「ナメコの森」でナメコ採り
いつもの滝。 |
今日は平日だが、仕事の切れ間。
そこで、「ナメコの森」へ出かけてみた。
「ナメコの森」とは、十年ぐらい前に、私が大量にナメコを採った場所のこと。
キノコ採りなら、そういう「ナメコの森」をふたつかみっつ探し当てているもの。
いつもの沢を越える。 |
そのため、ここ二~三年は出かけることがなかった。
今日は久しぶりの「ナメコの森」訪問である。
途中、あっちこっち寄り道して、ナメコを拾い採りしながら登った。
なので「ナメコの森」まで二時間半を要した。
スタート地点と「ナメコの森」との標高差は120メートルぐらい。
直線距離だと2kmぐらいのものなのだが、えらく時間がかかってしまった。
ネマガリタケの藪が無いブナの森。すごく歩きやすい。でも山肌は乾燥ぎみ。 |
林床にネマガリタケの藪が無い。
歩いていて気分がいいお散歩コースとなっている。
一帯はここニ~三日、適度な雨があったはずだが、その割には乾燥している。
落ち葉はパサパサ。
山火事注意な状態。
一帯の西側には、北八甲田火山群がそびえている。
案外、この森の地面は火山噴出物(火山灰や細かい軽石)で出来ているのかもしれない。
そのため雨水はすぐに土中に入ってしまう。
そういう乾燥しやすい土壌なのではと私は推測している。
その証拠に、一帯にはカラの沢が多い。
大量に水が流れるのは、春の雪解けのときだけ。
あとの季節は、雨水が伏流しているので、大きくて深い形状の沢もカラの状態である。
沢の形状が大きくて深いのは、春の雪解け時の圧倒的な水量に侵食されるせいだろう。
山肌は、それだけ脆い土質で出来ている。
粘土質では無くて、火山噴出物で出来ている証拠だと私は思っている。
山肌の表層に水分が無いため、垂直に根を下ろすブナは育つが、這うように根を張るネマガリタケは育ちにくい。
山が湿っていないのでキノコも育ちにくい。
ちょっと乾燥気味のツブナメコ。 |
山の奥まで入って、やっとキノコとご対面できるエリアなのだ。
この山でキノコ採り人を見かけないのもそのせいである。
乾いた山にはキノコが生えない。
こんなに奥まで入らなければキノコが採れないなら、近場でキノコが生えている山の方へ行く。
山菜採り人やキノコ採り人は、効率の良さが行動の基準。
「山菜採り人」の目から見れば、私の「キノコ採り山歩き」は徒労以外のなにものでもないだろう。
ところが私は徒労を好む。
徒労の沼に、どっぷりと浸かってしまう性格だ。
山歩き自体が好きなので、「山歩き」+「キノコ」+「ルート偵察(未知の風景との出会いを楽しむ)」と多目的である。
キノコがまったく採れなくても、楽しみが残る山歩きなのである。
もうちょっと大きめが食べごろのツブナメコ。 |
それでも、傷みのないナメコを拾い採りしながら「ナメコの森」へ。
水の流れていない深い沢の崖を下り対岸の崖をよじ登って辿り着いた平地が、私が名付けた「ナメコの森」である。
高い尾根に囲まれたおだやかな雰囲気の谷の森。
安らぎ感が漂っている場所。
ここにテントを張って幾日か過ごしたい気分にさせる場所である。
倒木は世代交代していて、以前ナメコを採った古い倒木は朽ち果てていた。
そのかわり、適度に年数を経た倒木がニューフェイスとして転がっていて、ナメコが発生している。
出ているナメコは、晩成ものでは無いと感じた。
傷みやすい早生のナメコが腐りかけている。
本格ナメコはこれから出るのではというのが私の見立て。
そう思いながら、まだ傷んでいないものを選び採取する。
今日の収穫の八割ぐらいは、この「ナメコの森」で得たものだ。
以前はこの「ナメコの森」に湿地状の場所があったのだが、今は乾いてしまって草地になっている。
帰り道、カラの沢に沿って下ると、小さな湿原がふたつあったものだが、そこも乾いて草地になっている。
「地球の温暖化」のせいなのかどうか知らないが、私の「ナメコの森」の乾燥化は徐々に進行しているようだ。
ナメコの収穫も徐々に減少している。
腐りかけている早生のナメコ。その上に翼を広げた大きなムキタケ。 |
こちらも腐りかけのナメコ。 |
ネマガリタケの藪が出始めた。 |
登るにしたがって太いブナが現れる。林床のネマガリタケの背も高くなる。 |
太い倒木に可愛いナメコ。 |
コブだらけの立ち枯れのブナ。 |
腐って手がつけられない早生のナメコ。 |
タイミングが合わなくて残念。 |
「ナメコの森」のナメコ達。 |
腐っていないものを選んで採取。 |
このツブナメコは晩成の本ナメコか。 |
乾いてしまった小湿原。 |
こちらの小湿原も乾燥状態。 |
本日の収穫。 |