雑談散歩

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理髪店の女店主の育毛戦略

私が利用している理髪店は客が減少傾向にある。
客層が高齢で、床屋へ来る回数が減ったことが原因のひとつ。
少ない年金で暮らしているお年寄りは、大手チェーン店の散髪代金の格安な店に流れていってしまっているのも原因のひとつ。

理髪店の女店主がちょっと美人ぽい年増女であっても、それがお客を増やす要素にはなっていない。
つまり、国民が安売りに頼らなくて生きていけないせち辛い世の中になったのだ。
そういう国民相手の、理髪店の女店主であっても、理髪店の経営を破綻させる訳にはいかない。
そこで考えたのが育毛戦略。
これが経営の危機から逃れるための彼女なりの生活の方法である。

彼女は店頭に大きな看板を掲げた。

「育毛マッサージで、ハゲ・薄毛対策を!」

これはちょっと露骨過ぎやしまいか。
しかし、その過激なアジテーションぶりに彼女の闘志がうかがえる。
また、この露骨なキャッチコピーでなければ、毛に悩む人達の心をつかむことは出来ない。

あん摩マッサージ指圧師免許」を持ってはいない彼女が看板に「マッサージ」という言葉を使用していいのかどうかは別として、彼女の意気込みは充分伝わる看板になっている。
どこかで講習を受け、どこかで「マッサージ」に必要なオイルを仕入れて彼女は新戦略を実行している。

「育毛マッサージ」で高齢者の顧客を呼び戻し、さらに育毛を実現させる事によって高齢者が床屋へやって来る回数を増やそうと言う目論見なのだ。
なんと合理的な経営戦略に基づいた育毛商法ではないだろうか。

お店の繁盛をイメージして理髪店の女店主の胸が躍る。
白衣の下の、年齢の割には衰えていない、美人ぽい年増女の胸が踊るのだ。
これだけで、3人の、鼻の下の長い高齢な薄毛客が舞戻ったというから、嘘のような話である。

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