雑談散歩

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タニウツギの果実

タニウツギの果実。


 平沢林道沿いの林の縁で、タニウツギが実を結んでいた。
まるでカツラの木の果実を思わせる。

最初、これは何の木の実かわからなかった。
「なに、これ~、めずらしいものもあるもんだねぇ?」てな感じ。
写真を撮ってネットで調べたら、なんとおなじみのタニウツギだった。

カツラの木の実に似ている。


青森地方のタニウツギの花期は5月の中ごろ。
その時期に山へ入ると、あちこちでタニウツギのピンクの花を見ることができ、非常に目立つ樹木なのだが。

花が散ってしまうと、これといった特徴のない低木のタニウツギは、ひっそりと森の中へ溶け込んでしまう。
もう人は、その存在に気づかなくなってしまう。


幹の下部。


 森は「ひとからげ」で見られてしまいがち。
でも森は個別なものの集合体なのだ。
小さな発見が、そういう理解をちょっと深める。

山を歩くということは、ちょっとずつ知識を拾い集めながら、山を知っていくことなのだろう。
山を知れば、その分、山と仲良くなれる。
仲良くなれば、山はいろんなことを教えてくれる。

ちなみに、タニウツギの果実は「さく果」に分類される。
「さく果」とは、成熟すると果皮が裂開して、種子を飛散させる構造の果実のこと。
私は、こんな形のさく果は、カツラの実しか知らない。
カツラの種子には翼がついているが、タニウツギの種子にも翼がついている。

小さな種が四方に散って、日当たりの良い林縁で発芽する。
こうして、花期がくればタニウツギの濃いピンク色が、一斉に森の縁を飾るのだ。


タニウツギのさく果のアップ。
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