投資詐欺の被害者が後を絶たない理由(夢と詐欺)
夢の世界。 |
リアルな夢とは、夢とは思われないような現実味を帯びた夢の事で、夢から覚めるまではハラハラドキドキのしっぱなしというもの。
これは夢ではないかと解るような浅い夢もあるが、夢から覚めても尚、夢の「ドラマ」が深く残っていて、なかなか消えないものもある。
最近は後者の夢をよく見る。
たとえば、二本足で歩く事を覚えた愛犬を連れて、昔住んでいたアパートを訪ねる夢とか。
たとえば、盗まれた私の自動車の行方を追っているうちに、自動車窃盗団のアジトを探し当てる夢とか。
たとえば、ある発明家に投資して大儲けした夢とか。
夢にリアリテーを感じるのは、見知った風景の中で繰り広げられる「未知のドラマ(夢)」に、「見聞きした知識・体験」や「既存の事実」が 織り込まれるから。
だから、錯覚は尾をひいて、眠りから覚めるまで長く続く。
織り込まれたそれらの演出が効果を発揮して、「未知のドラマ(夢)」が強いリアリテーを帯びて迫ってくる。
眠りから覚めるまでは夢の仕掛けに騙されっぱなし、ということになる。
実質的な被害を伴うか伴わないかを除けば、「詐欺」と「夢」は共通している点が多いように思う。
詐欺は、人の注意力を眠り込ませて、錯覚を利用して人を騙す犯罪。
眠って見る夢は、これが現実の出来事であるという錯覚に陥りやすいイベント。
夢を見ている人は、夢の中でお金を使う。
詐欺の被害者は、夢を見ながら、現実(架空)の人物に現実のお金を提出する。
二者とも、やがて眠りから覚めて現実を目の当たりにするのだが、 夢で良かったという人と、本当は騙されていたのだという人の心境には、天と地ほどの違いがある。
以前、「振り込め詐欺の被害者が後を絶たない理由」という記事を書いた事がある。
投資詐欺の被害者が後を絶たない理由は、 人は夢を見がちな生き物であるから、なのでは。
夢のお膳立ての上手い「詐欺実行犯」が、夢を仕組んで、被害者を眠り込ませる。
もうけ話は夢の中で、大損害は現実の話という結果に被害者は目覚める。
悪い夢を見ないためには、「見聞きした知識・体験」や「既存の事実」というものに対して疑問を持つことが必要かも知れない。
もうけ話の元になっている「見聞きした知識・体験」は 錯覚。
「既存の事実」は、意図的に創作された架空の物語であるかも知れない。