ケヤキとサクラの根上りの戦い?それとも助け合い?
(アスファルトを破って顔を出したソメイヨシノの根上り) |
これは戦いなのか?
それとも、お互いに支え合って、共存共栄を企てているのか?
青森市中央市民センターの裏の公園で繰り広げられている「根上り」の絡み合い。
当事者は、ケヤキとソメイヨシノ(以下サクラと記述)。
松原公園のケヤキの根上りのことは、以前記事にしたことがあった。
あの根上りもすごかったが、こちらの根上りはもっとすごい。
公園の草刈りが、ちょうど済んでいたので、根上りの姿をはっきりと見ることができた。
(ドウダンツツジの植え込みにちょっかいを出しているケヤキの根上り。) |
(左がケヤキ、右がソメイヨシノ。手前に愛犬。) |
(ケヤキの根上りをサクラの根上りが乗り越えている。) |
上の写真は、灰白色のケヤキの根上りを、濃いグレーのサクラの根上りが乗り越えて張り出しているもの。
この写真を見ると、ケヤキがもともと植えられていて、その後にサクラが植えられたように見える。
後からやって来たサクラが、古くから住んでいるケヤキの根上りを ドッコイショしているような。
だが、下の写真を見ると、ケヤキとサクラの根上りのドッコイショは、交互に行われていることがわかる。
ケヤキもすごいが、サクラも負けていない。
樹木の根の役割は、樹木の体を支えること。
後からやって来たサクラが、古くから住んでいるケヤキの根上りを ドッコイショしているような。
だが、下の写真を見ると、ケヤキとサクラの根上りのドッコイショは、交互に行われていることがわかる。
ケヤキもすごいが、サクラも負けていない。
(手前左は、ケヤキの根上りをサクラの根上りが乗り越えている。奥中央は、サクラの根上りをケヤキの根上りが乗り越えている。) |
樹木の根の役割は、樹木の体を支えること。
水分や養分を土壌から吸収し、幹や枝葉に送り込むこと。
地中深く下に向かって伸びる根は、垂下根。
地中で斜め方向に伸びる根は、斜出根。
水平状態に伸びる根が水平根。
水平状態に伸びる根が水平根。
この水平根がなぜ根上りして、地上に姿を表すのだろうか。
地上に露出した根は、根としての役割を果たせるのだろうか。
(巨大なヘビのように延々と伸びていくケヤキの根上り。全長約15m。) |
樹木の根は、土の中に潜るものである。
背が低い草の根だって、土中に潜っている。
まして背が高くが風当たりの強い樹木の根は、地中深く潜って樹木を支えなくてはならない。
なのにどうして、ここのケヤキとサクラは根を露出させているのだろう。
植物について書かれた本※を読んで学んだことは、植物は「ハングリー精神」が旺盛だということ。
この「ハングリー精神」が水平根を地上に露出させているのではあるまいか。
(※本:主に「植物のあっぱれな生き方(生を全うする驚異のしくみ)田中修著」
根が活動するためには、空気と水分と栄養分が必要である。
特に、土中の空気が不足すると、根は酸欠で窒息し枯れてしまう。
この公園の土の中は空気不足なのではあるまいか。
なのでケヤキやサクラの水平根は、空気を求めて地上に姿を露わにしている。
まるで空気不足の水槽で口をパクパクさせている金魚みたいに。
地中に空気が無いなら、それを地上に求めるだけさと、樹木の「ハングリー精神」が、根を露出させているのだと私には思える。
そうして枯れもせずに、独特の根の形態を晒して生きている。
この公園の土中には、どうして空気が不足しているのだろう。
太平洋戦争中の青森空襲で生じたコンクリートなどの建築ガレキの上に土を盛っただけの造りなのだろうか。
青森中央市民センターには「青森空襲資料常設展示室」がある。
それは関係ないかも。
とにかく、土の中を見ることができないので、なんとも言えない。
それは、ともかく。
公園には、自然の山地にあるような腐葉土層が無い。
広大なブナの森を有する八甲田連峰や白神山地では、通気性や保水性に優れた分厚い腐葉土層があるせいか、露出した水平根を見かけることがあまりない。
ただ登山道で、オーバーユースのために地面が掘られて露出した根を見る程度である。
公園の落葉は清掃されてしまい、都市公園に腐葉土層ができることは無い。
土中の空気不足に対抗する水平根の「ハングリー精神」が根を露出させているのでは。
と考えてみたが、はたして真相はいかに。
写真の根上りの状態は、ケヤキとサクラの戦いでも助け合いでも無い。
これは、新鮮な空気を求めてもつれ合っている姿なのかもしれない。
(根系よ、おまえは何処へ行く?約15m伸びているケヤキの根上りの地上部先端。) |
根が、こんな苦労をしているから幹や枝や葉は安泰でいられるのだ。
それにしても、上の写真の根上りはすごい。
猪突猛進に直進している。
水平根から下ろした細根で、浅い地中にある空気を吸いながらどんどん伸びている。
そんなにどんどん伸びて、どこへ行くのか。
などとは、人間の浅はかな問いかけでしかない。
(ケヤキの根上りに、地中から掴みかかっているサクラの根上り。ちょっとオカルト。まるでケヤキの根上りを土中に引きずり込もうとしているみたい。) |
(ケヤキの根上りとサクラの根上りが上になったり下になったり。) |