ミミナグサという名前の小さな山野草に咲いた美しい花
可憐に咲いているミミナグサ。 |
青森市中央市民センターの敷地の南東角は小公園になっている。
その緑地にミミナグサが咲いているのを見つけた。
花の直径が10ミリか、それ未満。
群生というよりは、間をおいて点在しているという感じである。
ここのミミナグサの草丈は、10センチから20センチ前後。
ほんとうに小さな花なので、注意して見ないとその存在に気がつかない。
どんな野草が生えているんだろうという興味で足元を見下ろすと、5弁花の可憐で美しい花が咲いていた。
長楕円形の白い花弁の先が2裂していて、それがこの花のアクセントになっている。
絵本で見るウサギの耳を思わせる花の形。
花の雰囲気はハコベに似ているが、同じ5弁花でも、ハコベは10弁花に見えるほど2裂の切れ込みが深い。
雰囲気は似ていても、ミミナグサはハコベ属ではない。
ナデシコ科ミミナグサ属の越年草とのこと。
花弁とガク片。 |
ミミナグサは日本の在来種。
ミミナグサによく似ているオランダミミナグサは、ヨーロッパ原産の外来種であるという。
また、これもよく似ているオオミミナグサという種類もある。
私は以下の特徴(相違点)で写真の花がミミナグサであると同定した。
- ミミナグサとオランダミミナグサは、ガク片の長さが花弁とほぼ同等(花弁がガク片よりも著しく長いとされるオオミミナグサではない)
- ミミナグサは花序が密集していない(花序が密集しているオランダミミナグサではない)
- ミミナグサは小花柄がガク片よりも長い(小花柄がガク片よりも短いオランダミミナグサではない。)
小花柄(しょうかへい)とは、分岐している花柄(かへい)のこと。
花柄とは、花序を支えるための茎。
ただ、ミミナグサはガク片の先や茎が暗紫色になることが多いらしい。
対生している葉。葉柄が無い。 |
ただ、ミミナグサはガク片の先や茎が暗紫色になることが多いらしい。
ご覧の通り写真の草は、茎の下部は暗紫色であるが、ガク片の先はほとんど緑色。
だがこれは、生育環境によっては、暗紫色を帯びないこともあると、ネットの野草専門サイトで述べられていた。
それもあって、写真の草はミミナグサであると同定した次第だが、「ガク片の先が暗紫色を帯びていない」を重要視すると「自然交配」した雑種であるのかもという疑いも拭いきれない。
厳密に言えば、花弁よりもガク片の方が少々短い気もするのだが・・・・、これも長さが「同等」のうちに入ると言えば入るような・・・・。
だが、「○○ミミナグサ」であるかもしれないが、ミミナグサであることに変わりは無い。
厳密に言えば、花弁よりもガク片の方が少々短い気もするのだが・・・・、これも長さが「同等」のうちに入ると言えば入るような・・・・。
だが、「○○ミミナグサ」であるかもしれないが、ミミナグサであることに変わりは無い。