平和公園で、クロマツの花が咲いた

クロマツの葉と花が混在。


愛犬の散歩で平和公園へ出かけたら、公園樹のクロマツの花が咲いていた。
そこで、しばしお花見。
お花見と言っても、桜や梅のようにはいかない。
なにしろマツの花には花弁が無いのだから。

マツは裸子植物で、裸子植物には花弁がない。
高校の生物の時間に、裸子植物と被子植物の違いを教わったが、いまだにその違いが解らない。

で、覚えていることは、裸子植物の花には花弁も、花弁を支えるガクもないということ。
花弁が無ければ花とは言えず、マツのこれは「生殖器官」と呼ぶべきだという学者先生もいらっしゃるという。

これが花ではなくて「生殖器官」だったら、今日の私の行いは花見ではなく「生殖器官見」になってしまう。
これは変でしょう、世間的に・・・・
ちょっと専門的過ぎて、花見というリラックスした気分が消えてしまう。

まあ、花でいいんじゃないでしょうか。
それに、クロマツの「花部分」をじっと見ていると、なんとなく花に見えてくる。


クロマツの雄花。

上の写真は、クロマツの雄花(おばな)。
今年出た枝の根本に群がって付いている。

花としては、なかなか面白い姿である。
すでに球果(松かさ)を意識した形ではないだろうか。
だが、雄花が松かさになるわけではない。
悲しいことに雄花は、花粉を散らしたあとに枯れるのみである。

この雄花は、鱗片(りんぺん)を固く閉じているから、まだ蕾の状態。
鱗片とは、写真のようにクロマツの雄花の表面を覆っている鱗(うろこ)状の細片。
この細片の裏側に、雄花の花粉を収納している「花粉嚢(かふんのう)」があるとのこと。

鱗片が開いて、花粉が飛び出すようになると、雄花の満開と言っても良いのではと個人的に納得している。
「クロマツの花が満開である」とは、誰も言わないからね。
桜の満開とは、まったくイメージが異なるけれども。

クロマツの雌花(めばな)は、伸びている新枝の先に赤く咲くのだが、まだ見当たらない。
マツの花の順序は、雄花が出てから雌花が出る。
雄花がまだ蕾の状態なので、雌花は姿を現していないようだ。

マツボックリの愛称で知られている松かさは、雌花が受粉して成長したもの。
いわば、マツの「果実的な存在(球果)」。
マツボックリのなかには、マツの種子が格納されている。


上へ伸びている若枝(白っぽい茎)の先に、これから雌花が咲く。


クロマツの花は風媒花であるから、雄花から飛散した花粉を雌花がキャッチして受精する。
マツは、同一個体での受粉を避けるために雄花と雌花の咲くタイミングをずらしていると言われている。
植物のこのシステムを「雌雄異熟」というとか。

マツの「雌雄異熟」は、「他家受粉」を行われやすくする。
マツはきびしい自然環境のなかで、「他家受粉」をすることで「遺伝的多様性」を獲得しているとのこと。
「遺伝的多様性」を獲得することは、生き延びる能力を高めること。

はたして、公園樹のクロマツに、この性質は受け継がれているのだろうか。
管理された公園樹として長い年月を生きるなかで、平和公園のクロマツの野生は、だんだんと失われていくのではあるまいか。
いまのところ、「雌雄異熟」ではあるけれど・・・
などと素人考えを巡らしながら、今日はクロマツの「へぼ観察」的花見に興じてみたのだった。


クロマツの枝に雄花の花盛り。


下の2枚の写真は19日後の5月20日に十三湖で撮ったクロマツの花。
すぐ下の写真の、白っぽい若枝の先端に付いている赤いのがクロマツの雌花である。


クロマツの雌花の開花。


枯れかけている雄花。

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