東通村、猿ヶ森ヒバ埋没林
駐車場脇の案内看板 |
六ヶ所村立郷土館から猿ヶ森集落へ。
目的は猿ヶ森砂丘(下北砂丘)の一端にあるヒバ埋没林の見物。
猿ヶ森砂丘については、以前触れたことがある。
知る人ぞ知る、日本一の大砂丘。
その大砂丘の海岸部を道路から望むことは出来ない。
尻労(しっかり)の端から、その一部を遠望することが出来ると聞いたことがあるが、私はまだ見たことが無い。
さて、道路標識や道案内の看板に従って、県道(尻労・小田野沢線)から猿ヶ森地区へと進む。
猿ヶ森の集落を抜けると、トイレを備えた駐車場に辿り着く。
そこに、猿ヶ森ヒバ埋没林の案内看板がある。
が、案内看板としては、ちょっとわかりにくい。
遊歩道。 |
パッと見た感じ、 看板に向かって右手方向にヒバ埋没林があるように描かれている。
でも、あやしい。
そこで、イラストから、駐車場とトイレの位置関係を確認して、進行方向を理解しなければならない。
看板を見て、すぐに解るようなレイアウトには、なっていない。
まったくお粗末な企画力。
この看板は、実際に見学に訪れる人の立場になって作られていない。
正解は、この看板の裏方向へ進む。
この不親切な案内看板から40メートルぐらい歩くと、遊歩道入口に「埋没林」の小さな板看板があるので、見学者はそこで、やっと安心して先へ進むことが出来る。
遊歩道沿いのクロマツ。 |
駐車場の案内看板には、下記の「説明書き」があった。
上の写真のような心地よい遊歩道を5分ぐらい歩くと、ヒバ埋没林のエリアに着く。ヒバ埋没林ヒバ=ヒノキアスナロ東通村の太平洋沿岸には、約15kmにわたり猿ヶ森大砂丘が続いています。数千年前から断続的に海から砂が打ち上げられ、立ち枯れたヒバは、飛砂に埋まっ てしまいました。その一部が猿ヶ森ヒバ埋没林として、姿を現しています。12世紀頃に埋まったものとされ、350mの間に183本のヒバを見ることができ ます。左京沼付近でも紀元前700年頃の埋没ヒバが発見されていて、猿が森大砂丘のあちこちに埋没樹があると考えられています。
もっと太いヒバの立ち枯れを予想していたが、意外と細いものが多かった。
風化して痩せたのだろうか。
12世紀頃に埋没したものが、今でも、立ち枯れ状態とは言え現存しているのだから貴重である。
樹種がヒバだからそうなのだろうか?
ブナなんかの立ち枯れは、キノコ(木材腐朽菌)が付いて分解され、土に還ってしまう。
ヒバはキノコが付かず、シロアリも寄せ付けないから現存しているのだろうか。
いろんな興味が生じるが、それを満たす説明は見当たらない。
時間の関係上、全部を見ることが出来なかったので。20分ぐらい散策してヒバ埋没林の森を出た。
猿ヶ森ヒバ埋没林のまとめ
遊歩道沿いのクロマツの林床には、マイヅルソウのハート形の若葉が生い茂っている。津軽半島の屏風山砂丘のクロマツ林の下にもマイヅルソウがあった。
埋没林よりも、この心地よい遊歩道の方が気に入った。
ヒバ埋没林は、もっと「見せる工夫」が必要だと思った。
せっかくの貴重な観光資源がもったいない。
猿ヶ森砂丘も、観光資源に出来ないなんて、実にもったいない。
今日の視点?
青森県に無いのは、資源ではなく、「工夫」だったのだね。県内には、けっこう「見てわくわくするもの」があったのだ。
ただ、見せる工夫が今ひとつ、ふたつ、みっつ・・・足りない。
ヒバ埋没林 |
地面から直立している。 |
立ち枯れ状態。 |
いたるところに立っている。 |