2017/06/23

「円形脱毛症は遺伝」というトリック

関東地方で暮らしている妹から、久しぶりにメールが届いた。
メールの内容は、自分が罹った円形脱毛症のこと。
今年の三月中頃、右耳の上辺りに十円硬貨よりもちょっと大きいぐらいの「ハゲ」ができた。

円形脱毛症

それがみるみるうちに広がって、直径10センチにもなったそうである。
妹は、ネットでいろいろ調べて、それが円形脱毛症であると自己診断。
三ヶ月ぐらいで自然に治ることが多いということで、頭にバンダナを巻いて、時が過ぎるのを待っていた。
患部を清潔に保つことを心がけていたという。
妹の年齢は62歳。
円形脱毛症にかかっても、おしゃれなパンダナを楽しむ女性なのである。

しかし、三ヶ月経っても円形は縮まらず、毛も少ししか生えてこない。
ここに至って少々心配になり、地元で評判の良い皮膚科を訪れたということ。
診察をうけたら、やっぱり円形脱毛症であった。
以下は、そのお医者様の話。

円形脱毛症は遺伝

「この原因を皆さんはストレスと誤解していますが、そうではありません。この遺伝的体質を持った人に限って何かのきっかけで発症するのです。もう危機は脱していますよ。マイクロスコープで見たらカイワレダイコンの赤ちゃんのような毛がもしゃもしゃ生えてきています。後2か月ほどで元に戻りますよ。」

カイワレダイコンの赤ちゃんは、見たことがないので、なんとも想像がつかない。
お医者様の話によれば、円形脱毛症が遺伝的体質によるものだと判明したのは最近のことだという。
動物実験で判明したとのこと。
いくらストレスをあたえても、この体質の猿でなければハゲないという。
この遺伝的体質を持って生まれた猿は、ストレスをあたえると、ハゲることが多いらしい。

すでに亡くなって久しいが、私の父も四十代後半に円形脱毛症をやっていた。
父方の従兄は、三十代前半に、円形脱毛症をやっている。
こうしてみると、私の父方系の遺伝かなとも思えてくる。

そういえば「ツルッパゲ」も遺伝だったよね

ところで、ハゲは遺伝すると昔からよく言われていた。
ハゲはハゲでも「ツルッパゲ」の方だけど。
これは動物実験をするまでもなく、日常的に実例を見かけるので世間一般に「ハゲは遺伝する」と納得されていること。
「うちはハゲる家系でねえ。」なんて話をよく聞く。
この「ツルッパゲ」は遺伝するけど病気ではない。

円形脱毛は病気

だが円形脱毛は、遺伝して、しかも円形脱毛症という病気なのである。
ということは「なんだ円形脱毛か、遺伝だねえ。なにかのきっかけで発症したんだね」で安心できるようなことではない。
「ツルッパゲ」は体調不良が原因でなるものではない。
でも、円形脱毛は体調不良が原因のようでもある。
それが、お医者様の言うところの「きっかけ」である。
ストレスとか慢性疲労とか、体調の不良状態が解消されないままでいると円形脱毛になったりするのかもしれないし。

体調不良が一過性で終わればよいのだが、円形脱毛の背景に重大な病気が潜んでいるとしたら・・・・。
なので、円形脱毛症という合併症的な命名がなされたのではあるまいか、と私は素人ながら考えてしまう。
「円形脱毛は遺伝さ、三ヶ月ぐらいで自然に治るさ。」では済まされない病気なのではあるまいか。

「ハゲ」の遺伝というトリック

妹は皮膚科の医師の診察を受けた結果、円形脱毛の原因が遺伝的体質によるものだと医師から言われて、少し安心したようだった。
だが、この「お医者様の遺伝の話」には「トリック」があるのではないだろうか。

「円形脱毛」>「遺伝」>「ツルッパゲも遺伝」>「ツルッパゲは病気じゃない」>「健康」>「円形脱毛も遺伝でハゲる」>「ツルッパゲが健康なら円形脱毛も健康?」

患者は医師から「円形脱毛は遺伝的体質によるものだよ」と告げられると、脳裏に「ツルッパゲ」の遺伝のことを思い浮かべるのでは。
そして円形脱毛を、ツルッパゲと同等の遺伝と錯誤してしまいそうになる。
医師も患者も無意識のうちに、このトリックにおちいっているのではあるまいか。

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