雑談散歩

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貸借対照表で資産の部の現金がマイナスになった

先日、確定申告のための青色申告決算書を「青色申告ソフト」で作成していたときのこと。
貸借対照表に目を通すと、なんと、資産の部の期末現金残高がマイナスになっているではないか。
ええっ!財布にはそれなりの現金があるのに、どうして残高がマイナスに!

どこかに入力ミスがあったのか、それとも事業経営が破綻しかけているのか。

貸借対照表とは、決算日における事業の財政状態を表した報告書である。

それの現金残高がマイナスになっているとは・・・・・・なんのこっちゃ?

お客様のおかげで、一定の売り上げがあり、一定の収入があるのに、決算報告書の「現金」がマイナスになっているのは、どうして?

と、ネットで調べてみた。
すると結構こういう事例はあるらしく、検索してみると、貸借対照表で「現金」がマイナスになっている方の、疑問の声がネット上を賑わしている。

個人事業主が青色申告をする際の帳簿のつけ方は、複式簿記の手法に基づいていなければならない。
そのために、貸借対照表などの報告書の提出が義務付けられている。

複式簿記の仕組みは大変複雑で、私みたいな素人の手に負えるものではないのだが、今の時代は便利な会計ソフトが出回っている。
パソコンが使えれば、取引(売上や収入、買掛金や売掛金の支払いや回収などなど)を入力するだけで、貸借対照表が出力されてしまうのだ。

ところで、なぜ資産の部の「現金」がマイナスになってしまうのか。
ほとんどの事業主は、収入の全てを現金として腹巻に保管している訳ではない。
特に必要としない現金は、預金として銀行に保管している。

それに売掛金などの回収は、取引銀行に振込まれることが多いので、事業に必要な現金は銀行の預金から引き出して用立てることがほとんど。

私は事業に必要な消耗品や原材料の一部を「現金」で購入している。
アルバイトの方への支払いも「現金」。
買掛金の支払いも、一部は「現金」だ。
これらの「現金」は、現実のお金であり、取引上(現金帳簿)の「現金」でもある。

それらの「現金」支払いは、たとえば消耗品の購入の場合、以下のように振替伝票に入力する。
帳簿の「借方」に、勘定科目は「消耗品費」として2,000円。
「貸方」に、勘定科目は「現金」として2,000円。

ところで、事業収入のほとんどは、事業用の預金通帳に振込まれる。
帳簿上の現金収入は小口の取引のみである。
これでは、帳簿上の「現金」が目減りする一方で、貸借対照表の期末の「現金」がマイナスになるのは当然。

いくら財布が万札で膨らんでいても、帳簿上の「現金」はマイナスなのである(例え話ですよ)。

そこで、ネットでお知恵を拝借した解決法とは。
毎月月初めに、帳簿上で「現金」の事業資金の補充を行うこと。

振替伝票への入力は以下の通り。
「借方」の勘定科目は「現金」として50,000円。
「貸方」の勘定科目は「事業主借」として50,000円。
摘要の欄に、「事業資金の補充」と入力。

※50,000円というのは、あくまでも私の事業の「事業資金の補充」額です。

この作業を1月から12月の月初めに行い、「青色申告ソフト」の「設定業務」、「開始残高登録」のページを開き、年度を確認して「登録「ボタンを押す。

すると「貸借対照表」の資産の部、「現金」の箇所が適度なプラスの額に変更されている。
「貸借対照表」の「現金」の期末残高がマイナス表示になることで、「決算」の売上(収入)に影響を与えることはない。

しかし、きちんと帳簿をつけていれば、所持金がマイナスで無い限り、マイナスになることは無い。
実際には預金を引き出して事業資金にあてたりしているはず。
あるいは、生活費の一部を事業用に使ったり。
それらの資金に関する取引の記帳が洩れているから、それらのマイナス分が積み重なって、現金が有るのに貸借対照表で資産の部の現金がマイナスという結果になる。

複式簿記はパズルのようなもので、ちょっとミスをするとたちまち迷宮の世界に迷い込んでしまう。
勉強すると面白いのだが、毎回決算期のときだけ一夜漬けの勉強するのでは身につくはずがない。
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