2020/06/20

支尾根はギンリョウソウだらけ

枯れ葉の中からギンリョウソウが飛び出している。
木陰に咲いていたギンリョウソウ。


滝沢山地の890峰北尾根にある574峰に行くために歩いた北尾根の支尾根には、ギンリョウソウがたくさん咲いていた。
支尾根は北方向に面していて、ここ数日はヤマセ型気候なので、夏場とはいえ木陰の暗がりは、かなり冷涼だ。

支尾根一帯が冷涼なせいで、ギンリョウソウが繁茂しているのか。
おそらく、冷涼なせいで地面の湿り気が維持され、ギンリョウソウが生育するのに適した条件になっているのだろう。

ギンリョウソウの白い立ち姿は、みずみずしくもあり、ちょっと不気味でもある。
ユウレイタケという別名があるほどだから、さわやかな印象の野草ではない。
緑色でないと草のように見えないが、ギンリョウソウは草として花が咲いて結実する。
葉もある。
一番下の写真にある白い茎に、白いササクレのように付いているのが「鱗片葉」と呼ばれているギンリョウソウの葉。

すぐ下の写真は、ギンリョウソウの花の部分を拡大したもの。
目玉のような薄青色の柱頭が雌しべで、その周りに黄橙色の雄しべが隠れている。
果実は、7月の初め頃から姿をあらわす。

ギンリョウソウは、この果実から出た種と地下茎で株を増やしていく。
ギンリョウソウの生活スタイルは、土壌にある菌類に寄生して、そこから栄養を吸い取って生活しているとのこと。
「腐生植物」なんて呼ばれている。

おどろいたことに、ギンリョウソウはツツジの仲間であるとのこと。
ツツジ科に属しているのだ。
そういえば、花の形が、どことなくドウダンツツジの釣鐘型の花に似ている。


うつむき加減なギンリョウソウの花
ギンリョウソウの花をズーム。

ギンリュウソウの茎
ギンリョウソウの茎。

曇天の滝沢574峰麓まで

574峰への山行ルートの略図
574峰への山行略図。


曇天のなか、滝沢山地の574峰の麓まで歩いた。
今年最初の夏山である。

この山に登山道はない。
全行程ヤブ漕ぎだが、574峰までは比較的に歩きやすいヤブである。

登山口である野内川の河川広場から、微かな踏跡を辿って杉林の中へ。
杉林の、ヤブが薄くて傾斜の緩い箇所を選んで、上へ上へと登って支尾根に乗る。

支尾根は、最初は傾斜が緩いが、北尾根に近づくに従って急になる。
北尾根とは574峰のある尾根で、この尾根の最高峰が890峰である。

890峰の西には折紙山(920.7m)が鎮座している。
以前この北尾根を、私は「折紙山北尾根」と勝手に呼んでいたが、これは正確ではない。
890峰から北に伸びている尾根なので、890峰北尾根と呼んだほうがわかりやすい。
なにせ名無し山の多い滝沢山地であるから、山名に基づいた情報の共有がむずかしい。

574峰の麓までは、なだらかな尾根歩き。
ブナの木やナラの木の樹間からは、北方向に平沢沿いの尾根が見える。
山頂付近にガスが漂っている734峰が、カッコ良く見える。

574峰の麓で休憩していたら雨になりそうだったので、引き返すことにした。
急な斜面は、ロープで懸垂下降して安全に下山。
そんな人間をカモシカ君は、不思議なものでも見るような目つきで見つめている。

カモシカ君は、不思議なものを不思議なものとして見るだけで、それ以上の詮索はしないであろう。
おそらく。

だが、多くの人間は、自身が理解できない行為について、自身の短いものさしを用いて無理やり理解しようとする。
その結論が「バカみたい」とか「ナニやってんの」とか「ヒマだねえ」とか。

北原白秋先生が、こんなことを書いている。
「人の天分にはそれそれ自らなる相違あり、強ひて自己の感覚を尺度として他を律するは謬なるべし」
なかなかイイお言葉じゃん。

人の趣味や生き方には、自ずと違いがある。
無理やりに、自分の狭い人生観を基準にして他人を判断するのは愚かな誤りである。

「ヤブ漕ぎ山歩き」をするのが、俺の「天分」ってわけかな。


野内川にかかっているコンクリート橋
野内川にかかっている橋を渡る。

登り口の草薮
ヤブの下に微かな踏跡がある。

ミズの谷
ミズの谷

支尾根
890峰の北尾根の支尾根を登る。

北尾根
890峰の北尾根。奥のこんもりが574峰。

平沢方面を展望
北尾根から大毛無山南尾根の名峰734峰を眺める。734峰の山頂付近(中央の高い山)に、ヤマセのガスが漂っている。

帰路に出会ったカモシカ
カモシカが侵入者(私)を見つめている。

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