八重咲きのムクゲの花が、「青い森セントラルパーク」で咲いていた。
公園のムクゲ。 |
ムクゲは一重咲きのものを多く見るが、「青い森セントラルパーク」では八重咲きのムクゲが花盛りだった。
多目的芝生広場の北側に、「青い森鉄道」の線路に沿って遊歩道がある。
もちろん、線路と遊歩道はフェンスで仕切られている。
その遊歩道の傍らに、ムクゲの木が一本立っている。
箒を逆さまに立てたような枝ぶりだから、すぐに目につく。
この逆さ箒の木が、八重咲きのムクゲである。
樹高は2.5mぐらいで、まだ小さい。
公園などに栽培されているムクゲは、剪定されて高さを抑えられているので灌木のように見える。
しかし、放置すると、八重咲きのムクゲは10メートル以上の高さに達するという。
「青い森セントラルパーク」は、管理の行き届いた公園である。
このムクゲの木が、将来高さ10メートルに達することは、まず無いであろう。
八重咲きのムクゲの花。 |
ムクゲと言えば、芭蕉の句、「道の辺の木槿は馬に喰はれけり」がある。
「野ざらし紀行」におさめられた句で、貞享元年8月の作。
松尾芭蕉41歳のときの句とされている。
この句の記事を、以前このブログに書いた。
その記事は、このブログの数ある芭蕉句の記事のなかで、比較的アクセスが多い。
ムクゲが、花として高人気であるからだろうか。
蕪村にも、ムクゲの句がある。
「朝顔にうすきゆかりの木槿かな」与謝蕪村。
蕪村にしては、えらくすました句のように私には感じられる。
また、何やら説明的である。
まるで植物学者が解説しているような。
まるで植物学者が解説しているような。
朝顔と木槿をだぶらせるのは、くどい感じがする。
くどい句をすまして詠んでいる蕪村。
この句を詠んだ蕪村が、68歳のときに「紅梅の落花燃ゆらむ馬の糞」とうたいあげたのだから面白い。
それはそうと。
ムクゲの花を、芭蕉は馬に食わせ、蕪村は朝顔に似せた。
さて、「青い森セントラルパーク」で咲いているムクゲは、どっちのムクゲだろう。
などと、八重咲きのムクゲの花を眺めながら、考えてしまった。
天に向かって花を咲かせているムクゲは、なんとなく馬が食い付きそうな様子だなぁ。
こちらは小学校の校庭端に咲いていた一重咲きのムクゲ。藪の中にあって手入れをされていないので、ちょっとボロボロ。ボロボロになりながらも、懸命に花を咲かせているムクゲである。
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