秋田県鹿角市の舌状台地にある置石の輪(大湯環状列石)
万座環状列石アプローチ。駐車場から遺跡に向かう。 |
秋田県鹿角市十和田大湯にある国の特別史跡「大湯環状列石」を見物。
大湯環状列石は、縄文時代後期の大型配石遺跡である。
東北自動車道を「十和田南インター」でおりて、国道103号線を東(十和田湖方面)に向かう。
「大湯環状列石」の道路案内標識に従って進む。
すると、クルマは平野部から大湯地区の「舌状台地(ぜつじょうだいち)」へと導かれ、大湯環状列石の遺跡に着く。
ガランとした台地の広がりの中に、無数の大きな石が、輪のように置かれているというような感じ。
あ、トラックだ。
これは、古代の運動公園だったのではないかと、早速、素人発想が湧いて出たが、いまのところ、そんな見解は無いらしい。
草原の中にある、「万座環状列石」の遺構。奥に復元建物が見える。 |
大湯環状列石は、すぐそばに隣り合った、ふたつの環状列石で構成されている。
大湯字万座地内にある「万座(まんざ)環状列石」。
大湯字野中堂地内にある「野中堂(のなかどう)環状列石」。
ふたつとも、ほぼ同一の構造であるらしい。
石の下にお墓が作られているタイプの環状列石であるという。
お墓があるのだから、陸上競技場ではないのだろう。
いや、古代では有りかも。
運動公園と霊園が同居。
万座環状列石は、二重の配石の円で出来ている。
外側の大きな円を「外帯」。
内側の小さな円を「内帯」。
と、専門家は呼んでいるらしい。
万座環状列石の「外帯」は 直径52メートル。
約五千個の石で作られているという。
「野中堂環状列石」の遺構。 |
万座環状列石の東、県道をはさんだところに野中堂環状列石がある。
野中堂環状列石の「外帯」は、直径44メートル。
石の数は、約二千個。
5本柱建物。 |
上の写真の、5本柱の中心に、火を焚いた跡が見つかっているらしい。
この遺構の周囲からは、土器や土製品が多く見つかっているという。
この構造物が何であるのか、いまのところ解明されていないらしい。
陸上競技の選手控室であったのでは、という素人推測を言った者は、残念ながらいない。
万座環状列石。 |
万座環状列石復元建物。 |
万座環状列石の周りには、八軒ほどの掘立柱(ほったてばしら)建物がある。
この建物から、火を焚いた跡や使用していた土器が見つかっていないらしい。
そのことから、暮らしの場としての、家としては使われていなかったのでは、と推測されている。
建物の周囲からは、祭りや祈りに使われる土製品などが多く出土しているという。
死者と競技者に祈りを捧げる観覧席であったという可能性は、誰によっても示されていない。
万座環状列石中心部。 |
復元建物越しに見る万座環状列石。 |
野中堂環状列石の「日時計状組石」。 |
万座環状列石と野中堂環状列石の、二重の円の間に、ぽつんと配石遺構がある。
これは「日時計状組石」と呼ばれている。
ほら、やっぱりね。
陸上競技場に時計はつきものさ。
大湯環状列石案内看板。 |