峰越えハイキング、赤沢から大毛無山南尾根P734を越えて平沢へ
本日の行程図。出典:国土地理院ホームページ(赤線はブログ管理人の書き込み)。
|
私的には久々の大仕事だった。
63歳のヤブ漕ぎ山歩き。
青森市滝沢地区。
赤沢から大毛無山南尾根を越えて平沢へ。
ちょっとした峰越えハイキング。
ヤブ漕ぎ山歩きはハイキングと言えるのかどうか。
苦行?奇行?蛮行?
変態オヤジと蔑まれようが、気違いジジイと罵られようが、こういう山歩きが楽しいのだからやめられない。
ヤブ漕ぎ山歩きとは、明確な「登山道」を通らずに、笹ヤブや潅木ヤブを漕いで目的地へ到達しようという山行の試み
岩登りや沢登りという華々しい登山スタイルとは大違い。
もっとも原始的で、地味でダサくて、ある意味幼稚な山歩きの方法なのだが、それだけに山を知るための基本的な方法もであると考えている。
単なる奇行や蛮行では、行い得ない世界。
奇行や蛮行とは相対する理性的な判断力を要求される山歩き。
子ども的な好奇心と大人の理性が混在して、この行動を盛り上げているような。
その楽しさが分かるのは少数の同好の士のみ。
それは、どんな世界にも言えることなのだが。
狂気の沙汰と評する方もいらっしゃるが、もしそうであれば、五体満足で無事に帰って来られるはずが無い。
「ああ、今日は疲れたけど楽しかった。」と、一日を振り返り独り喜ぶこともできまい。
独り喜びにふけるヤブ漕ぎ山歩き。
必要なものは、そこに何があるのだろう(そこはどうなっているのだろう)という好奇心とそこに行き着ける体力。
地形図を読みこむ力と、ルートファインディング力。
アクシデントに遭遇した時の冷静な判断力。
そのすべては、自分には到底備わっていないので、低山で尾根筋や沢筋が単純明快な山を今までヤブ漕ぎ歩きしてきた。
そういう自身の体力や、ルートファインディング能力に見合う山域が、滝沢地区の山々だと思っている。
山へ入れば、ヒバやブナの原生林的な風景。
比較的歩きやすい尾根筋。
連なる峰々の景観の良さ。
青森市から近いのも、興味を引き立てる。
そういう魅力が、滝沢地区の山にある。
07時30分:みちのく有料道路料金所手前(青森市側)の駐車ポイントを出発。
駐車ポイントの標高は約170メートル。
734ピークまでは、約564メートルの登高になる。
08時05分:赤沢沿いの林道と分かれて、杉林の中へ。
小沢を2度渡って、林道跡(廃道)へ。
不明瞭な林道跡を歩き、この前の三角岳へ向かう尾根の谷側始点に到着。
三角岳へ向かう尾根の始まりを過ぎて、赤沢上流に向かって進んだ所のヒバ林。
|
平坦な広い道をちょっと歩く。 |
沢の合流点。P734へ向かう尾根の始まり。 |
08時35分:写真にあるヒバ林を過ぎ、広くて平坦な道をちょっと歩くと、沢合流地点へ到着。
734ピークまでのびている尾根の谷側始点には、歩き始めて1時間後に到着したことになる。
沢合流点の標高は約237メートル。
734ピークまでの標高差は、約500メートルになる。
沢合流点の標高は約237メートル。
734ピークまでの標高差は、約500メートルになる。
尾根は藪も無く、開けていて歩きやすい。 |
快適な尾根ルート。 |
尾根の登り始めは少し急傾斜だが、歩くに従って傾斜は緩くなってくる。
相変わらず歩きやすい尾根ルート。
登るに従って、尾根筋が細くなり、その分明瞭になってくる。
登るに従って、尾根筋が細くなり、その分明瞭になってくる。
廊下のような狭い尾根筋を歩く。
09時50分:左手に見える一本ヒバの場所を通過。
快適な尾根ルートが続いて気分が良い。ヤセ尾根とまでは言えないが、廊下のような細い尾根。
|
進行方向左手に大きなヒバの木が一本。 |
09時50分:左手に見える一本ヒバの場所を通過。
10時11分:標高520メートルあたり、潅木ヤブ突入。
11時05分:毛無山南尾根到着。
行く手を妨げる潅木ヤブ。 |
潅木ヤブを過ぎると、チシマザサの低いヤブ。後方を振り返って撮影。 |
胸ぐらいの高さの笹ヤブ。 |
樹間から三角岳(黒星岳)が見えた。 |
木々の間から稜線が見え隠れ。 |
p734の山頂直下の急斜面ガレ場。 |
毛無山南尾根到着。 |
11時05分:毛無山南尾根到着。
潅木ヤブを抜けてからここまで、笹ヤブはお腹から胸のあたりまで。
ヤブの状態は、混んでいたり空いていたりの繰り返し。
ただ傾斜がきついので息が切れる。
ヤブ蚊も多数出現。
手製のハッカ油水溶液スプレーで、ヤブ蚊対策。
蚊に顔を刺されることは無かった。
蚊に顔を刺されることは無かった。
潅木ヤブが濃密なので、左手側を巻きながら越える。
小隆起を超えると、穴ぐらのような小さな鞍部。
小鞍部から這い上がったところの小隆起が734ピーク。
ガレ場の山頂である。
11時20分:山頂(734ピーク)到着。
734ピークからの眺めは素晴らしい。
山頂は狭い岩尾根になっていて、東側が崩れ落ちて崖になっている。
その岩の上に立てば四方が見渡せる。
私が歩いたこのあたりの山では、唯一高山的な雰囲気を持っている山である。
山頂は潅木類に囲まれていて、辿りつくのに容易ではないが、狭い山頂一帯に視界をさえぎる立ち木が無い。
北東方向に見える大毛無山(標高736.5メートル)は林に囲まれている。
むしろ、こちらの734ピークの方が毛無し状態。
山の名前が毛無しとは、寂しいような気もするのだが。
山頂への潅木ヤブ漕ぎで、右足がつり、続いて左足も軽くつったので、山頂から下った森の中で1時間ほどランチタイム休憩。
12時15分:右足の大腿部をズボンの上からテーピングして下山開始。
効果があったのか、足がなんとか歩ける状態にもどった。
しばらく大毛無山南尾根の稜線上を歩く。
ここも比較的歩きやすい尾根ルート。
12時51分:617ピーク手前のブナの大木が立っているところから斜面を下る。
617ピークを越えてから斜面を下る予定でいたのだが、ピークに登ると足のつりがひどくなりそうだったので、ここから下ったのだった。
が、急斜面の下りで難儀した。
やはり、617ピークを越えてから平沢方向に下るのが正解。
13時35分:山腹の斜面を下ったり沢を下ったり、また斜面に戻ったりしながら、ようやく旧伐採道にたどり着く。
枯葉が載った急斜面では登山靴は滑る。
ロープを使って安全に下山した次第。
こういう場面ではスパイク地下足袋も捨て難い。
13時55分:お馴染みの「白糸の小滝」に到着。
沢の水で顔を洗って小休止。
14時10分:滝を出発。
滝の下流の右岸に上がって、林道跡に出る。
あとは、林道をトコトコ歩いて、駐車地点に着いたのが15時だった。
好天に恵まれた楽しい峰越えハイキングであった。
P734山頂からは三角岳がすっきり見える。 |
西北方向に見えるP647(左) とP681.3.(右)。 |
雲にかすむ北八甲田連峰。 |
P734の山頂直下の断崖。 |
734ピークからの眺めは素晴らしい。
山頂は狭い岩尾根になっていて、東側が崩れ落ちて崖になっている。
その岩の上に立てば四方が見渡せる。
私が歩いたこのあたりの山では、唯一高山的な雰囲気を持っている山である。
山頂は潅木類に囲まれていて、辿りつくのに容易ではないが、狭い山頂一帯に視界をさえぎる立ち木が無い。
北東方向に見える大毛無山(標高736.5メートル)は林に囲まれている。
むしろ、こちらの734ピークの方が毛無し状態。
山の名前が毛無しとは、寂しいような気もするのだが。
大毛無山。 |
辿ってきた赤沢方面。 |
烏帽子岳をズーム撮影。 |
行った者のみが知る折紙山(写真中央の横長な山)。 |
赤沢側山腹のブナの森。 |
山頂への潅木ヤブ漕ぎで、右足がつり、続いて左足も軽くつったので、山頂から下った森の中で1時間ほどランチタイム休憩。
12時15分:右足の大腿部をズボンの上からテーピングして下山開始。
効果があったのか、足がなんとか歩ける状態にもどった。
しばらく大毛無山南尾根の稜線上を歩く。
ここも比較的歩きやすい尾根ルート。
大毛無山南尾根を下る。ヤブの無い場所や笹ヤブが交互に現れる。 |
背丈の低い笹ヤブ。 |
稜線わきの大きなブナの木。枝を扇形に広げた樹形が、ケヤキを思わせる。こんな木に出会えるのもヤブ漕ぎ山歩きの楽しみのひとつ。ここから山腹を下り始める。
|
12時51分:617ピーク手前のブナの大木が立っているところから斜面を下る。
617ピークを越えてから斜面を下る予定でいたのだが、ピークに登ると足のつりがひどくなりそうだったので、ここから下ったのだった。
が、急斜面の下りで難儀した。
やはり、617ピークを越えてから平沢方向に下るのが正解。
下山時に大きな木を見つけると、そのそばに寄ってしまう。 |
V字の急な谷を下る。 |
下りの尾根へもどる。 |
13時35分:山腹の斜面を下ったり沢を下ったり、また斜面に戻ったりしながら、ようやく旧伐採道にたどり着く。
枯葉が載った急斜面では登山靴は滑る。
ロープを使って安全に下山した次第。
こういう場面ではスパイク地下足袋も捨て難い。
ヒバ林の中の旧伐採道。後方を振り返って撮影。 |
平沢の「白糸の小滝」 |
13時55分:お馴染みの「白糸の小滝」に到着。
沢の水で顔を洗って小休止。
石塊が無く歩きやすい旧伐採道。 |
14時10分:滝を出発。
滝の下流の右岸に上がって、林道跡に出る。
あとは、林道をトコトコ歩いて、駐車地点に着いたのが15時だった。
好天に恵まれた楽しい峰越えハイキングであった。
平沢沿いの旧伐採道を進む。 |
平沢林道をゆっくり帰る。 |
越えてきた大毛無山南尾根(向かって右手)を振りかって見る。 |