植木の雪囲いにおける屋根板(天井板)の隙間の幅について
雪が積もった植木の雪囲い。 |
屋根に雪を満載しても、造園会社のプロが作った雪囲いはビクともしない。
古い木造家屋の屋根だと、このぐらい雪が積もれば、そろそろ雪下ろしが必要となる。
雪囲いの内側に身を入れて、上に向かってカメラを構えて天井(屋根板の下側)の写真を撮ってみた。
下の写真の通り、貫板と貫板の隙間が、4〜6センチぐらい空いている。
雪は、空から雪片となって降ってくる。
それが、地上や建造物の上に積雪すると、結合して、量感と質感を持った雪の塊となる。
積雪したばかりの雪は、いわば広範囲な雪薮状態になるのだ。
積雪の厚みや広がりが、どの程度の雪薮か、というのが雪の量感。
雪の質感は、乾いた雪か、水分を含んだ湿った雪かで変わってくる。
湿った雪の方が、雪同士結合する力が強くなる。
また、乾いた雪でも積雪の下敷きになると、圧雪状態に近づくせいか、結合力を増加するようだ。
下の写真のように、間をおいて板を並べていても、降雪が進むと、板と板の隙間が雪の結合で埋まってしまう。
(1)貫板の上に雪が積もると、積雪した雪は結合力を発揮して、細い貫板の外へせり出していく。
(2)順次に積雪していくから、上の雪の重みに圧されて、貫板に積もった雪が下の方から横に膨らむ。
上記(1)と(2)が同時に起こって、雪囲いの屋根板の隙間が、はみ出した雪の結合で充填される。
だから、隙間だらけの破れ天井でも、雪囲いの役割を立派に果たしている。
植木の雪囲いにおける屋根板(天井板)の隙間の幅は、プロの仕事から察するに、この地方では、4〜6センチぐらいが適当なのだろう。
北海道などの厳寒の地では、乾いた粉雪の方が多いから、屋根板の隙間は写真のような青森地方の幅よりも、さらに狭まることが予測される。
見に行って測って来た訳ではないから、あくまでも予測。
余談だが、スキーで転ぶと、湿った雪は粒が大きいので、首と衣類の隙間から侵入してウェアの内側の肌に触れることは無い。
厳寒のときの雪は、雪の粒が微小な乾いたパウダースノーとなっていて、微細な隙間まで侵入してくる。
パウダースノーは、スキーには最適の雪だが、転ぶと最悪の「ヒェー、しゃっこいしゃっこい」状態になる。
パウダースノーは結合力が弱い。
だから、パウダースノーの多く降る厳寒の地方では、隙間に神経質になることが多いと予測できる。
雪囲いの屋根板(貫板)の隙間。 |
雪囲いの屋根の下の空間。 |
雪の積もった雪囲い。 |