山での忘れ物は、また手元にもどってくるのか?
萱野高原から北八甲田を眺める。 |
連休最終日になった昨日の山行で、大岳南斜面の残雪最上部に、スキーのシールを忘れた。
シールとは、クライミングスキンとかクライミングシールとか呼ばれている山スキーの道具。
スキーを履いたまま山の斜面を登るために、スキー板の裏(ソール)に貼り付ける毛皮みたいなもの。
この毛皮の逆毛が、登高の際、後ろへの滑り止めの役割をする仕掛けになっている。
シールは、私のスキーハイキングには無くてはならないもの。
興味のある方は、このブログ内のテレマークスキー記事まとめページへどうぞ
シールは、私のスキーハイキングには無くてはならないもの。
新たに購入するとなると2万円ちょっとの出費になる。
忘れ物に気がついたのは帰宅後、リュックの中身を取り出しているとき。
リュックの中にあるはずのシールが無い。
手にした時の、あの毛皮の手触り感・・・。
映画のようなワンシーンがよみがえる。
スキーのソールからシールを剥いで、濡れたシールを乾かすために、近くのハイマツの枝に掛けたのだった。
そのハイマツのヤブの光景が頭に貼りついた。
あっ、あそこに・わ・す・れ・た!
いつもは、滑降開始地点に到着後、スキーをひっくり返して、シールを板に貼り付けたまま乾かしていた。
その方が、道具がバラバラにならないので、置き忘れることがない。
そして、スタートの準備のとき、スキーからシールを剥いで、そのままリュックに仕舞うようにしていたのだ。
道具を分散させないことが、置忘れを防ぐ方法。
なのに、今回はどうしたわけか、いつもと違うことをした。
大岳急斜面シール登高の緊張から解放されて、ボンヤリしていたのだろう。
今日は忘れ物を取りにいかなければならない、ということで、また八甲田へ行く理由ができた。
今日探しに行かなければ、後に悔いが残ると思った。
大岳に向かう途中、仙人岱ヒュッテに寄る。
ひょっとしたら、ここに届いているかも知れないという期待感(予感)があったからだ。
すると、案の定、私のシールが、上の写真のように、小屋に保管されていた。
小屋の風除室から部屋に入り、左手のコーナーを見たら、紛れもない私のスキーシールが、横棒にキチンと揃えて、掛かっていた。
ありがたいことです。
どなたか、親切なスキーヤーが回収して、仙人岱ヒュッテまで届けて下さったのだ。
ほんとうにありがとうございます。
このままシールを失っていたら、心の中にポッカリと穴が空くところでした。
愛用の道具を失うことは、一時的なことにしろ、寂しい気持ちでいっぱいになるということでした。
自身のうっかり者加減に愛想が尽きかけたところを、救っていただいたような気分。
せっかく大岳に登るつもりで、アイゼンを用意してきたのだから、今日もまた、登ることにした。
曇天だったが、シールが見つかって、気分は明るい。
大岳南斜面をアイゼンで直登。
そして滑降。
今日もまた、素晴らしいザラメ雪。
シールを忘れたおかげで、かえって楽しい思いをさせてもらった。
山での忘れ物は、また手元にもどってくるのか?
それは、なんとも言えない。
幸運だったら、それは失わずにすむでしょう。
ただ、これは言える。
山には、幸せな気分にしてくれるものが、いっぱいあるということは確かなことであります。
たとえ幸運には恵まれなくても、登山者を幸せにしてくれるものがいっぱいあるってこってす。
忘れ物に気がついたのは帰宅後、リュックの中身を取り出しているとき。
リュックの中にあるはずのシールが無い。
手にした時の、あの毛皮の手触り感・・・。
映画のようなワンシーンがよみがえる。
スキーのソールからシールを剥いで、濡れたシールを乾かすために、近くのハイマツの枝に掛けたのだった。
そのハイマツのヤブの光景が頭に貼りついた。
あっ、あそこに・わ・す・れ・た!
いつもは、滑降開始地点に到着後、スキーをひっくり返して、シールを板に貼り付けたまま乾かしていた。
その方が、道具がバラバラにならないので、置き忘れることがない。
そして、スタートの準備のとき、スキーからシールを剥いで、そのままリュックに仕舞うようにしていたのだ。
道具を分散させないことが、置忘れを防ぐ方法。
なのに、今回はどうしたわけか、いつもと違うことをした。
大岳急斜面シール登高の緊張から解放されて、ボンヤリしていたのだろう。
仙人岱ヒュッテに、大岳に忘れた私のシール(中央)が保管されていた。 |
今日は忘れ物を取りにいかなければならない、ということで、また八甲田へ行く理由ができた。
今日探しに行かなければ、後に悔いが残ると思った。
大岳に向かう途中、仙人岱ヒュッテに寄る。
ひょっとしたら、ここに届いているかも知れないという期待感(予感)があったからだ。
すると、案の定、私のシールが、上の写真のように、小屋に保管されていた。
小屋の風除室から部屋に入り、左手のコーナーを見たら、紛れもない私のスキーシールが、横棒にキチンと揃えて、掛かっていた。
ありがたいことです。
どなたか、親切なスキーヤーが回収して、仙人岱ヒュッテまで届けて下さったのだ。
ほんとうにありがとうございます。
このままシールを失っていたら、心の中にポッカリと穴が空くところでした。
愛用の道具を失うことは、一時的なことにしろ、寂しい気持ちでいっぱいになるということでした。
自身のうっかり者加減に愛想が尽きかけたところを、救っていただいたような気分。
避難小屋仙人岱ヒュッテの内部。石油ストーブや灯油ポリタンクは個人の持ち込み。 |
せっかく大岳に登るつもりで、アイゼンを用意してきたのだから、今日もまた、登ることにした。
曇天だったが、シールが見つかって、気分は明るい。
大岳南斜面をアイゼンで直登。
そして滑降。
今日もまた、素晴らしいザラメ雪。
シールを忘れたおかげで、かえって楽しい思いをさせてもらった。
山での忘れ物は、また手元にもどってくるのか?
それは、なんとも言えない。
幸運だったら、それは失わずにすむでしょう。
ただ、これは言える。
山には、幸せな気分にしてくれるものが、いっぱいあるということは確かなことであります。
たとえ幸運には恵まれなくても、登山者を幸せにしてくれるものがいっぱいあるってこってす。
大岳南斜面を登る。 |
アイゼンで登ってきた斜面を振り返る。 |
このハイマツのヤブにシールを置き忘れたのだった。 |
残雪最上部で休憩。 |
硫黄岳方面を眺める。 |
曇天の三山(手前から小岳、高田大岳、雛岳)。 |
大岳南斜面のザラメ雪を痛快に滑る。 |