脚立に登るとオシッコが近くなる65歳大工
65歳大工。 |
その大工さんと久しぶりに会ったとき、彼はこんな話をした。
歳をとったせいか、この頃オシッコが近くなったという。
つまり、オシッコの回数が増えた。
彼は仕事がら、脚立に登る事が多い。
若い頃と違って、体の柔軟性が失われたせいか、脚立の上で仕事をしながらバランスを保つことが容易でなくなった。
若い頃は簡単に出来た事が、この頃は、ちょっと面倒になった。
だから、脚立の上で緊張する事が多くなったという。
その結果、オシッコが近くなった。
彼は、「もう歳だねぇ・・・」としきりに嘆いていた。
が、四肢を動かして働いているせいか、彼は実際の年齢よりも若く見える。
(1)歳だから体が鈍っている。
(2)体が鈍って、平衡感覚や反射神経が衰えた。
(3)バランス感覚が衰えたから緊張するようになった。
(4)緊張 するからオシッコが近くなる。
こういう順序で彼は、自身の状態について考えているようだ。
そして、(1)だから(4)だという結論を得た。
だが、(1)と(2)を端折って、(3)だから(4)だという考え方は出来ないものだろうか。
緊張するとオシッコが近くなるのは、多くの人が経験している。
若い人でも、緊張するとオシッコが近くなる。
もちろん、老化による頻尿もあるだろうけど。
年齢が進んだからといって、何でもかんでも老化のせいにするのはどうだろう。
55歳で前立腺肥大症になる人もいるが、70歳でも平気な人もいる。
人さまざまさ。
それに、脚立に登れて、その上で緊張するってことは、まだ平衡感覚が健全であるとも言える。
平衡感覚や反射神経を養う事が、若さを保つ秘訣では。
若い頃は体力があるから、平衡感覚や反射神経は、意識しなくても身についているものだが。
体力が衰えつつある今は、意識的に平衡感覚や反射神経を鍛えれば良いんじゃないかな。
そうすれば、脚立に登るとオシッコが近くなる事も、いくらかは軽減できる。
歳のせいにすることは一番簡単だが、実際に歳をとっている者にとって、それは何の解決策をも見出せない。
歳をとって失うものもあるが、得るものもまだ残っている。
人生がまだ残っているように、ね。
この際、失ったものに目をつぶって 、歳をとっても得ることが出来るものを注目すべきじゃないか。
四肢を動かして働いてきた大工さんなら、平衡感覚や反射神経を鍛えるぐらいは簡単なことだろう。
私は、こんな能書きをたれた。
すると彼はうれしそうな顔をした。
考え方次第では、そうなるなぁ。
そうなったら、うれしいね。
うれしくて、オシッコをチビリそうだよ。
やっぱり、歳をとると、ゆるくなるからねぇ・・・・。
チャンチャン。