雲谷峠のバックカントリーでテレマークスキー
本日の行程図(ピンク点線:登り 青線:滑降。行程線は、ブログ管理人の書き込み)。出典:国土地理院ホームページ。 |
それが北上してくるというので、今日の青森地方の天気予報は曇りのち雪。
40年に1度の大寒波襲来で、天候悪化が懸念される日曜日。
遠出は無理だと思い、近場の雲谷(もや)峠のスキー場裏から山頂まで登ることにした。
雲谷峠のスキー場であるモヤヒルズは青森市中心部からクルマで20~30分の位置にある。
ここへはシーズン初めの足慣らしによく来る。
八甲田や滝沢の山へ出かける時間的な余裕がない場合とか。
これらの山の天候が芳しくない場合、私は雲谷峠のバックカントリーを利用させてもらっている。
駐車地点からスタート。駐車地点を振り返る。 |
私が雲谷のバックカントリーと呼んで利用させてもらっているのは、雲谷峠の東斜面。
森のなかに沢筋が交錯する急斜面で、低い山だからといって油断できない。
積雪の多い時期は、雪崩が発生しそうな沢筋もある。
スタート地点は、オダマキペアリフトの乗り場近く。
標高250メートルの地点。
ここから標高553メートルの雲谷峠山頂まで登る。
標高差300メートル。
酸ヶ湯温泉(標高900メートル)から八甲田大岳山頂(標高1584メートル)まで登ると、標高差は約684メートル。
大岳登山の半分にも満たない標高差だが、侮れない。
急斜面を独りでラッセルして登るのはきつい。
今日の雪の深さは、20センチから40センチ。
曇りもようのモヤヒルズ。 |
- 積雪の多い時期は、遠巻きになるが、平坦な林道跡を国道(地形図の赤いライン)近くまで辿り、国道と並行して延びている赤松の尾根を登って山頂に至る。
- 積雪が少なめの時は、雲谷峠の山腹を斜登行して高度を上げつつ、赤松の尾根の山頂近くに出る。
(2)は、積雪が少ないと比較的楽で、この方が山をよく見ることが出来るので、歩いていて面白い。
今日は積雪が少ないので、(2)のコース取りを試みた。
雪が崩れそうな険悪な個所がなかったので気分的にも楽に登れた。
場所によっては雪の深さが40センチぐらいのところもあって、スキーの先端が雪の中に潜ってしまい難儀した。
昔の、先端が反りかえったダブルキャンバーの、長いテレマークスキーが恋しくなった。
なんだかんだで、山頂到着まで2時間半を要した。
やはり独りラッセルはきつい。
きついけれども楽しい。
低山でも、この達成感がなんとも言えない喜びだ。
子どもっぽい喜びだが、年老いた男が自身の体力に満足する喜びでもある。
子どもっぽい感受性を支えているのは、老齢になりつつも維持している自身の体力と、行動の安全を確保する自身の理性なのだ。
カタクリペアリフトは、カタクリゲレンデが雪不足のため運休中。 |
山頂へ到着したときは、薄暗く小雪が舞っていた。
これから天気が崩れるのだろうと思ったのだが、西の方に青空が顔を出し始め。
滑降を始めた頃には、陽光が雪面に樹木の影をおとした。
登るときは雲に隠れていた八甲田山が姿を現したり。
天候は天気予報に反して好転している。
斜面はやや重めのパウダーだが、気になるほどでもない。
山頂から赤松の尾根をちょっと下り、左手に入る。
そのまま、なるべく高度を下げずに、斜滑降で開けた斜面の上に出る。
その斜面を滑る。
すばらしいパウダースキーイング。
あっという間に、杉林に。
この杉林の手前を左手に斜滑降すると、カタクリゲレンデに出る。
カタクリゲレンデの下部をちょっと滑って、駐車地点にゴール。
上天気のなかで、雲谷峠のバックカントリースキーは終了。
雲谷は、やっぱりテレマークスキーが楽しいところである。
スキー場を右手に見ながら進む。 |
40年に1度の大寒波とか、南岸低気圧とかが嘘のようである。
しかし現実に、西日本一帯は大雪の被害が発生している。
雪による交通事故や、転倒による怪我が相次いでいる。
片や青森では、雪の山に登って「楽しい!楽しい!」と言っている男がいる。
雪にかかわるこの違いはなんだろう。
雪国では、雪は冬の生活の一部なのである。
だから、雪に備える文化や雪を楽しむ文化が育まれている。
それが環境に順応していく人間の必然の道なのでは。
雲谷峠山頂へのルートもまた、そういう道の一端なのだろう。
そう思えば、雪山のスキー散歩も意義深い行為のように感じられる。
スキー場と別れて林の中へ。 |
急こう配の尾根をジグザグにのぼる。 |
途上から青森市街地と陸奥湾をながめる。 |
赤松の尾根を目指す。 |
赤松の尾根に乗れば、山頂は間近。 |
雲谷峠山頂。 |
西方向に青空が顔を出している。 |
登ってきたトレースを、山頂から眺める。 |
雲が消えて、八甲田山が姿を現した。 |
ジグザグに登ってきた広い尾根を滑降。 |
急斜度の開けた尾根を滑降。ちょっと重めのパウダー。 |
スタート地点にゴールしたときは、すっかり晴天。 |
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