2014/06/22

白神ライン「一ツ森峠」から白神山地「太夫峰」へ

(岩崎へ向かう途中の、道の駅ふかうら「かそせいかやき村」。)


東京から、両親の墓参りにきた姉が、白神山地を見てみたいというので案内した。
登山コースは、登山口が岩崎村からのアプローチが近くて、山頂までの距離が短い一ツ森~太夫峰(たゆうみね)を選んだ。

私にとっても未踏のコースである。
太夫峯の山頂からは、白神山地の最高峰である向白神(むかいしらかみ)岳や白神岳、天狗岳などが見渡せるという。
この3峰は、昔、訪れたことがある。

登山口へのアプローチ

青森市を7時に出発したときは、梅雨時の曇り空。
鰺ヶ沢町を過ぎたあたりから、青空がひろがりはじめ、好天に。
道の駅ふかうら「かそせいか焼き村」で、親切なおばさんから昼食用の弁当を購入。
400円で総菜豊富、お値打ちな弁当だった。
深浦町から岩崎村に入り、道路標識に従って、今まで走ってきた国道101号線をはずれて白神ライン(県道28号線)に進入。

笹内川沿いから尾根に登りかける辺りまでは舗装道路。
それからは、未舗装のデコボコ砂利道。
四駆車で走るのが無難な山岳道路である。
一ツ森公衆トイレ付近は舗装されていた。


(太夫峰登山口約2キロ手前(岩崎寄り)一ツ森公衆トイレ。)

(お天気は上々。)

(このタイプの看板が2基ならんだところが登山口。)


まだ新しい一ツ森公衆トイレから、2キロほど西目屋方面に走ると右手に看板が見える。
上の写真がそれ。
この看板の左手に登山道の標識がある。
駐車スペースは、この看板より20メートルぐらい進んだところに、乗用車2台分ぐらいの空き地があった。
そこにクルマを駐車し、山歩きの身支度を整える。

登山開始

登山道に入ると、林の中に、よく踏まれた道が延びている。
国土地理院の地形図には、「太夫峰」という山名も、この登山道も記載されていない。
道は、向白神岳へ続く稜線を辿る。
稜線上の各ピークを結ぶ線がルートとなっている。
ピークを巻くような道は無いので、アップダウンが7~8カ所あった。
長くて急なアップと短めのダウンを繰り返しながら高度を上げていく尾根歩き。
ピークは、一ツ森寄りから、745、919、1015、1164(太夫峰)。
スタート地点の標高が約670メートルで、ゴールの太夫峰が1164メートルだから標高差約500メートルの山行となる。
登山口から太夫峰までの距離は2.8キロメートル。
数は少ないが、要所に行程標識が設置されていた。
中には壊れかけて不鮮明なものもあるから、要注意。


(登山口と標識)

(745ピークを過ぎたあたりの緩やかな尾根道。)

コース最大の難所

745ピークを下りると、緩い傾斜の尾根歩きがちょっと続く。
やがて、前方のブナの林の間隙に急勾配の森が見える。
それが919ピークの山裾。
919ピークへの急登は丸太棒で作られた階段状の道を登る。
100段以上あると思われる長い階段道が下段と上段の2カ所。
階段道に沿って補助用のロープが張られていた。
短い階段道も2~3カ所ある。
階段道は無いけれども急登箇所には補助用ロープが張られていたり。
地形図で予想はしていたが、919の山頂までは厳しい急登を強いられる。
急な傾斜地の階段道は踏み面が狭くて足場の確保がしにくい。
濡れた丸太や、苔の生えた丸太は滑りやすく、慎重な歩みが必要。
朽ちかけた丸太棒もあるので要注意。
919ピーク越えが、このコース最大の難所である。


(919ピークに向かう急登の丸木階段。中途から上部を見る。)

(丸木階段の中途から下部を見る。)

(1015ピーク付近の登山道沿いの森。)

太夫峰山頂到着

1015ピーク付近では、登山道をわずかに被っている残雪の上を歩くところが2~3カ所あった。
登山道脇の窪地のような場所に雪解け水が流れ込んで沼のようになっているところもあった。
1015ピークを過ぎると、だんだんと視界が開けてくる。
登ってきた尾根の方向に岩木山が見えたり。
天狗峠から天狗岳へと延びている尾根筋が見えたり。
このあたりから太夫峰頂上へは短い緩急の登り。
やや急な登りを我慢すれば前方が開けて、太夫峰の小さな山頂広場が現れる。


(登山道を残雪が被っている。)

(残雪が融けて窪地に小さな沼をつくっている。水の中の白いもち状の物体は蛙の卵か?)

(天狗岳方面。)

山頂広場にて

山頂広場に到着してまもなく、向白神岳方面に黒い雲が下り始めた。
だが、帰り方向の一ツ森方面の上空は晴れていたので、ゆっくり休憩。
ここに立てば、奥深くて、険しい白神山地を一望できる。
急峻な尾根と深い谷が、人の手を拒んできたのだろう。
そのため、広大なブナの原生林が、手つかずのまま保たれているのだということがよく分かる。

実は、私は軽い二日酔い状態。
途中から、胸のあたりがムカムカして気分が悪くなり、休み休み登っていたのだった。
同行者の姉は軽快な足取りで、先に山頂に到着。
こんなに歩ける人なのかと驚いた。
一ツ森から太夫峰まで2時間40分ぐらいのタイムだったが、私の体調が良かったら2時間ちょっとか、2時間を切るぐらいの行程だったかもしれない。
私は昼食もとれず、向白神岳方面の写真も撮れず、下りに備えて、山頂広場でただじっと休むばかり。
(太夫峯山頂で、余裕でお昼の弁当を食べている同行者。)

(向白神岳へ続く稜線を背景に疲れ果てた自分。)

下山

帰り道のアップダウンでさらに気分が悪くなり、途中何回か吐いた。
朝食もとっていなかったので、口から出たのは、登りの時に飲んだ水だけ。
水分が補給出来ない状態で脱水症状にならなかったのは、暑い日ではなかったからだろう。
これが夏真っ盛りの暑い日の登山だったら、水分不足から熱中症になっていたことだろう。
高齢者登山の遭難事故も、こんな発端で起きるのかもしれない。
年齢を考えずに前の晩に飲み過ぎたとか、若い頃の体力を過信して無理なコース選びをしたとか・・・。
ただ足の運びは、自分なりにしっかりしていると感じたので、深刻なことは考えなかった。

太夫峰登山のまとめ

一ツ森~太夫峰登山コースは、距離は短いが急傾斜のアップダウンが多く、私的に、しんどいコースであるように思った。
また尾根道に2~3カ所、樹間から深い谷傾斜を垣間見る「痩せ尾根」の通過もある。
樹木が両サイドに立っている「痩せ尾根」なので、険悪ではないのだが、疲れているときには注意が必要だ。
登山道は、直角に曲がる所が2カ所ぐらいあった。
そこは、チシマザサが生い茂った中の、直進の踏み跡らしき筋に迷い込みそうなポイントになっている。
でも、登山道全体に、明確な踏み跡がついているので、注意深くそれを確認すれば迷うことは無い。

前半は、白神山地の展望はあまり得られない。
このコースは、太いブナの木も少ない。
一面のお花畑も無い。
だが、森の中のなだらかな尾根歩きあり、急登あり、ちょっとした湿地帯ありで楽しいコースだった。
太夫峰山頂広場は、登山者が10~13人ぐらいで満杯になるような広さ。
立木はあるものの、ダケカンバなどの低い木立なので、白神山地深部の展望はまあまあだった。
途中、登山道沿いで見たお花は、シラネアオイ、ギンリョウソウ、オオバキスミレ、ゴゼンタチバナ、ヒトリシズカ、ユキザサなどなど。
花の写真を撮る余裕がなかったのが残念。
場所柄、黒い練り状のクマの糞も見かけた。
下痢をしていたのだろうか、練り状の灰色の糞もあった。
人間だったら灰色便は、胆管か肝臓の疾患が原因。
おっと、これは余談。
前半は、エゾハルゼミの音のシャワー状態。
下りのアップダウンと、919ピークからの急な階段道を考慮すれば、下りの時間も、登りに要した時間同様に余裕をみる必要があると感じた。

好天だったのに、山行中、登山者は私たちだけ。
近場の手頃なコースなので、かなりの人が入山していて、クルマの駐車場所に困るのではないかと気になっていたが、いらぬ心配だった。


(深浦西海岸に傾きかけた太陽。帰り道、国道101号線から眺める。)

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