屋根の雪下ろし事故はなぜ起るのか?

雪国の屋根。
降雪量の増加とともに、東北地方では住宅の雪下ろし作業中の死傷事故が増えています。

雪下ろしの死傷事故で多いのは、屋根からの転落事故や、作業者が屋根の雪とともに落下して雪の中に埋まってしまう埋没事故などです。

年齢的には、60歳以上の高齢者が圧倒的に多数です。

屋根の雪下ろしをしている人は、高齢者が多い。
私が街中で見かける、屋根の雪下ろしをしている人の大部分は高齢者です。
ということは、高齢者が屋根の雪下ろしをする事が多いので、高齢者の死傷事故も多いということになります。

日中、息子が勤めに出ている間に、屋根の雪下ろしをしている高齢者も多いのではないでしょうか。
大きな田舎の家に、高齢者だけで暮らしているというパターンもあります。
特に田舎の大きな住宅は屋根も広く、従って屋根から下ろす雪の量も多くなります。


連日の雪かき作業で過労状態になっている高齢者。
雪下ろし作業の疲労からくる不注意も、雪下ろし事故の原因のひとつです。
連日の雪かき・雪下ろしで高齢者が過労状態になり、脚に力が入らなくなっている。
また、疲れで脚の感覚が薄れている。
このような体調も、雪下ろし事故の原因のひとつとなっていることでしょう。


屋根の雪下ろし作業は、高所での筋肉労働。
雪下ろし作業は、土木作業にも似た筋肉労働です。
しかも屋根の上での作業ですから、高所作業に属します。
筋肉労働や高所作業労働の知識や経験の無い高齢者が、いきなり傾斜して滑りやすい高所での筋肉労働をするのですから、事故が起る可能性は大きいと思います。

筋肉労働のリズムも保てず、高所でのバランス感覚にも劣る高齢者の雪下ろしは、事故に直結するように思います。

公的機関は次の2点を強調しています。
 ●屋根の雪下ろしは単独では行わない事。
 ●屋根の上では命綱を利用する事。

例えば老夫婦で屋根の雪下ろしをしていて、片方が雪の中に埋没してしまった場合、救出は容易ではありません。
屋根から落ちた雪は、山岳で雪崩れた雪同様、硬く絞まるからです。
命綱の使用も、教育・訓練を受けた者でなければ、その誤使用から首を絞めたり内臓を圧迫したりする事故に至ることが考えられます。


屋根の雪下ろし作業には技術や方法が必要。
屋根の上で雪下ろしをするという仕事には技術が必要です。
高齢者は身体機能が衰えつつあるという点において、「(筋肉)労働弱者」です。
さらに、高所での作業の経験・知識が無いと言う点において「技術弱者」です。

屋根の雪下ろし事故は、上記の弱者が、屋根の上で位置エネルギーを得た雪塊という強者に敗れることによって起る技術的な敗北であると思います。

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