青森市の都市公園で見かけたツリガネニンジンの花
【ツリガネニンジンの花。】 |
高齢(11歳)になった愛犬は、だんだん散歩の距離が縮まってきた。
だが、ときたま軽快な足取りで遠出をするときもある。
まだ若かったころの散歩を、思い出してでもいるように歩き出すのだ。
今朝も、そんな散歩になった。
肩を交互に振って、早足で歩く。
お尻もフリフリ。
松原公園まで一気に来て、公園の中をのんびり歩き回る。
ひょろながい青草をムシャムシャ食べる。
おかげで懐かしい花に出会えた。
この公園でツリガネニンジンを見るのは初めて。
道路際に一株、花を咲かせている。
ツリガネニンジンの花は、一昨年のお盆に津軽半島の平滝沼公園で見て以来である。
そういえば、平滝沼公園でもポツンと一株だけで立っていた。
独りでいるのが好きなのだね。
【花を拡大。】 |
株は独りでも、花は賑やかである。
細い茎に、ぶら下がるように次々と淡紫色の花を咲かせている。
下を向いた釣鐘形の花が、特徴的である。
上の写真のように、花冠が先端部で広がっている。
反り返った花びらの裂片がなんともチャーミング。
花柱(めしべ)が花冠から飛び出して、花柱の先端(柱頭)も反り返っている。
ツリガネニンジンに似た花にソバナがある。
淡紫色の釣鐘形の花であるが、ツリガネニンジンのように花柱が飛び出ていないのが見分けるポイント。
花の形も、ソバナはどちらかと言うと円錐形で、ツリガネニンジンのような「胴太感」は無い。
それにソバナの花は、ツリガネニンジンのように輪生しない。
空に向かって蕾が育ち、花は地に向かって開く。
元気な子どもが、慎ましい麗人に成長するようなイメージである。
ツリガネニンジンの根は、朝鮮人参の根のように太いと言われているが、独りポツンと立っている花を引っこ抜いて、その根を調べるわけにはいかない。
また、茎を切ると、白い乳液状の汁が出るらしいが、これも独りポツンと立っているが故に、茎を折るわけにはいかない。
このままそっと見守って楽しむべき花なのである。
根本に近い葉は、広くてオオバコの葉のようである。
根生葉は円心形で、花が咲く頃には枯れてしまうという。
葉は、茎の上になるほど細くなっている。
どこか場違いな印象は否めない。
津軽半島の平滝沼公園みたいな所でないと、風景との一体感がありませんね。
ツリガネニンジンには、津軽半島の野が似合う。
ツリガネニンジンには、津軽半島の野が似合う。