折紙山へ通じる北尾根途上614峰へ
北尾根行程図。 |
折紙山山頂は無理だとしても、無雪期の890峰はどんな森なのか、以前から見たいと思っていた。
が、結果は残念ながら、北尾根614峰をちょっと越えた辺りでUターン。
山歩きは、計画した行程へ出かけるところから始まる。
その行程をゆっくり散歩するのが、私の山歩きの楽しみ。
もし、途中で引き返すことになっても、その楽しみに大きな変わりは無い。
登山道の無い山を登るのであるから、引き返す時刻を決めておくことにしている。
秋も深まり、日も短くなったので、今日の帰路につく時刻を正午と決めた。
人工的な登山道のある山も良いが。
自身の歩ける範囲内で、ルートを思い通りに描ける山歩きが楽しい。
自分の日常の暮らしぶりが、そのままスーッと山へつながった感じなのか。
こういう山歩きの行動形態が、そのまま自身の暮らしぶりなのか。
あるいは、まったく別人となって別世界の山を歩く事で、カタルシスを得ているのか。
自身の日常生活と山歩きとの関係について考えても、どの辺に何があるのか判然としない。
その日暮らし的感覚と、漫歩的になりやすい山歩きとに、共通している「方法」があるはずなのだが。
それは、歩きながらぼんやりと見えてくることもあるが、何も見えずに歩き過ぎていることの方が多いような・・・。
もともと、そんなとりとめの無い「方法」など存在しないと言ってしまえばそれまでなのだが。
こんなとりとめのない山歩きでは、八甲田山や岩木山をハイキングする時のような絶景には出会えないけれども、自身の背丈に合った「小景」をたくさん見つけることが出来る。
たくさんの小さな風景に癒されて、ささやかな冒険心とささやかな幸福感を感じつつ、未知の低山を歩く。
キノコ採りも含めて、そういう山歩きを始めて6〜7年経つ。
自分のその時の体力に合わせて、帰路につく時刻をあらかじめ決めておいてからは、キリの良い山歩きが出来るようになった。
好奇心の赴くままにダラダラと山の奥へ引っ張られて、帰りに疲労困憊することも無い。
支尾根の登り口。 |
積雪期では、林道跡を登って支尾根の山腹に出、山腹を這い上がって支尾根に辿り着いた。
今日は、林道跡の登山口まで延びている支尾根の先端から登る。
時刻は8時30分。
ヒバ林の斜面を急登していると大きなヒバの木に出会った。
山腹ルートと支尾根の合流点に、8時50分到着。
山の土が柔らかいので、急斜面を登山靴で「キックステップ」しながら登る。
これは、地下足袋では出来ない。
急斜面をスパイク地下足袋で登る場合、足場を確保するために足に力を入れて、足首や膝を大きく曲げたり伸ばしたりしなければならない。
これが疲れを大きくしていると思う。
やはり登山靴はありがたい。
今日の全行程を通じて、ダナーのトレッキングシューズ「ピークポイントハイカープラス」に不満は無かった。
それだけ、今までのスパイク地下足袋での山行が、私にとってきついものだったのだろう。
支尾根ルートは、たいした薮こぎもなく快適な登りが楽しめた。
支尾根と北尾根の合流地点に9時30分到着。
積雪期に、あれほど目立っていた「一本ヒバ」が、今はブナの葉影に隠れて、探すのに手間取る有り様。
北尾根からは緩やかな勾配の山歩きになる。
ここもたいした薮はなく、快適なブナの森の散策が楽しめた。
ここもたいした薮はなく、快適なブナの森の散策が楽しめた。
歩きやすい北尾根。 |
林床が空いていて快適。 |
北尾根の森の隙間から、平内大毛無山手前の秀峰734峰を眺める。 |
574峰手前(北側)の北広場。 |
574峰手前の北広場に10時到着。
無雪期でも、テント場に良さそうな広場。
574峰へのルートは薮こぎ少々。
尾根の東側が、割と薮が空いている。
10時20分、574峰山頂付近。
ブナとナラの森で展望がきかない。
積雪期のスキーハイキングでは、574峰の山腹を巻いて過ぎるので、574峰には今日が初登頂。
574峰を下りた鞍部には林道跡が3本、北尾根を横切っていた。
3本の林道跡とも、尾根上は鮮明だが、東西の両サイドは灌木の枝薮の中へ消えている。
11時15分、614峰山頂。
こちらはいささか開けているが、展望は得られない。
614峰をちょっと下ると、また緩い登りになる。
薮もだんだん混んできて、歩くペースが落ちる。
濃い薮があったり、開けた場所があったりの繰り返し。
11時50分、目の前に厄介そうな薮が迫ったので、今日はここまで。
この薮を抜けると楽しい場所がありそうだが、時間と体力切れ。
薮の向こうの、722峰から890峰への急登が面白そうだが。
それは、次回のお楽しみ。
12時20分、614峰に帰り着く。
12時50分、上の写真のランチポイントで昼食休憩。
13時10分、出発。
13時30分、574峰山頂。
13時50分、北広場。
14時15分、一本ヒバ(北尾根と支尾根の合流地点)。
支尾根から東側の沢に下りてキノコを探したが、皆無。
倒木も無かった。
ネマガリタケと蔓植物の薮で難儀。
薮こぎで遊んで、15時20分、林道跡の入口到着。
無雪期の北尾根ルート前半の様子を知る事が出来て、楽しい山行だった。