癒しの空間、小雨の宵宮の残照

露店が立ち並んだ参道に人混み。
青森市では、これから真夏にかけて、市内の各神社で次々と宵宮が開催される。
宵宮とは、神社の本祭りの前夜祭のことで、宵宮祭りとも言われている。
この地方では宵宮を「よみや」と呼んで、元旦の初詣並みの参拝客が訪れる。

宵宮祭りは、ひっそりとした地域のお祭り。
雨天にもかかわらず、近くの稲荷神社の宵宮祭りは、けっこうな人出だった。
参道にはたくさんの露店が出ていて、露店の灯りが宵宮祭りの風情となっている。
宵宮祭りの雰囲気に浸るために散歩に出かけ、その懐かしいような情緒を楽しむ大人達。
露店での買い物を楽しむ子ども達。

古風で土着的な神社のお祭りは、昔から多くの人々を呼び集めて、廃れる気配が無い。

ショッピングセンターなどがこの集客力に関心を持って、宵宮祭りを倣って夏祭りを企画しても、宵宮祭りほどの賑わいの獲得は難しい。
神社の持っている、人を呼び寄せる力とは比較にならない。

普段はほとんど神社を訪れることの無い人でも、宵宮祭りは見物に来る。
忘れかけていた「信仰心」がもたらす風情を楽しみたいからだ。
宵宮祭りへの散歩は、日常の散歩と違う。

日常とは別の土着の空間から、癒しを得ようと歩みを進める。
お祭りに誘い出された「信仰心」が、妙に新鮮な感覚をもたらす。
自身の「清い心」に癒される。

ショッピングセンターでこの風情を演出することは困難だろう。
空間が醸し出している独特の風情(土着的癒し効果)は、その空間でなければ味わえない。

小雨の宵宮は、人の引きも早い。
人の引いた宵宮に、露店の灯りがあかあかと。
その侘びしい風情を味わうために、遅くひっそりと訪れる人もいる。

つい今しがたまで賑わっていたお祭りから人が引いて、仕舞いがけの露店の灯りが、賑わいの残照のように虚しく空を照らしている。
癒しの空間、宵宮の残照の風情。

宵宮祭りに吹きかかる風が懐かしいのは、その風が、いにしえの風土から吹いてくるからか・・・。

私たちは、その懐かしさに癒されたいから、雨天でも、宵宮の空間に身を置くのだろう。
延々と繰り返されてきた庶民生活。
私たちは、その素朴な習慣の残照に癒されているのかも知れない。

東側の神社入口付近

人混みの境内。

本殿(拝殿?)。

ひっそりとした宵宮残照。

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