石垣のヒメオドリコソウの花が咲いた
花が咲いた石垣のヒメオドリコソウ |
赤ジソのような葉の陰から、ヒメオドリコソウの唇形花が顔をのぞかせている。
この写真には写ってないが、花の近くを蟻が動き回っていた。
やはり、石垣のヒメオドリコソウは、蟻が運んだ種が成長したものなのだろう。
ヒメオドリコソウの仲間のホトケノザの種子も蟻が運搬しているという。
いわば、蟻散布植物のようである。
ヒメオドリコソウやホトケノザの種子には、蟻が好む「エライオソーム 」という物質が付着している。
これは、乳白色のゼリー状になっており、脂肪酸やアミノ酸、糖などで出来ているらしい。
蟻は、この好物のエライオソームだけを食べて、種子はそのまま放置する。
その結果、ヒメオドリコソウの発芽となる訳だ。
蟻の巣穴近辺は、発芽にとって好条件なのだろう。
土に根を張り芽が出てしまえば、周囲に石があろうが瓦礫があろうが、どんどん成長して花を咲かせる。
ヒメオドリコソウは、名前のわりにはけっこうたくましい植物なのだ。
ちなみに、エライオソームは、スミレやカタクリの種子にも付着しているという。
蟻は蟻で、巣の近くにエライオソームの畑を作っていることになる。
石垣のヒメオドリコソウの花の陰に、蟻と植物の、生存のための「生活の方法」が あったのだね。
葉陰から唇形花が顔をのぞかせている。 |
岩陰に咲く高山植物のようなたたずまい。 |