寒の戻りにめげず、コブシが毛皮のコートを脱いで開花中
コブシの花が開き始めている。 |
ふっくらとした毛皮のコートの先から白い顔をのぞかせている。
コブシは、桜よりも一足先に咲く。
白い可憐な花びらが開くと、桜の開花も間近になる。
コブシの冬芽は、毛皮のコートをまとっていて、温もりが感じられる。
それが、早春に襟元を開いて、咲き始める。
冬季の終焉と春の到来を告げる花なのだ。
この花も、ソメイヨシノ同様、開葉より先に開花する。
この公園のコブシの木の背後には、ヒマラヤスギ並木がある。
ヒマラヤスギの深緑の葉をバックに、コブシの純白の花が咲くと、かなりの見ごたえがある。
春の始まりの時に、雪を思わせる純白のコブシの開花。
今朝、東京都心や関東地方に雪が舞ったという。
青森県の弘前市にも雪が降った。
季節は行きつ戻りつ。
その歩み方が、春の到来を際立たせるのだろう。
コブシの白い花は、雪の名残か、春を書き込む白紙のノートか。
早春に咲く純白の花を見上げる人の気持ちは様々。
満開のコブシの下を通ると、ときどき、甘い香りを感じることがある。
冬中、毛皮の中に隠し持っていた春の香り。
枝の折口からも、コブシの強い香りが放たれる。
この香りが、春の到来を実感させる。
そう実感したとき、冬はもう、はるか遠くに過ぎ去っている。