センニンソウかなと思ったらボタンヅルだった
ボタンヅルの花。 |
滝沢山地の沢に沿った広い林道の林縁で見つけた花。
センニンソウかなと思ったが、帰宅して調べたら、ボタンヅルだった。
ボタンヅルは、キンポウゲ科センニンソウ属の落葉つる性半低木。
キンポウゲ科には有毒植物が多いが、ボタンヅルも有毒である。
「半低木(はんていぼく)」とは、茎の根元の部分が木質化し「木本」と「草本」の中間の性質を持つ植物のこと。
地中や根元で数本の幹に分かれ、主幹が不明瞭のものが多いとされている。
半低木として知られている身近な野草にノブドウやヨモギがある。
白い花弁に見えるものは萼片(がくへん)である。
萼片の役割は、蕾のときに花を包み込んで保護すること。
また萼片(萼)は、花が咲いたら、花弁を支える役割もあるとのこと。
花弁の役割は、内側にある雄しべと雌しべを保護すること。
その他に、花粉を運ばせるために、昆虫にたいしてアピールする役割もあると言われている。
ボタンヅルの花弁のような白いものは萼片であるから、ボタンヅルには花弁がないことになる。
というか、萼片が花弁の役割を果たしているのだ。
それならこの白いものは花びらでいいじゃないかと、トーシロの私は思いたくなるが、萼は萼であるらしい。
植物の世界は微妙である。
ボタンヅルとセンニンソウはそっくりに見える。
通りすがりに見た程度では区別がつかない。
センニンソウのほうが名が売れているので、この花を見るとセンニンソウかなと思いがちだ。
しかし、それぞれ明確な特徴を持っている。
以下にボタンヅルの特徴を上げる。
●葉が三出複葉【センニンソウ:奇数羽状複葉/小葉の数は5枚が多い】
●雄しべ(細くて多数あるやつ)が萼片とほぼ同じ長さ【センニンソウ:雄しべが萼片より短い】
●蕾の頭が丸い【センニンソウ:蕾の頭が尖っている】
ここにあげた写真ではわかりにくいが、おおきな違いは葉の付き方。
三出複葉(ボタンヅル)と羽状複葉(センニンソウ)の違いは明確である。
さらに、蕾の頭に注目すれば、見分けは私みたいなトーシロでも可能である。
蕾の頭が丸い。雄しべが萼片と同じ長さ。 |
葉は三出複葉。茎に稜角あり。 |
葉が牡丹の葉に似ているのでボタンヅル。 |