下北半島、尻屋崎の寒立馬と尻屋崎灯台
柵の中の寒立馬たち |
猿ヶ森ヒバ埋没林から、東通村の尻屋崎へ移動。
尻屋崎一帯に放牧されている寒立馬(かんだちめ)を見物するためだ。
猿ヶ森から県道248号線、県道172号線を経て、県道6号線にぶつかる。
県道6号線を北上し、尻屋崎の寒立馬放牧場に到着。
寒立馬
放牧場入口のゲートをくぐって、寒立馬とご対面となる。ゲートの前へ自動車を進めると、クルマが感知され、ゲートが上がる仕組みになっている。
このゲートは、寒立馬が勝手に出歩くのを防ぐために設置されている。
寒立馬は青森県の天然記念物。
写真のように、サラブレッドのようなスマートさは無い。
日本在来種を祖先にもつ、ずんぐりした馬である。
こういう体型の馬は、北海道のばんえい競馬に使われている「ばんえい馬(ばん馬)」が有名。
私は津軽半島の寒村の出身であるから、この馬の姿は農耕馬として、子どもの頃よく見かけたものだ。
放牧場は、寒立馬のちょっとした サファリパーク。
白い柵で囲まれた中に4頭。
観光自動車道路(東通村道尻屋灯台線)沿いのフリースペースに5〜6頭の寒立馬を見かけた。
寒立馬にニンジンを食べさせている観光客。 |
放牧されている寒立馬。 |
自己責任
フリースペースでは、馬を刺激して怯えさせなければ、観光客の寒立馬に対する接し方は自由なようである。遠くで眺めるも良し。
恐怖感がなければ、近寄って寒立馬をやさしく撫でるも良し。
ただし、馬に接するには、充分な注意が必要。
本来はおとなしい性質ではあるが、びっくりして興奮すると、人間を後ろ足で蹴飛ばすこともあり得るという。
馬に近づくには「自己責任」が要求される。
見た感じ、寒立馬は観光客を、あまり意識していないように見受けられた。
マイペースで草を食み、歩き、子馬に連れ添い、糞を落とす。
馬が人間や自動車を気にしていない様子は、ちょっと不思議な感じだ。
ここを訪れる観光客達の、馬に対する接し方が上手なのだろうか。
食肉馬
広い山野の中を、自由に歩き回っている寒立馬は、野生の馬のように見える。しかし、寒立馬は、馬の所有者によって管理されている。
天然記念物ではあっても、飼育個体数調整という名目で、食肉用のセリに出されているのが現状らしい。
これが寒立馬のリアルな日常。
尚、野生(状態)馬としては、宮崎県都井岬の 「御崎馬」が有名。
寒立馬の近くまで寄っている観光客の親子 |
子馬と母馬。 |
草を食べている寒立馬。 |
連れ添って歩いている。 |
尻屋崎灯台
尻屋崎灯台。 |
東通村道尻屋灯台線を北上すると尻屋崎の灯台に着く。
放牧場のゲートを過ぎてから灯台周辺まで放牧場になっているらしく、いたるところに、たくさんの馬の糞が落ちている。
尻屋崎の灯台は、国内最大級のレンズを使用し、光度も国内最大級であるという。
また、レンガ造りの灯台としては、日本一の高さを有しているらしい。
日本一の要素が多い灯台は、津軽海峡と太平洋の境目を明治9年から照らし続けているという。
その白亜の灯台の先は岩石の海岸。
この岩石海岸は、石灰岩で出来ている。
そういえば、ここへ来る途中に巨大なセメント工場があった。
尻屋崎の付近にある石灰岩鉱山は、全国有数の規模であると言われている。
全国有数や「全国一」のものがある尻屋崎と尻屋崎灯台。
しかし、そのことは、あまり知られていない。
尻屋崎先端の海岸。 |
灯台の勇姿。 |