分にスナップさせながら上図のように四角形を作る。

影赤の正円と四角形の両方を選択すると、「プロパティバー」に「整形」のアイコンが表示される。

「背面オブジェクトを前面オブジェクトで切り取る」アイコンをクリックする。

すると上の影赤が切り取られて、下の明るい赤色が現れる。
この作業をくり返す。

すると、日の丸と扇面の影が対応して、日の丸と扇面の一体感を表現することができる。

最後に、親骨の適当な位置に要を描いて、扇子のイラストの完成である。


日の丸入り扇子のイラストが完成

【要を付けて完成。】



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