葉陰に咲くイロハモミジの赤い花と女の生き方
新緑の葉陰に咲いている赤い花。 |
小さな赤い花は、新緑のモミジの葉の陰で、隠れるように咲いている。
ハウチワカエデ同様イロハモミジの花も、両性花と雄花が混在しているらしい。
その見分けは、私には、まだできない。
イロハモミジの花は、風媒花の花らしく、花弁が目立たない。
赤くやや目立っているのは咢片(がくへん)で、花びらは咢片よりも小さく黄緑色または紫色であるらしいが、私の下手な写真では何が何やら、その判別は難しい。
葉の陰に隠れるように咲いているのは、日の光を嫌うからだろうか?
風媒花は、花粉を運ぶのに小鳥や虫の媒介を必要としないから、日の当たる目立つ場所は葉に譲って、自らはひっそりと木陰で風に揺れているのだろう。
花でありながら、花としての自己主張をしない、涼しげな花なのだ。
風に揺れていればなんとかなるさ。
虫や小鳥を呼び寄せるための、大きな花弁を開き甘い香りを放つ花の涙ぐましい努力は勘弁してねという冷めたスタイルなのかも。
そういう地味な花ではあるが、花粉はたくさん作るらしい。
大量の花粉を中空にまき散らす。
それが風媒花の自己主張。
その自己主張に、多くの「花粉症の人々」が泣くことになる。
美しい花は、その色香で男を泣かす。
地味な花も、花粉症の男を泣かす。
花は男を泣かしながら、実を結んでいく。
花と女の「実を結ぶ方法」には、多くの共通点が見られるかもしれないが、その巧みさを探し当てるには鋭い観察力が必要だ。