雑談散歩

    山スキーやハイキング、読書や江戸俳諧、山野草や散歩、その他雑多なことなど。

なぜ散歩が流行っているのか

愛犬

散歩ブームが続いている。
それは、テレビの「散歩番組」の影響もあるのでは、と私は感じている。
たとえば、NHKの「お散歩系テレビ番組」では、笑福亭鶴瓶の「家族に乾杯」や、タモリの「ブラタモリ」。
「お散歩系テレビ番組」の走りと言われているテレビ朝日の地井武男出演「ちい散歩」。

「お散歩系テレビ番組」の存在
これらの番組は、日本の各地方を回り、人々の日々の暮らしを話題にしている。
地方の人々と、その普段着の暮らしぶりが番組で紹介される。
それが、その地方では日常のことなのに、テレビを見る人は新鮮な感じを覚える。
また、登場人物も、その地方の生活者で、いろいろと楽しい話を聞かせてくれる。
そこが番組の「売り」となっている。

かつて、「日本国有鉄道(現JRグループ)」のキャンペーンだった「ディスカバー・ジャパン」。
そのキャンペーンの一環として「遠くへ行きたい」というタイトルの旅番組が始まり、それは今も続いている。
この旅番組の話題は、旅先の風土や歴史、名物、名店、温泉などである。

それに対して、「お散歩系番組」は観光地よりも、むしろ、人々の暮らしの現場を主な話題として取り上げていることが多い。
自分たちが住んでいる町と同じような家並みの場所で暮らしている見知らぬ人々に親近感を覚えるような、そんな内容の番組になっている。

それが、手の届きにくい「旅」よりも、身近な「散歩」の方に好奇心を抱く多くの視聴者を獲得している理由かもしれない。
こういうテレビ番組を見ることで、人々は、自分たちが日常暮らしている町を見直し始めている。
そして、テレビに映った町を見るように、自分たちの住む町を見るために、ぶらりと散歩に出かけるのである。

山

ペットブームの定着
ここ10数年来のペットブームも、散歩ブームに一役買っていると思う。
ホームセンターのペット用品売り場が年々広がってきていることを見れば、ペットブームの定着の様がわかる。
ペットの種類としてもっとも多いのは、相変わらずワンちゃん(犬)。
多くのペットの種類のなかで、犬は、人間と一緒に行動できる唯一の動物。
犬と遊んだり散歩をすることで、人は、犬の表情やしぐさから多くの「癒し」をいただいている。
犬と一緒に散歩に出かけることで、人は散歩の習慣を身につける。
それが、散歩の楽しさを再発見することにもつながっていると思う。

「健康商品ブーム」に対抗して
そして、最後は健康ブーム。
健康ブームは、健康自体を目的とした健康食品メーカーや健康器具メーカーによって巻き起こされた「ブーム」の感が強い。
しかし多くの人々は、自身の健康に対して多大の関心を持っている。
同時に、その健康を維持するために、怪しげな効能を謳った商品に惑わされないようにしようという気持ちも働いている。
そこで注目を浴びているのが散歩である。
高齢者でも実行可能な健康法。
おまけにお金がかからない。

散歩には様々な健康効果があると言われている。
それは、多くの人々が実感できる効果でもある。
散歩が気分転換に良いことは、散歩に親しんでいる人なら実感していることである。
そのほか、一般に言われている散歩の効能は以下の通り。
  1. 血流量と呼吸数が増え、心肺機能が強化される。
  2. 足を動かすことで、心臓の循環機能が高まる。
  3. 骨に負荷がかかるためカルシウム量が増える。
  4. 体脂肪を消費できコレステロール値も下がる。
  5. 動脈硬化を予防するHDL(善玉コレステロール)が増える。
  6. 戸外の歩行で外から受ける刺激が脳の働きを活性化する。
などなど、散歩の効能は健康維持に欠かせない。
人々は健康管理のため、積極的に散歩に取り組み、健康商品メーカーが作り出した「健康ブーム」に対抗しているように見える。
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