雑談散歩

    山スキーやハイキング、読書や江戸俳諧、山野草や散歩、その他雑多なことなど。

広告

頬が腫れて痛む(昔の蓄膿症手術の合併症:術後性頬部嚢腫)

慢性副鼻腔炎の手術
私は17才の夏に慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の根治手術を耳鼻科で受けた。
左右両方の上顎洞が根治手術の対象だった。
局部麻酔をかけられ、
上唇の裏を歯茎に沿って切開され、
ビリビリとした電撃ショックのような痛みとともに、頬部の骨から顔の肉を内側で剥がされ、

その隙間に工具のノミのようなものを突っ込まれ、
ガンガンと金槌で叩かれて、頬部の骨を削られ、
上顎洞の膿を出され、
その部分の粘膜を取り除かれ・・・・・。

局部麻酔
頬部の局部麻酔は、その部分の麻痺は生じるが、意識ははっきりとしている。
おまけに、手術による強い痛みを感じることが多かった。
この手術を局部麻酔で受けた人はみな口をそろえて訴える。
それはそれは、拷問のような手術だったと・・・。
もう、こんな手術は二度とごめんだと・・・。
手術が終わって退院できたときは、ほっとしたものだった。
なにしろセブンティーンの少年だったのだから。

術後性頬部嚢腫
それから8年後の25才のとき、悪夢は再び訪れた。
頬が腫れて痛んだ。
最初は違和感程度だったが、しだいに歯茎上部の頬の痛みが強くなり、頬が目に見えて腫れてきた。
頬部の骨を突き刺すような痛みが続いたのだった。
病院の耳鼻科へ行ったら、術後性頬部嚢腫(じゅつごせいきょうぶのうしゅ)という病名を言い渡された。
これは病名の文字が示す通り、過去に手術を受けた部位に液体の袋(嚢胞)ができてしまい、さまざまの症状を起こす病気とのこと。
過去に慢性副鼻腔炎の手術を受けてから早くて数年、通常は10~20年後に、頬が腫れたり、痛くなったりといった症状が出てくる病気。

過去の手術の合併症
いわば、過去の蓄膿症手術の合併症であるらしい。
病院の担当医師におそるおそるたずねたら、その治療法は、悪夢の再現、ノミで頬部の骨を削る根治手術しかないとのこと。
25歳のときは、片方の右頬部だけの根治手術であったが、たまらない苦痛だった。
こんなことは、もう嫌だと心の中で叫んだのだが・・・。

それから18年、43歳のとき、また頬が腫れて痛み出した。
今度は左側である。
耳鼻科の医師に「運が悪いね」と言われた。
症状がひどくなるたびに、上唇をめくり、頬部粘膜から注射針を刺して排膿を処置してもらい3年ぐらいごまかした。
3年間に5度ほど、この対症治療を行ったが、頬はどんどん腫れだし、痛みは強くなるばかり。
薬店で消炎鎮痛剤を買って、痛みをしのいだりしたが、これは「上顎がん」ではあるまいかという疑念が湧いて頭から離れないようになった。

再再手術
そこで、弘前の大学病院で検査を受けたら、上顎がんの疑いはなく、またまた、術後性頬部嚢腫であるという。
治療は、ノミでガンガンの根治手術が最良であるとの診断。
青森市内の病院を紹介してもらい、そこで手術となった。
46歳のときである。
強い症状は左側だったが、右側も嚢胞ができているので排除してしまったほうが良いとの担当の耳鼻科医師の診断。
今回は全身麻酔で、左右両方を一度に片付けちゃおうという方法だった。

もう終了か?
あれから、あっという間に16年が過ぎた。
幸いなことに、まだ頬部に違和感は無い。
もう術後性頬部嚢腫は老いさらばえて終了したのか、それともいずれ発症するのか。
46歳の時の手術担当の医師は「あともう一回ぐらいあるかもね♪」と言っていたが。
それは、時が経たないとわからない。
Next Post Previous Post

広告