「狐火」は冬の季語

吹雪の市街地。


俳句の世界で「狐火」が冬の季語であることを初めて知った。
「狐火」はよく聞く言葉だが、「狐火」とは何であるか、私はまったく知らない。
見た事も無い。
「狐火」は、闇夜の山野などで光って見える燐火(りんか)のこと、という解説がある。
鬼火とも言うらしい。

その「狐火」は冬期に発生するらしいので、俳句の冬の季語になっているようだ。
青森では、冬の夜は、あまり外出しないので「狐火」を見る機会が無いのかも知れない。
吹雪の夜に「狐火」が灯っていても、うつむいて歩いているから、そのことに気がつかない。

狐火の 燃へつくばかり 枯尾花
与謝蕪村

冬の夕映えが、目の前のススキの野原を透かしているのを見たら、「夕映えの 燃えつくばかり 枯尾花」となりそうだ。
だが蕪村は、「狐火」なのだ。
「狐火」という語のイメージから、「狐火」とは幽かなものであるような気がする。
「狐火」からは、枯れ尾花に燃えつくほどのエネルギーは感じられない。
蕪村は、「狐火」の幽かで独自な「幻想世界」を、燎原の火のように押し広げようとしたのだろうか。
寒々とした冬の季節に、勢いよく燃え盛る火は、蕪村の「あこがれ」だったのかも知れない。

狐火や 髑髏(どくろ)に雨の たまる夜に
与謝蕪村

与謝蕪村の、もうひとつの「狐火」の句。
これは、美しい「幻想世界」を排除した、透徹したリアリズムの句。
蕪村の「狐火」の句は、「幻想世界」と「現実世界」を彷徨っているように見える。

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