全国共通だったチドメグサの血止め効果

ツメクサの陰にチドメグサの花や果実。


公園の草地。
生い茂ったツメクサの陰でチドメグサが花を咲かせていた。
この花は、ほんとうに小さいので、花を見る目的で注視しないと見逃してしまう。
手持ちのカメラでは、焦点が合わなくて、うまく花の姿を写せない。

野草には、こんな小さな花が多い。
園芸種の花は、花を大きく目立たせるように改良されているものが多いから、花の色鮮やかさだけが目につく。

派手な存在感に満ちている。
野草の花には、野に生きる生活感が滲み出ている。
チドメグサの花の生活感とは、どんなか?
他の植物の葉陰で、ひっそりと静かに慎ましく生きる、とか。

だが、よく見ると、匍匐茎が多数入り組んで、方々に伸びている。
茎の節からは、ひげ根が出て、地面を這い回り、ちょっとした群落だ。
なかなか逞しい生き様。
野草はみんなそんなものだ。

チドメグサは、やや湿った場所を好むようだから、ツメクサの陰の保湿された土に根を張っているのかもしれない。
そうやって、ツメクサの葉の隙間から陽の光を頂戴している。
ネットで調べると、花柄は葉柄よりも短いとあるが、写真の花柄はけっこう長い。

葉柄は横に這うタイプで、花柄は直立するタイプなのだろうか。
今度は、もっとしっかりと見ておこう。
野草の現物を見て、ネットで調べて、さらに細かく現物を見る。
これが、私の野草に対する接し方。

ところで、チドメグサは、子どもの頃からの馴染みの草である。
ちょっとした擦り傷や切り傷に、チドメグサの光沢のある葉表をぴったりと貼って、血を止めた経験が何回もあった。
子ども心にも、こんな野蛮な応急手当は、この地方だけだろうと思っていた。
だから、チドメグサとは、津軽地方の方言名で、 本当の標準名は他にあるのだろうと思っていたが、チドメグサは全国共通の標準名だった。

ということは、チドメグサの血止めの効能も全国共通。
ひっそりと静かに慎ましく生きたい、というチドメグサの要望とは裏腹に、昔は、切り傷だらけの全国のガキンチョロの間で、引っ張りだこの膏薬草だったのだ。
草は見かけによらぬもの。

私達は、傷口によく引っ付く性質のツルツルした葉を貼って、血の流れ出るのを防ぎ、止血していたのだが、正しい血止めの方法は違うようだ。
チドメグサの葉を揉んで出た汁を傷口につけると、それで血が止まるらしい。
であるから、葉の汁を傷口にいっぱい塗り付け、その上にツルツルの葉を絆創膏のように貼れば、良かったのかもしれない。

そんなことを思っても、もう子ども時代にはもどれない。
現在では、清潔な「ガーゼ付き絆創膏」があるし。


チドメグサの果実。

チドメグサの球形の、受粉の終わった花序。

チドメグサのまとめ

セリ目ウコギ科チドメグサ属の植物。
本州から九州、沖縄、小笠原に分布。
道端や人家近くに生え、地面を這って広がる常緑の多年草。
開花期は春の中頃から秋の中頃まで。

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