草むらの中でひっそりと咲いているのはムラサキサギゴケかトキワハゼか?
(ムラサキサギゴケかトキワハゼか?) |
最初、この花を見たとき、ツタバウンランかなと思った。
でもよく見ると、花が似ているだけで、葉も茎もまるで違う。
一面が緑の草むらのなかでは、まず花が目に留まる。
その花に連なるイメージが、頭のなかに広がる。
花は、人の目を引きつけるものだから。
わたしたちのイメージは、花に従ってしまう。
小さな花に目をやって、次に、葉に目をやる。
ツタバウンランではないとしたら、これは初見の草。
意識的に草を見るようになってから、初めて見る花。
目から脳の記憶の野へとさざ波が走る。
見たものの色や形を、脳が確認するまでのわずかな時間。
それは、とてもワクワクする時間。
野草ファンの至福の時である。
五所川原市金木町の芦野公園の、駐車場のそばの草むらに咲いていた。
どちらかというと、日陰の湿りがちな場所。
調べてみたら、ムラサキサギゴケ?という植物らしい。
だが、そっくりなやつにトキワハゼという野草もある。
はたしてこれは・・・・
発見の現場で、もっと子細に写真を撮るべきだったと後悔する。
細部の特徴をもっと丹念に調べるべきだった。
花を正面から見た時の横幅は、10~15ミリ。
花弁の先から萼までの長さは、12~18ミリ。
それにしても写真が下手。
どれもこれもピンボケじゃないか。
後悔の行き着く先は、小さな花の写真を撮るのは難しいという結論。
マクロレンズがあったらなあという、ないものねだり。
(花弁の上唇が斜上、あるいは直立。) |
いろいろなサイトに掲載されている、ムラサキサギゴケとトキワハゼの特徴をまとめてみると。
◆ムラサキサギゴケ
- 匍匐茎(ほふくけい)を出して広がる。
- 花弁の色が濃いことが多い。
- 唇形花(しんけいか)の上唇が、斜上ないしは直立し、先端の2裂が深い。
- 葉に荒い鋸歯(きょし)がある。
- 花期は、春のみ。
◆トキワハゼ
- 匍匐茎を出さない。
- 唇形花の下唇が、ほとんど白色に近い。
- 唇形花の上唇が、あまり反らずに、先端の2裂が小さい。
- 葉の鋸歯は浅い。
- 花期は、春から秋まで。
それは以下の理由によっている。
- 全体に花の紫色が濃いし、下唇も紫色である個体が多い。
- 上唇が反り返っている。
- 葉の鋸歯が荒い。
- 茎が匍匐茎っぽい。
上記1~3までは、写真を見れば明らかなのだが、個体差があることは否めない。
4については、不明な点が多い。
茎が地面を直接這っているなら、匍匐茎として一目瞭然なのだが。
写真の茎は、他の草に覆いかぶさるように伸びている。
なかには斜上あるいは直立しているものもある。
なので、匍匐茎であるとは言い切れない。
野草ファンの方たちのサイトの記事を読むと、見分け方の最大のポイントは、匍匐茎であるかないかだとの説が多い。
だが、私の観察は、匍匐茎であるようなないようなという曖昧なもの。
4については、不明な点が多い。
茎が地面を直接這っているなら、匍匐茎として一目瞭然なのだが。
写真の茎は、他の草に覆いかぶさるように伸びている。
なかには斜上あるいは直立しているものもある。
なので、匍匐茎であるとは言い切れない。
野草ファンの方たちのサイトの記事を読むと、見分け方の最大のポイントは、匍匐茎であるかないかだとの説が多い。
だが、私の観察は、匍匐茎であるようなないようなという曖昧なもの。
(葉の鋸歯が荒い。) |
(葉は茎の根元に付いている。) |
(上唇が2裂していない。) |
そして、この野草に感じた最大の疑問点は、上の写真のように、上唇が2裂していない点。
ムラサキサギゴケのインターネット上の写真を見ると、そのほとんどは上唇がウサギの耳のような形で2裂している。
この点が、ムラサキサギゴケかトキワハゼか、同定しかねているところである。
その生息している地域や環境によって、野草に個体差が生じているのは、いままで見てきた。
個体差があるので、明瞭な特徴も明瞭でなくなる。
ムラサキサギゴケとトキワハゼの識別はむずかしい。
そこで、この野草を見分ける決定的な方法は、開花期しかないと思っている。
8月の中頃に、もういちどこの場所を訪れてみる。
そこにこの花が咲いてなければ、この野草はムラサキサギゴケと同定できる。
8月になってもまだ咲いていれば、これはトキワハゼ。
同定は、その日まで先送りにしよう。
8月が楽しみである。
(茎が匍匐している?) |
(草むらの中でひっそりと咲いている。) |
■撮影データ
- 日 時: 2018年6月3日 12:00 晴
- 場 所: 五所川原市金木町芦野公園 標高約10m
- 機 材: Canon EOS Kiss X7i レンズ:EFS18-55mm