馬鹿は風邪をひかない?
昔からよく聞く慣用的な言い回しに、「馬鹿は風邪をひかない」というのがある。
鹿の事は知らないが、馬は風邪をひくらしい。
競争馬は風邪で出走取り消しになることがあるとか、競馬好きの知人が言っていた話だ。
犬が風邪をひくぐらいだから、馬も鹿も風邪をひくんじゃない。
特に競争馬は、レースによるストレスが大きそうだから風邪をひきやすいような気がする。
犬特有の「風邪ウイルス」がいるらしい。
馬や鹿に取り付く「風邪ウイルス」も存在することだろう。
しかし、馬も鹿も、自身では体調の不良を風邪とは思わないだろうから、人の介在があって初めて「風邪」だと診断される。
人間の社会ではどうだろうか。
「馬鹿は風邪をひかない」と言う人たちは、自身は幾分賢いと思っているに違いない。
ユーモアのつもりでそうしゃべる人たちの中にも、「馬鹿」に対する蔑みの心が少しも無いかと言えば、そうではない。
自分は賢いと思う事で気分転換やストレス解消を図る。
さらに、他人を蔑む事で、気分転換やストレス解消をパワーアップする。
そういう方法で、自身の免疫力を高めて、風邪をひきにくい体質を獲得しようとしている。
これを「愚者の知恵」と言った「賢人」がいるとか・・・。
馬や鹿には出来ない芸当だ。
あまり物事に頓着しないタイプの人は、ストレスを蓄積しにくいと言える。
そういう「無神経」な人たちは、ストレスによる免疫機能の低下が少ないので風邪をひきにくいのかも知れない。
過大なストレスが体調の乱れの原因になる事を、多くの人たちは経験的に知っている。
「愚者の知恵」の乱用は、それ自体がストレスを生みそうだ。
他人を蔑む人には、なにがしかの「被差別感」がありそうだから。
そのストレスを解消しようとして、人を差別する。
そのストレスを解消しようとして、人を差別する。
全ての面において、優位感を持とうとする意識は「愚者の知恵」かも知れない。
それは、馬や鹿のように自己診断が出来ない人たちと言えそうだから。
「馬鹿は風邪をひかない」
これが事実かどうかは、私自身の「愚者の知恵」では及びもつかない。