車道のアスファルトの裂け目に咲いている逞しい花、アライトツメクサ
目立たずにひっそりと。
でも逞しい生き様。
隙あらば潜り込み、生きる。
自動車道路のアスファルトの裂け目に根付いている。
白い花の直径は3ミリぐらい。
ネットで調べてみたら、ツメクサの一種で、アライトツメクサに最も似ている。
アライトツメクサの別名は、アライドツメクサ、あるいはトヨハラツメクサ。
どちらも最初に発見された地名を表している。
(蕾や花が密集。) |
アライドは阿頼度島(あらいどとう)という千島列島の最北端の火山島のこと。
トヨハラはサハリンにかつてあった都市(豊原)の名前。
もともとはヨーロッパ原産の帰化植物だったらしい。
ナデシコ科ツメクサ属。
最初に帰化した場所が、かつて日本領であった土地。
これに対して、アライトツメクサのそれは4枚ずつ。
イトツメクサにも似ているが、イトツメクサの花期(果期)は春に限られている。
蕾あり花あり果実ありの状態で路面に貼りついている。
しゃがみこんで目を近づけると、にぎやかに咲いている様が見えてくる。
道路上に顔を出している草だから、踏みつけに強いのだろう。
アスファルトの隙間は、アライトツメクサの小王国になっている。
「踏まれても踏まれても立ち上がれ!」と根性先生が叫ぶ。
だが、アライトツメクサは、そんな無駄なことはしない。
彼らは踏まれながら立ち上がらずに生きている。
別に立ち上がらなくても、花は咲くし実が成る。
こんな場所には、制空権を争うような背の高い草は進出してこない。
アスファルトの隙間は、都会の隙間。
都会の隙間で生きていける種は限られている。
都会の隙間で生きていける種は限られている。
ここは彼らの独壇場。
よく見ると、のんきに寝そべって、したたかに笑っているように見える。