平和公園の池の睡蓮
池の睡蓮。 |
睡蓮と聞くと、眠くなる。
子どもの頃、真夏に釣りをしながら、沼の睡蓮を眺めていたら睡魔におそわれた記憶がある。
睡蓮は人を眠らす魔性の花だと思っていた。
見ると眠くなる。
だから、小さい頃、睡蓮は見ないようにしていた。
少年の迷信は独創的過ぎて、一般化されることは無い。
葬儀用品の印刷物にも睡蓮のイラストが使われていることが多い。
あ、あれは蓮の花だったか・・・・・。
いずれにしても、睡蓮に対しては不吉なイメージを抱いていた。
沼に落ちたら、睡蓮のツルが足にからまって溺れる。
睡蓮の円形の葉の下には、水死体が隠れている。
水中から目を見開いて、空を眺めている。
この水死体と目があったら、水の中へ引っ張り込まれてしまう。
ポケットの中にビー玉を入れているように、頭の中には睡蓮に対する迷信があった。
意気地の無い少年は、迷信の創作が得意だったのだ・・・・。
昔、日本では睡蓮をヒツジグサと呼んでいたらしい。
未の刻に花を開くから、そんな名前がついたのだという。
未の刻は、午後2時前後のこと。
この写真は午後4時頃のものだから、ヒツジグサはそろそろ眠りにつくころだ。
実際は、朝から夕方まで花を開いているようだ。
高山の沼や高層湿原の池塘(ちとう)に咲いている睡蓮は、ヒツジグサと呼ばれている。
睡蓮は高山植物としては、ヒツジグサなのだ。
群馬県尾瀬ケ原のヒツジグサは有名だ。
南八甲田の横沼でもヒツジグサは見事に咲いている。
平和公園の池の睡蓮は、やや貧弱な感じがする。
栄養分が不足気味なのかなと思っていたら、睡蓮は水位の安定した貧栄養の水質の池や沼に生育する多年草ということ。
この池には注水口があるから、この池の水は水道水と思われる。
おそらく・・・・。
水道水の池では、横沼のヒツジグサのようにはいかないだろう。
ヒツジグサは貧栄養の水域に生育するからといっても栄養分が必要ではないということではない。
素人の浅はかさかも知れないが、ヒツジグサはヒツジグサに適した栄養分を求めているに違いない。