カモはシジミを食べる
湖のカモたち。 |
青森県の小川原湖のシジミが減少しているのは、カモによる食害のせいだという。
潜水できるカモの仲間が、シジミを好物として捕食している。
そのため、小川原湖漁協が猟友会にカモの駆除を依頼。
この春、4月5日から4月13日までに、300羽を目標に駆除が行われているという。
小川原湖では、シジミ食害によるカモの駆除は初めて。
青森県のもうひとつのシジミの産地である十三湖では、以前からカモ類によるシジミの食害があったらしい。
十三湖漁協は、カモの飛来が増える毎年11月ごろから1カ月間、つがる市の猟友会に駆除を依頼している。
島根県のシジミの産地である宍道湖(しんじこ)では、去年の12月から、シジミ資源の減少が潜水するカモ類の食害によるものかどうか調査を始めたという。
小川原湖でのシジミ資源の減少が、カモ類の食害によるものなのかどうかは、地元漁協と野鳥愛護団体とでは意見が異なるらしい。
日本野鳥の会青森県支部の言い分はこうだ。
(1)小川原湖に飛来するカモ類の数に大きな変動はない。
(2)カモは大昔からシジミを食べている。
(3)よって、近年のシジミ減少は別の要因があると考えるのが妥当。
いずれにしても、カモはシジミを食べる。
青森県上北町猟友会が4月6日朝、約50羽のカモを駆除。
うち30羽の胃を開いたところ、そのすべてからシジミの貝殻が出てきたという。
ということは、カモは貝殻ごとシジミを食べるということだ。
ネットで調べてみると、カモ目カモ科のキンクロハジロはシジミなどの二枚貝を丸飲みにして、筋胃で砕いて消化するという。
筋胃とは砂嚢(さのう)のこと。
鳥類は砂礫を飲み込んで、砂嚢でそれらを使って食べたものを砕き、消化の助けにするらしい。
なるほど、それでシジミを丸飲みしても大丈夫な訳だ。
ちなみに、砂嚢は焼鳥屋さんでおなじみの砂肝のことだという。
肝というから、砂肝は鳥の肝臓のことだと思っていたが、胃だったのだね。
カモはシジミを食べる。
人間は、カモもシジミも食べる。
いちばんの食害の起こし主は、食いしん坊な人間ということになる。
だが食害という言葉の意味は、動物が餌を食べることで、人間に何らかの被害を与えること。
人間が食事をしてカモに被害を与えても、それを食害と非難するカモはいない。
カモはひたすらシジミを食べるだけ。
カモは、シジミ貝を丸飲みし、筋胃で砕いて消化する。