雑談散歩

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涼しい真夏に雪囲いの板材

冬の雪囲いの部材。
例年だと猛暑の真っただ中であるのだが、今年は涼しい。
朝晩の肌寒さは、いくら北国の青森でも、とても真夏とは思えない程。

犬の散歩でいつもの公園にたどり着いたら、一画に冬の雪囲いの板材が積み上げられているのに初めて気がついた。
前から、ここにこんなふうにあったっけ、という感じ。

雪解け以来、何度もこの公園に来ているのに、ほとんど気に留めなかったのだろう。
涼しい夏の隙間に入り込んだ秋の気配に、はっとして周囲を見ると、そこに雪囲い用の板材が積まれてあった。

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる  藤原敏行

古今和歌集だったかに収録されている有名な歌。
まだ秋は遠いと思っていたが、秋の気配が濃いような風の音に、もう秋がそこまで来ているのだなぁ、という感嘆の歌である。

今日の犬の散歩人の場合は、まだ真夏だというのに、雪囲いの板にぞおどろかれぬる、だ。
秋を通り越して、冬の近さに驚いてしまった。
こんなところにひっそりと、冬の準備がされていた。

まるで、この時期に準備される樹木の「冬芽」のような有り様である。
公園の管理者の季節感は、いにしえの歌人よりも、もっと先をよんでいる、のかな。
公園の中では、ナナカマドの葉が部分的に赤く色づいたり、トチの実が早くも姿をあらわしたり。
今年は秋の訪れが早いかもしれない。

積み上げられて保管されている雪囲いの板材。

組まれたまま保管。

ナナカマドの葉が色づいている。

トチの木の実。
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