コムラサキシキブという小さなお母さんの木

【コムラサキシキブの薮。】


ブロック塀に囲まれた空き地で、実の付いたコムラサキシキブを見つけた。
葉はすでに散ってしまっているが、紫色の果実は、まだたわわ。

コムラサキシキブは、夏に淡い紫色の小さな花を咲かせる。
可憐な感じのきれいな花なのだが、小さいので、あまり目立たない。
この写真のように、晩秋の実の方がよく目立つ。

コムラサキシキブは、シソ目クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。
似た品種のムラサキシキブよりも、身の丈が一回り小さい。
果実は、コムラサキシキブの方が、賑やかな感じ。
葉が散ってしまっても、実はまだ残っていて、紫色に輝いている。

初夏に生い茂る夏草に埋もれて、小さい花を咲かせている低木の名前を知っている人は少ない。
しかし、その低木が紫色の小さな丸い実を無数につけると、通行人達は「あら、ムラサキシキブがきれいね。」と立ち止まる。
晩秋に、草が枯れて木の葉が散る頃も、紫色の実を細い枝にとどまらせている。


まるで、小さなお母さんが大きな子どもを産んだみたいだ。
小さな母親は大きな子どもの陰にかくれて目立たない。
子どもに隠れて、ひっそりと微笑んでいるだけ。

私は、コムラサキシキブの実を見ると、初夏の小さな花の姿を思い出す。
細い枝に並んだ小さなお母さん達。
この実が残っているのは、小さなお母さん達のおかげなのだと思うと、妙に感慨深い気分になる。

コムラサキシキブという古典的な名前の、小さなお母さんの木。
というのが、この木に対する私のイメージである。


【野ブドウの実に似たコムラサキシキブの実。小さなお母さんの子ども達。】


【紫色の実のアップ。】

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