車道のアスファルトの裂け目に咲いている逞しい花、アライトツメクサ

アライトツメクサ
(アライトツメクサ。)


目立たずにひっそりと。
でも逞しい生き様。

隙あらば潜り込み、生きる。
自動車道路のアスファルトの裂け目に根付いている。
白い花の直径は3ミリぐらい。

ネットで調べてみたら、ツメクサの一種で、アライトツメクサに最も似ている。
アライトツメクサの別名は、アライドツメクサ、あるいはトヨハラツメクサ。
どちらも最初に発見された地名を表している。


(蕾や花が密集。)


アライドは阿頼度島(あらいどとう)という千島列島の最北端の火山島のこと。
トヨハラはサハリンにかつてあった都市(豊原)の名前。

もともとはヨーロッパ原産の帰化植物だったらしい。
ナデシコ科ツメクサ属。
最初に帰化した場所が、かつて日本領であった土地。

現在では、北海道とか青森県とか、比較的冷涼な土地に分布が多いとか。


(アスファルトの隙間を手掛かりに地面に這い広がる。)


ツメクサによく似ているが、ツメクサの花弁とがく片は5枚ずつ。
これに対して、アライトツメクサのそれは4枚ずつ。

イトツメクサにも似ているが、イトツメクサの花期(果期)は春に限られている。
アライトツメクサの花期は夏で、今。


(よく見ると可憐な花とガク。)


今日見かけたアライトツメクサは、背丈が5センチぐらい。
蕾あり花あり果実ありの状態で路面に貼りついている。

あたりを見ると、アスファルトの裂け目を埋めているのは、ほとんどがこの草である。


(集合して、おしゃべりに夢中。)


上から見下ろしただけでは、小さすぎて、この草の様子はわからない。
しゃがみこんで目を近づけると、にぎやかに咲いている様が見えてくる。

道路上に顔を出している草だから、踏みつけに強いのだろう。
アスファルトの隙間は、アライトツメクサの小王国になっている。

「踏まれても踏まれても立ち上がれ!」と根性先生が叫ぶ。
だが、アライトツメクサは、そんな無駄なことはしない。
彼らは踏まれながら立ち上がらずに生きている。

別に立ち上がらなくても、花は咲くし実が成る。
こんな場所には、制空権を争うような背の高い草は進出してこない。
アスファルトの隙間は、都会の隙間。
都会の隙間で生きていける種は限られている。

ここは彼らの独壇場。
よく見ると、のんきに寝そべって、したたかに笑っているように見える。
こんな厳しい環境が、北方からやってきた彼らの「まほろば」なのである。
アライトツメクサは、北の国への郷愁に咲く。


(雨乞いでもしてる?)

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