夏バテから夏風邪に、夏風邪から熱中症に

立秋(8月8日頃)を過ぎても残っている暑さを残暑と言うらしい。
とっくに立秋は過ぎたが、ずっと続いているこの暑さは残残暑といっても良いくらい。

例年だと、お盆を過ぎれば日中でも涼風が吹き、朝晩はめっきり涼しくなる。
だが、今年は違う。
今年の盆過ぎは去年同様真夏日が連続し、暑苦しく寝苦しい日々が絶えない。

こんな日が続いているからか、私の知り合いが熱中症になった。
彼は58歳で、電気工事店の社長をしている。
社長と言っても零細な会社なので、自身でも現場作業をしなければならない。

彼は夏の暑さが大の苦手。
会社の事務所にいる時や自動車の運転中は冷房に当たりっぱなしだ。
暑い時は毎日、かき氷や冷たい炭酸飲料を大量に摂取している。

身体を冷やしすぎているから、胃腸の機能が低下せざるを得ない。
暑さに負けて食欲が落ち、夏やせが進んでいる。

仕事が終わったら、冷たいビールをジョッキで3〜4杯。
夜はビールのつまみ程度で、ご飯は食べない。

「暑いなあ、暑いなあ」という悲鳴に似た愚痴をしょっちゅうこぼしている。
早く夏の暑さから逃げ出したいという思いでいっぱいという感じ。
私が思うに、彼は夏負けする典型的なタイプなのだ。

そんな彼だから、食欲不振と疲労蓄積で、この時期夏バテ状態だった。
体調を崩して、睡眠もうまくとれていない状態だったらしい。
きっと自律神経に不調をきたしていたのだろう。

夏バテで免疫力が低下すれば、絶好の夏風邪ウイルスの餌食となる。
彼は、夜は毎晩のように通っている酒場で夏風邪をうつされたようだ。

夏バテと夏風邪の、悪の相乗効果で、彼は疲労困憊。
だが、こういう時期に限って仕事が混んでいる。

昨日、彼は雑居ビルの天井裏の配線工事の仕事があって、会社の若い者と二人で現場へ出かけたのだった。

若い方に配電盤の作業を任せて、彼は狭くて暑い天井裏に潜った。
風邪気味なんだから止せば良かったものを、連れの若い者が肥満傾向で、狭い天井裏ではとても仕事のできるような体型ではなかった。

で、痩せて小柄な社長が、むしむし暑苦しい天井裏に潜らなければならなかった。
彼は現場作業は好きな方だから、身体を動かすことは厭わなかった。
ただ、夏の蒸し暑さだけは多いに厭った。

狭い天井裏で、無理な姿勢でしばらく作業していたら、腹筋がつった。
それをかばおうとしたら、太腿の筋肉がつった。

彼の意識にも変化があったらしく、天井裏のコンクリートの上部が下がってきて、彼は自分が押しつぶされるのではないかという錯覚をおぼえたようだった。
体温が上昇して、オーバーヒート寸前だったのかも知れない。

彼は天井裏で悲鳴を上げた。
工事現場の現場監督やら作業員やらの手助けで、彼は天井の開口部からフロアに下ろされ、救急車で病院へ。
体温を下げるなど、体調が整うまで、3〜4日の入院が必要であるらしい。

「お日様に当たってなくても熱中症になるんだな。」
お見舞いに行った私に、彼はこう言ったのだった。

どうやら彼は日射病と熱中症を混同しているらしい。

「水分は充分とっていたと思っていたのだが・・・・。」と社長。

「水分だけではダメらしいよ、汗で出た塩分の不足も熱中症の原因らしいから。」と私。

「うん、それは医者に言われた。」と社長。

夏バテ状態から夏風邪に感染し、体調不良から熱中症に落ち入る。
次々と不幸の連鎖が起こったようではあるが、社長のような夏の暑さに負けるタイプは割とどこにもいそうである。

夏バテ・夏風邪・熱中症コースも、よく有る事例(症例?)かも知れない。
調査した訳では無いので、確かな事は何も言えないのだが・・・・。

熱中症の予防は、栄養と休養。
最もオーソドックスな健康の方法が、最も効果的。

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