2014/06/29

つがる市稲垣町の広い河川公園を散策

案内看板。


小雨の中、つがる市稲垣町の河川公園を散策した。
右の案内看板に、この公園の名前は記載されていない。
こんなに大きな公園なのに、名前が無いなんて。
国土交通省 青森河川国道事務所 五所川原出張所のサイトには、「河川公園(つがる市稲垣町)」という名前でしか紹介されていない。


この道の奥が岩木川。


「稲垣河川公園」という通称があるようだが、これはこの公園の正式名称では無いようだ。
地図で見ると、この河川公園のほとんどは、五所川原市藻川に属している。
稲垣町の市町村境界の外の、藻川地区に所在する公園なので、公園入口が稲垣町にあっても、正式に「稲垣河川公園」とは呼べないのだろう。

遠くからここを訪れた人は、この看板の前に立って、「ずいぶん広い公園だねぇ、はて?このやけに広いだけの公園の名前はなんて言うんだろう?」と思うはず。
その人は、家に帰ってから、友人や近所の人に、この大きな公園の話をするに違いない。
その際、この公園の名前を尋ねられて、返答に窮することだろう。
岩木川の河川公園は、青森河川国道事務所五所川原出張所管内だけで、五ヵ所ある。
この「河川公園(つがる市稲垣町)」は、固有の名前が無いおかげで、多くの県民には知られていない存在かもしれない。
そのせいか、雨のせいか、この公園に散歩にきた物好きは、私達だけだった。


菖蒲園。


「河川公園(つがる市稲垣町)」は、稲垣町の稲垣小学校の東側に広がる岩木川河川敷を利用した公園。
つがる市稲垣町は、旧稲垣村の田園地帯の町。
五所川原市から岩木川沿いの堤防道路(県道43号五所川原車力線)を12キロメートルほど十三楜に向かって下った所にある。

河川敷が広いので、この公園も広い。
ただ広いだけの公園が好きな方には、もってこいの公園。
広い芝生の上でのんびりしたい、という人にも最適。
平面的なので、広い場所を思い切りウオーキングして汗をかきたいという人にもおすすめ。
ほんと、思い切り歩ける場所である。
芝生もよく整備されている。
芝生広場・遊歩道・多目的運動場・浮き橋・ゲートボール場・バーベキュー広場・グランドゴルフ場などが整備されていて、多目的に使用出来る公園となっている。


パーゴラ(日陰棚)


この公園に、子ども向けの遊具は見当たらない。
公園の中で、お子さんを遊具で遊ばせたい、という目的の方には不向き。
高低差のない河川敷の公園なので、変化に富んだ自然公園が好き、という方にも不向き。
岩木川には近づけないようになっているので、親水公園とは言えない。
トイレは簡易トイレで快適ではない。
日陰が少ないから、真夏だとタープを持参した方が無難。
風光明媚な観光地ではないから、そういう場所が好きな方には不向き。
こうしてみると、行楽場所としては不向きな要素が強いようだ。

じゃ、この公園のどこが良いんだと言うと、下記の事柄が、やっと思い浮かんだ。

こんなに広い河川敷は、そうあるものでは無い。
もし河川敷ファンという人達がいたら、そういうファンにはたまらない公園。
でも、川との一体感は無いし、自然の要素も少ない。

広いから、愛犬とのびのびと散歩できる。

山間部の自然公園の高低差によるストレスが無い。
足腰が弱い方でも散策を楽しめる。
だから、自然のお花畑とか樹木とか、視覚的に楽しめるものがもっとあったら良いのだが。

他ではあまり見られない大きいヤナギの木がある。
このほか、川辺と言う自然環境に特徴的な観賞物が、もっとあったら楽しいのだが。

こう書いてくると、この公園は、変に手を加え過ぎて、ただ広いだけのつまらない公園になっている傾向があるなあと思えてくる。


河川公園の中の池。

睡蓮の花


昔、この周辺には、河川敷の森(河畔林)があったのだが。
岩木川の川岸の自然が、長い年月をかけて、自ら育んだ立派な森があったのだがなあ。
小鳥がいて、蝉とかカブトムシとかの昆虫がいて、小動物が棲息していたはず。
ハルニレやヤチダモ、ヤナギの木が大きく枝を広げていた。
あの貴重な森を活かした公園は造れなかったものか。
あの森を伐採してしまったのは、ほんとうにもったいないなあという思いが湧いてくる。
半世紀前に、肥後の守一丁をポケットに忍ばせて、この森の中を散策した少年がいたっけ。

しかし、その当時と現在とでは、岩木川の「形態」が違っている。
昔は、もっと大きく、ゆったりと蛇行していたのだが。
現在は、改修工事によって蛇行部が 解消された姿に変わってしまった。
川の流れが、曲線ではなく直線に近い形に変えられたのだ。
市町村境界はそのまま残って、今も、昔の岩木川の蛇行に沿って引かれている。
この「河川公園(つがる市稲垣町)」の場所は、昔は五所川原市藻川の水田地帯だった。
だから、この公園が出来る以前は、水田が広がっていて、森ではなかった。
森(河畔林)は、この公園の場所の、上流側と下流側に広がっていた。
森のなかには、部分的には畑もあったが。
しかし、大部分が水田で占められていた旧稲垣村のなかでは、広くて立派な森であった。


大きなヤナギの木。


世界自然遺産というブランドと比較するのもおかしいが、岩木川の源流部である白神山地のブナの原生林が貴重なら、岩木川の河畔林も貴重なはず。
つがる市稲垣町に限らず、岩木川下流域で、河畔林が現存している場所はあるのだろうか。
河川公園として残すなら、河川森林公園として残してほしかった。
河川森林公園でも、地域住民のコミュニティの場になり得るのでは。
でも、もう伐採してしまったものは、もとには戻らない。

これは自然保護とかの、だいそれた意見ではない。
自然と親しみ楽しみたいという、遊び心的な発想なのだが。


雨の中、芝生に佇む犬。