雑談散歩

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カサブタをめくる癖は自傷行為か?

カサブタをめくる癖を持っている人は案外多い。
そういう人は、カサブタができやすい人でもある。

ちょっとした擦り傷でも、カサブタができてしまう。
かゆいところを掻きすぎると、血がにじんでカサブタになる。

頭皮湿疹傾向の人は、頭が痒くなって、引っ掻いているうちに血が出てカサブタになったり。
乾燥肌、圧迫性蕁麻疹、虫さされ、草にかぶれるなど、皮膚が痒くなる原因は豊富だ。

カサブタをめくる癖のある人は、痒いところを引っ掻いてしまう癖のある人が多い。
我慢できずに、ついつい気になって、手をかけてしまう。
自身でカサブタを生産し、自身でカサブタを消費する。
自産自消。
そういう人は、いつも体のどこかにカサブタができている。

子どもの頃は擦り傷が絶えなくて、2センチ角ぐらいの大きなカサブタができるのはごく普通のこと。
それが大人になると、小さなものしかできない。
カサブタをめくる癖は、子どもの頃から続いている。

小さなカサブタでは物足りない。
大きくて厚いカサブタをめくる快感。
ちょっとドキドキして、わくわくする瞬間。

今風の若者ことばに「痛気持ちいい」というのがあるが、まさにそれ。
だが、本来の「痛気持ちいい」はマッサージでツボを圧された時などの「痛いけど気持ちいい」らしいが。





わざわざカサブタをめくって血をにじませるのは自傷行為だと指摘する人もいる。
それは、どうだろうか。
リストカットに代表される自傷行為は、容易には解明できない心の状態が関係している。

カサブタをめくって傷を拡大させている様子は、一見自傷的だ。
カサブタをめくって血を流している様子も、一見自傷的。
だが、カサブタめくりには、カサブタをめくりたいという単純な気持ちしか働いていないように思える。
カサブタめくりには、自傷行為とは反対の、傷の治癒を確かめたいというせっかちな気分も手伝っている。
どうにもならない感情の救済を目的として行う自傷行為とは違う。

自分を傷つけようとしてカサブタをめくるのではない。
どちらかと言うと、鼻くそをほじくるのに似ている。
ちょっと手持ちぶさたな時や、ちょっとした暇つぶしに行う悪癖。
鼻くそをほじくったときや、カサブタをめくったときに得られるものは、いわば、小粒な達成感や満足感や爽快感である。

それが目的といえば目的だが、あまりおおっぴらにできない質のもの。
ちょっと恥ずかしい行為だから、鼻くそをほじくっている姿や、カサブタをめくっている姿は、他人に見られたくはない。
秘密のおこない。

自傷行為が、他人に対して何かを訴える行為であるのに対して、カサブタめくりは自己の内側へ小さな満足を届けようとする慰め行為にも似ている。
それは、気が利くとか気遣いができるとかいう意味ではなくて、文字通り痒いところに手が届くという実感。
その実感を何度も確かめようとして、密かに何度もカサブタをめくる。
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