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ミミナグサの果実。 |
青森市中央市民センターの小公園で、ミミナグサの花が終わって実を結んでいた。
成長した果実はガクの2倍ちょっとの長さになっている。
その長さは、だいたい9ミリぐらい。
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葉の緑色は、まだ鮮やか。 |
果実が裂開したら草は枯れるのだが、それまでは葉は鮮やかな緑色をしている。
最後の最後まで栄養補給(光合成)に懸命なのだろう。
その懸命な努力が、来春にまた美しい花を咲かせる。
小さな野草なので、見おとしてしまいがちだが、いちど目にすると気になってしょうがない。
その後、花はどうなっているのだろうと来てみれば、写真のような有様。
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近似種のオランダミミナグサよりも果柄(かへい)が長いミミナグサ。 |
上の写真のように、ひとつの茎に、裂開した果実と、先端に花柱を出した成長中の果実とが同居している。
夏のはじめに草が枯れて地上に落下したミミナグサの種子は、その年の秋に発芽するという。
発芽した状態で冬を越し、春にまた可憐な花を咲かせる。
開花、結実、発芽、越冬と、小さな野草は淡々と一年のスケジュールをこなしていく。
木と違って草は、登場から消え去るまで、短期間の展開がドラマチックで面白い。
小さな花の小さな結実の物語。
思いがけない出会いと静かな別れ。