ヒバの林床に顔を出していたベニナギナタタケとキソウメンタケというキノコ
独特の存在感で、ベニナギナタタケが束生している。 |
今日は、下折紙沢の沢の中を歩いて、ちょっと涼んだ。
沢から川原に上がると、川原のなかに平坦な丘のような場所があった。
まるで谷の中の舌状台地。
幅が10メートルぐらい、高さが2メートルぐらいのミニ舌状台地である。
沢に平行して下流のほうへ200メートルほど伸びている。
台地の上がヒバの林になっていた。
ここのヒバの林床には、草が生えていない。
ヒバの落葉や広葉樹の落葉が敷き詰められていて、黒っぽい地面になっている。
黒い地面からニョロニョロ、キノコが伸びていた。
猛毒のカエンタケかなと思ったが違うようだ。
カエンタケに似ているが、カエンタケはもっとズングリムックリしている。
このキノコは、細長くてヒョロヒョロ伸びている。
帰宅してから調べてみたら、ベニナギナタタケとキソウメンタケだった。
両者とも外形は、ほぼ同一。
色が赤っぽいのがベニナギナタタケ。
黄色いのが、キソウメンタケ。
二種ともシロソウメンタケ科のお仲間であった。
ベニナギナタタケは、古くなると脱色してオレンジ色とかピンク色になるという。
てことは、私がキソウメンタケとみたキノコは、脱色したベニナギナタタケである可能性もある。
いや、それはない。
オレンジ色がかった黄色いキノコは、地面から顔を出したばかりの細いものも、オレンジ色がかった黄色い色で、古くなって赤色が脱色したようには見えない。
ちょっとややこしいが、オレンジ色がかった黄色いキノコは、キソウメンタケに間違いない。
それはそうと、ヒバ林にキノコが生えるなんて珍しい。
青森ヒバには、抗菌作用のあるヒノキチオールという成分が豊富である。
キノコは、言わずと知れた菌類である。
抗菌作用が豊富である林のなかは、キノコにとって好ましくない生育環境である。
なのに、ニョロニョロとキノコ。
ヒバの林にキノコ類が少ないのは事実である。
私は、長年ヒバ林を散策してきたが、ヒバの倒木にキノコが付いているのを見た記憶がない。
ベニナギナタタケとキソウメンタケは、ヒバ林でも平気なキノコなのだろう。
ヒバ林のなかで、こんなキノコに出会ったのは初めてである。
鮮やかな紅色のベニナギナタタケ。 |
クネクネしているベニナギナタタケ。 |
束生したり単生したりのキソウメンタケ。 |
ヒバの大木の下にキソウメンタケ。 |
束生しているキソウメンタケ。 |