雑談散歩

    山スキーやハイキング、読書や江戸俳諧、山野草や散歩、その他雑多なことなど。

カラスに襲われて、木に登ったまま降りられない猫

木に登った猫
木に登ってしまった子猫。
公園のすぐ側に住んでいるおばさんの話では。
朝早くから、公園でカラスの鳴き声がうるさかったそうだ。
何事かとおばさんがその辺りを見に行くと、木に登った子猫をカラスが攻撃している。
という。

私が犬の散歩にこの公園に立ち寄った時は、カラスは、もういなかった。
そのおばさんに教えられて、公園のカツラの木を見上げると、確かに小さな猫が枝の上に乗っかってじっとしている。
黒と白のブチネコが地上から5メートルぐらいの位置で、上の写真のように動かないでいる。
微動もしないので、カラスに突っつかれて死んでしまったのかなと思った。

怖いことである。
傷だらけの死んだ猫が、そのうち芝生の上に落下する。
落下するまでは、枝のテーブルの上でカラスの餌食。
落下してからは、芝生のテーブルの上でカラスの餌食。

犬の散歩から帰って、木の上の猫の話を家の者にすると、見てみたいという。
それは好奇心からか、哀れみからか、ある種の予感からか・・・・。
家の者をその木の下まで案内して、こわごわ上を見上げると、猫の死骸の位置が変わっている。
西を向いて枝の陰になっていた頭が東を向いていて、猫の顔が丸見えだ。
猫は目を見開いたまま死んでいる、と思って見ていたら、またたきをした。

「おお、生きている、良かった」

公園の近所のおばさんも、家から出て来て、ブチネコの生存を喜び合った。
ところで、このブチネコは、自分では降りられないのだ。

ブチの野良猫が、早朝この公園を散策中に不良カラスに襲われて、びっくり仰天。
恐怖のあまり、あわててこの木によじ登ってしまった。
地上にいては、カラスの急降下攻撃の餌食になってしまう。
怖くて木から降りられない猫
死んだように動かないブチネコ。
猫なりの理性が働いたのかも知れない。
カツラの木の混んだ枝の中に緊急避難したのだ。
ブチネコは、枝の防護柵に守られてカラスとの空中戦に応戦。
しぶとい猫にカラスはあきらめて、一旦飛び去った。
遠くで猫の衰弱するのを見張っているのかもしれない。
なにしろブチネコは自身では木から降りられない。

そこで家からはしごを持って来てカツラの木にかけた。
私がはしごを上がって、子猫を地上に降ろすためにすったもんだ。
私の不手際で、枝から滑り落ちた猫は、横腹を芝生の地面に打ち付け。
すぐに立ち上がってどこかへすっ飛んで姿を消した。
しばらくして、家の周囲を歩いているこのブチネコを見かけた。
ケガのない様子で元気に歩いている。
たくましい野良猫だ。

あのまま木の上で動けないでいたら、カラスの餌食だった。
家の者と見に行かなかったら、そうなっていた。
野良猫のたくましさは、人の力も利用するらしい。
どういう形にしろ、私はブチネコに呼ばれて救助に行ったのかもしれない。

あるいは、公園の樹木に呼ばれたのか・・・・。

外見は静かで平和な公園だが、その中では、自身の命を守るための小さな格闘が繰り広げられている。
と、私は傍観者気分だが、それは公園や野良猫やカラスに限ったことではない。
人の住む周囲は「楽しい公園」であると同時に「怖い公園」でもあるのだと、野良猫先生が示しているのかもしれない。
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