雪が降ってもまだ飛ばない風散布の種子
イロハモミジの羽根が付いた種子(翼果)のアップ。 |
カエデ科の種子は、ほとんど、この「翼果」の形をしている。
この果実に付いた翼が 、風に乗って、イロハモミジの種子を遠方へ運ぶ。
写真のように、果実は、もうすっかり熟しているのに、まだ枝先を離れない。
飛ばない種子が、細い枝の先で揺れている。
この種子が、時期になっても落下しないのは、種子が病死したせいなのか。
だが、植物が、病死したものを、いつまでもつないでおくものだろうか?
細い枝先にぶら下がったイロハモミジの翼果は、実に所在なげだ。
第一次、第二次と、翼果には順番があって、この写真の翼果は最終部隊なのかも知れない。
冬の強い風を待って、出来るだけ遠くへ飛ぼうと言う作戦か?
雪の上に落ちた種子は、どうやって発芽するのだろう。
ネットで調べてみると、モミジの種子は乾燥してしまうと休眠状態に入るとか。
おそらく、休眠状態で冬を過ごし、温かい春になってから発芽するのだろう。
だとすれば、雪が降っても落葉しないケヤキの枯葉は、枯葉の根元に休眠状態の種子を抱え込んでいるから、のんびりと構えているのかも知れない。
所在なげに小枝にぶら下がったイロハモミジの種子。 |
下の写真はカツラの果実。
この果実の果殻の中には羽根の付いたカツラの風散布種子がびっしりと詰まっている。
果殻は、裂開して中身が空になっても、春の残雪の頃迄、枝に付いている ことがある。
写真のカツラの果実は、まだ裂開していないから、中には小さな種子が並んでいるはず。
このカツラの種子も飛び出さずにじっと機会をうかがっているのだろうか?
雪が降っても、まだ飛ばない風散布の種子は、何時何処で発芽するのだろう?
カツラの実のアップ。 |
枝に残っているカツラの実。 |