夜店祭りのビアホールは、大人たちが郷愁に浸る場所だった
「堤夜店祭り」のポスター。 |
国道4号線の堤橋西側にずらりと夜店が並ぶということだったが、あいにくの小雨で夜店の数は少なかった。
全部で8店ぐらい。
その8店が、寂しく点在しているという有様。
ポスターのイラストにあるような夏祭り定番の「金魚すくい」は見かけなかった。
見た限りでは、飴屋さんとかヤキソバ屋さんとか。
ビアホール会場。 |
まだアーケードがあったころは、堤町の商店街もそれなりに活気があった。
一部を残してアーケードが撤去されたのが2007年の春。
それ以前から空き店舗の目立つ商店街だったが、アーケードの撤去後は、年々寂しくなっていった。
その寂しさを吹き飛ばそうという趣旨か、昔のにぎわいを取り戻そうという趣旨か、毎年7月に「堤夜店祭り」が催されている。
素人バンドが活躍。 |
小雨降る国道4号線沿いの歩道には屋台の灯りがちらほら。
夜店と言えば子どもだが、子どもたちの姿は無い。
歩いていると、一角から生バンドのにぎやかな音。
千葉自転車商会さんの倉庫でビアホールが営業中だった。
ポスターのコピーにある「なつかしの」とは、このことだったのか。
仮店舗内は大人たちで満杯状態。
エレキギターのサウンドに気分が高揚する。
エレキギターのサウンドに気分が高揚する。
生ビール一杯500円。
歌のうまいオネエサンのボーカルあり、フラダンスショーあり。
ここだけは、熱気あふれる大人の夜店祭り。
南国のヤシの木立と夕焼けの写真をプリントした幕なのだが、A4の紙を貼り合わせて作ってある。
幅二間(3.6メートル)高さ一間(1.8メートル)の紙の垂幕である。
手作り感あふれる垂幕には、郷愁感もあふれていた。
ヤシの木が立ち並ぶ風景を眺めることが、逆に自分たちの雪国の暮らしを懐かしむことにつながるのかもしれない。
観客はいっとき南国に身を置いて、そこから故郷雪国を郷愁する。
「祭り」には、日常ではない世界に身を置いて気分をリフレッシュさせるという効果が備わっている。
夜店祭りのビアホールは、大人たちがノスタルジーに浸る場所だった。
そこから大人たちが、現実に再生する場所であるかもしれない。
そこから大人たちが、現実に再生する場所であるかもしれない。
郷愁には小雨がよく似合う。
エレキギターのサウンドが、もの懐かしい気分を誘い出し、何かを懐かしむ気分が活力を誘う。
「なつかしの」は、再現することで再生しようというキャッチコピー。
きっと、いろいろな街でいろいろな夜店祭りが行われているに違いない。
エレキギターのサウンドが、もの懐かしい気分を誘い出し、何かを懐かしむ気分が活力を誘う。
「なつかしの」は、再現することで再生しようというキャッチコピー。
きっと、いろいろな街でいろいろな夜店祭りが行われているに違いない。
センチメンタルジャーニー。
なぜか、北村太郎氏の詩の冒頭が思い浮かぶ。
私はいろいろな街を知っている。
黴くさい街や、
日のひかりが二階だけにしか射さない街を知っている。
それでも時には、
来たことのない灰色の街で電車から降りることがある。
黴くさい街や、
日のひかりが二階だけにしか射さない街を知っている。
それでも時には、
来たことのない灰色の街で電車から降りることがある。