遮光器土偶のつがる市木造駅と駅前食堂(神武食堂)
通りの向こうに巨大な遮光器土偶のモニュメント。 |
つがる市木造にある大溜池の感傷的な見物の後、木造駅に向かった。
木造駅の壁面に設置されているという巨大な遮光器土偶を見物するためだ。
で、ご対面したのが下の写真の遮光器土偶。
もちろん、これは亀ヶ岡遺跡の出土品ではなくて 、それの拡大コピー。
コピー元は、東京国立博物館所蔵の遮光器土偶。
木造の亀ヶ岡遺跡から発掘された重要文化財である。
この建物に貼り付いた物体を、モニュメントと呼ぶべきなのか、オブジェと言うべきなのか。
堂々と胸を張って、駅前通りを見下ろしている。
いや、どこか遠くを眺めている。
まるで、望郷人形。
故郷を遠く離れた人達の、魂のオブジェのようにも見える、と言ったら言い過ぎか。
駅舎同様コンクリート製で、高さが17メートル。
愛称は「シャコちゃん」。
木造駅舎前面に貼り付いた遮光器土偶。 |
木造駅は、JR東日本・五能線の駅。
巨大な土偶駅は、1988年から1989年にかけて、日本の各市区町村に対し、地域振興に使える資金1億円を交付した「ふるさと創生一億円事業」によって建築された。
当初は、列車が到着すると遮光器土偶の細い目が光っていたらしいが、子どもが怖がるので止めたという。
謎めいて神秘的なこの遮光器土偶そのものが、一部の恐がりな子ども達にとっては恐怖の対象かもしれない。
縄文時代の子どもたちも、「遮光器土偶」に対して畏敬の念を感じていたことだろう。
横から見たところ。 |
この駅舎自体を、掘立柱建物や竪穴住居を模倣したものに造っていれば、縄文ムード満天なのでは。
などと考えていたら、どこからか醤油スープのいいにおいが。
時刻は昼食どき。
出し汁のにおいの元を探して駅前を歩いてみたら、駅のすぐ近くに食堂があった。
食堂の名前は、神武食堂。
「えっ、神武って、あの神武天皇のジンム?」
ムードは縄文時代から神話時代へ。
ってほどでもない、田舎の駅前の、ごくありふれた食堂なのだが。
えらく混んでいる。
私たちの前に、空き待ちの家族連れが3名。
駅前食堂のメニュー。 |
ここはきっと美味しいに違いないと、席が空くのを待った。
連れとふたりで、下の写真のラーメンと焼きそばを食べたが、好みの味。
あっさりしていて美味しい。
くどい味が好みの方には、あっさりし過ぎかもしれないが、私には充分だった。
あっさり津軽味ラーメン。
えらい混み様だったので、有名な食堂なのではと思い、ネットで調べてみたら、そのようだった。
店名は「神武( ジンタケ)食堂」と読む。
大正時代の末に「神(ジン)武次郎(タケジロウ)」さんという方が開いた食堂なので「神武(ジンタケ)食堂」。
現在の店主は4代目だとか。
ちなみに、「神」というのは「ジン」と読む名字のこと。
津軽地方に特有の名字である。
時代は、神話時代から大正時代へ。
木造というところは、いろんな時代を感じさせる町である。
※「神武食堂」に興味をお持ちの方は、「木造 津軽百年食堂」で検索して下さい。
中華そば。 |
五目あんかけ焼きそば。 |