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青空に立ち上がるトチノキの花に導かれて縄文をイメージした

2021/06/29
トチノキの花が咲いた。


 公園のトチノキの花が咲いた。
青森市の平和公園では、早春のサンシュユに始まって、夏頃までに、いろいろな木々の花が咲く。

今は、トチノキが花盛り。

穂状に立ち上がった花が、陽を浴びている。
青空に向かって立ち上がる様は、小学生の挙手を連想させる。
ハイ、ハイという、賑やかな声が聞こえそうな、花の咲き姿。

トチノキの葉は、まだ小さい。
しおれた様に、しなだれている。

花が終わって、盛夏を迎えると、大型の掌状複葉となる。
夏の山道を歩いていると、大きな葉の樹木を見かけることがある。
たいていは、トチノキかホオノキである。


穂状に立ち上がったトチノキの花。


 この花が、夏から秋にかけて実を結ぶ。
トチの実は、クリに似ているが、クリよりも丸く、色が濃い。
そして、クリのようには食べられない。
渋抜きをしなければ、食用にはならない。

トチの実には、デンプンやタンパク質が豊富で、食用の歴史は古い。
縄文時代の遺跡から、トチの実の殻(から)が出土している。
縄文人にとって、トチの実は、大切な食材だったと言われている。

そんなことを考えながら、トチノキの花を眺めていると、この花の容姿が、とても縄文的に思えてくる。
トチノキの花の咲き姿に、縄文時代の「深鉢形土器」を思い浮かべたり。

青空に立ち上がるトチノキの花は、「深鉢形土器」を天に差し伸べている古代人と呼応しているように思える。
と同時に、それは元気よく挙手する小学生とも呼応している。
すべてを、そんな感じでつなげてみれば、面白い。

実際、世界は、そんな感じでつながっているのかもしれない。

「発想」とか「もの思い」なんて、そんなものさ。
この青空も、縄文時代から延々と続いている「もの思い」なのかも知れない。

青空に立ち上がるトチノキの花に導かれて、心が浄化した感じになる。
現代と比べて、縄文時代はずっと浄化された世界だというイメージが強いから、人々は縄文時代に関心を持つのだろう。


青空に向かって伸び上がっているようなトチノキの花。
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